Humanoid ~この恋は永遠に~ 35

  14, 2014 20:03


沈黙を破ったのはユノだった。

「……来てくれたのか」

穏やかな笑みを浮かべて、ユノは僕を見つめる。

「……元気そうだね」
「はは……。そう見えるか」
「……うん」

何を言えば言いのか解らない。

酷い事を言ってごめん。
まだ君を愛してるんだ。
もう一度、僕の恋人になって欲しい。

これまで僕らが積み重ねた苦しみや悲しみ、今置かれた状況を思うと、どんな言葉で伝えようとしても伝えきれない。
ユノが喜ぶ気の効いた言葉なんて、何も言えなかった。

「チャンミン」

ユノが僕の名前を呼んで、ゆっくりと距離を詰める。

「まだ……怒ってるよな?」

もう怒ってはいない。
けど迷ってるよ。
傷つく事を恐れず、再び君の手を取るべきなのか。
ユノは眩しすぎる。
側にいれる自信が無い。
ユノを信じ切ってしまうのが恐い。
素直になれないひねくれた心が、顔を出した。

「今日は……さよならを言いに来たんだ」
「え……?」

ユノの顔を見れないまま、緊張で乾いた口を動かした。

「君のこと……ユノだと思えないよ」

こんなの、嘘だ。

「髪型も体型も違うし……それに……ユノは嘘なんてつかなかった」

最後まで傷付けてごめん。

「僕が愛してるのは、あの時一緒に過ごしたユノだけだ」

僕じゃなく、もっと素敵な人と幸せになって。
足元に視線を落としたまま、痛々しい沈黙に耐えていた。

「そうかよ」

聞こえてきた声は、怒っているようにも落胆しているようにも感じられた。
ユノは頭を乱暴に掻いた後、暫く俯いていた。
きっと呆れられた。
僕を怒鳴って、冷たい言葉を浴びせてくれても構わない。
そう思ったのに、ユノが取った行動は思いがけないものだった。
僕の右腕を強く捕むと、手前に引き寄せてユノは言った。

「だったら殴れ」
「え……?」
「俺の事、もう顔も見たくない位憎んでんだろ。だったら満足するまで殴れよ。そうじゃなきゃ俺の気が済まない」

殴れだって?
本当は優しく抱き締めて、愛してると言いたいのに。
僕をまっすぐに見つめるユノの視線が痛い。
涙が一気に溢れて頬を濡らした。

「馬鹿……。そんな事出来ない……」
「いいから殴れっ」
「っ…………」

ぶるぶると震える手を、やっとの思いで持ち上げた。
こんな事をしたかった訳じゃないのに。
僕は泣きながら、ユノの頬をぱしりと叩いた。
ユノは横を向いたまま、顔を歪めて笑った。

「……ぜんぜん痛くねぇ」
「……ごめ……ごめんっ……」

震えが止まない手を胸元で強く握りしめ、僕はその場から逃げ出した。
ユノが僕を追ってくることはなかった。



部屋に着くなり、僕は靴も脱がずに床に崩れ落ちた。

「……ごめん、ごめんユノ……。好きなんだ、好きなんだ……。好きなのに……」

ユノは僕のために命をかけて生きてくれた。
僕も、ユノのためなら命を捨てる覚悟で向き合えばよかったんだ。
どうして僕は自分が大嫌いなのに、こんなに自分が大切なんだろう。
ずっと願っていた。
ユノが本当の人間なら良いのにと。
夢は現実となり、僕は今幸せなはずだった。
それなのにこうも辛いのは、僕の心が弱いせいだ。
張り裂けそうな胸の痛みをどうすることも出来ず、僕は声をあげて泣いた。









心の傷は自分で作った。
この傷が治る日は、きっと来ないだろう。
僕がこんなに愛したのは今までもこれからも、ユノたった一人だ。
ユノを思い出さない日は無かった。
僕は、ユノが追って来ることを何処かで望んでいた。
今も望みを捨てきれずにいる。
ユノに嘘をついて、ユノを試すような真似をして本当に馬鹿だ。
僕の期待を打ち消すように、何の変化もないまま一日一日が過ぎてゆく。
梅雨を迎え、外は連日雨が降り続いている。
降り止まない雨は僕の心のようだと思った。
ユノと最後に会った日から、既に一か月以上が過ぎようとしていた。









◇◇◇



あ~、あと少し!
グダグダですんません。
作者のグダグダ具合がチャンミンに混ざってしまいました。
コメントは……出来たら今日中に……返せればいいな……ゴニョゴニョ。
頂いたコメントしっかり目を通してます。
お付き合いいただいて本当に本当に感謝です。
とりあえず王様のブランチ見よう……
そして明日新大久保行ってきます♪





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