Humanoid ~この恋は永遠に~ 32

  08, 2014 17:44


ヒチョルが出ていった後、俺は浅い眠りから覚めてはまた眠り、目覚める度に人の気配を探った。
しかし部屋はしんとしたまま、誰かが訪れる様子はなかった。
ろくに動く事も出来ず、俺は何度目かの眠りについた。









「ユノ、起きろ」

再び、親友の声が聞こえてきた。

「会いたがっていたろ。連れてきてやった」

その言葉を聞いて、静かに刻まれていた鼓動が微かに乱れた。
ヒチョル、俺の願いを叶えてくれたのか。
重い瞼をゆっくりと上げ、横へ視線を移した。
そこには、何度も何度も会うことを思い描いた人が立っていた。

「チャン......ミン......?」

共に過ごしたあの頃と何一つ変わらないままの、チャンミンがいた。
息が苦しくなる程、胸が締め付けられる。
堰を切ったように、涙が次々と溢れた。

「ユノ......なのか......?」
「......やっと、会えたな」

戸惑った表情を浮かべ、チャンミンはそっと俺に近寄った。

「本当に……ユノ……?」
「そうだ……」

指先に触れたチャンミンの手を、僅かな力で握り返す。

「どうして……。一体……どういう事……?」
「……ヒチョル、全部話してくれるか。隠さずに」
「……了解した」

チャンミンが、ヒチョルと俺を不安げに見つめた。

「シム・チャンミン、これからユノ・ユノの真実を話す。かなり酷な内容になるが……聞いてくれ……」



ヒチョルはチャンミンに全て話した。
俺と瓜二つのhumanoidが作られたきっかけ。
会社で起きたミス。
それをカバーするための計画に俺が手を貸し、ユノ・ユノのブレインとなった事。
そして、チャンミンが調査により抽出されたターゲットだったと言う事も。
チャンミンは俺の手を握ったまま、俯きながら話を聞いていた。
感情を必死に抑えるように、一点を見つめた、まま小さく体を震わせて。
話が終わると、握っていた手がほどかれた。

「……嘘、だろ……。こんな事って……」
「済まない、チャンミン……」
「僕は……僕は、騙されていたの……?」

今にも泣きそうに顔を歪めながら、チャンミンは俺に問いかけた。

「そうだ……。俺は、お前を騙した」

瞳に涙を溜めて、チャンミンは俺を睨んだ。

「ユノ……言ったよな。心があるものは大切にしなければならないって。人間がhumanoidを傷つけるのは間違いだって。でも……人間が人間を傷つけるのは良いっていうのか?」
「……済まない」
「ユノを信じてた……。信じられたから……好きになったのにっ……」

チャンミンは俺の肩を掴み、ガクガクと揺すった。
その衝撃で散ったチャンミンの涙が、俺の頬を濡らした。
自分を殺したい程の罪悪感に駆られ、それでも俺は、ただ謝罪を口にすることしか出来なかった。
チャンミンは俺の胸に顔を埋めていたが、暫くするとゆっくりと身体を起こした。
心が抜け落ちたような無表情で俺を見つめると、小さな声で言った。

「……さよなら、ユノ……」

チャンミンは、俺の視界から姿を消した。
暫くするとドアが閉まる音が聞こえ、チャンミンは部屋から出て行ったのだと分かった。

「……なぁ、ヒチョル」
「……なんだ」
「チャンミンのため……。そう思ってこんな身体になった。でも肝心な時に、チャンミンを追うことも出来ない」

俺の決断が正しかった事が、今まで一度でもあったのだろうか。

「……一体何やってんだろうな、俺は」
「…………」

こうなることは覚悟していたのに、今はショックのあまり何も考えられない。
拳を握り締めながら、ただじっと天井を見つめていた。
まるで俺の頭の中みたいに、まっ白な天井を。









◇◇◇



作者ユノを苦しめてばかりでスミマセン。でもチャンミンもきっと同じくらい辛いです。
別に二人を苛めたい訳じゃないんですよー……(;_;)
でもホミンは強い心を持ってるから大丈夫!
可哀想過ぎる……と嫌になった方はすみません。





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Comment 4

NB  

ま○さま

>ま○さま

こんにちは、いらっしゃいませ!
コメントありがとうございます。
切なすぎてスイマセン……
リアルなホミンで心を潤して下さいませ(^o^)
私のお話と対照的にご本人たちはリア充してますよね(笑)
もう最近のイチャイチャに開いた口が塞がらないわ。

こちらの二人も……リア充までたぶんもう少しですよ!
どうかお付き合い下さい。
新曲、ヒルナンデスよかったですね。
個人的にはMJが一番楽しみです。
サムシンが日本で地上波初ですからね!

お話の更新、頑張ります!
またお待ちしてますね。

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NB  

さえ○んさま

>さえ○んさま
こんばんは!おひさしぶりです。
そしておかえりなさい!
お話し切ない要素掘り下げ過ぎて若干作者の私がうんざりしてます……(;_;)
でも大丈夫です、もう少しなので!
打ち明けた心境は、ユノ・ユノとして終われば純粋に愛されたけど、それ以上に嘘をついたままチャンミンをこれからも追い詰めるのがつらかった……という感じでしょうか。
ユノの心の中って、純粋な善が人間なら誰でも持ってる悪の面を打ち消してる感じがします。
夢みてる痛い感じかも、すみません(笑)
でも、一番はさえ○んさまが言うように会いたかったのかも。
難しいお題なので私も全部抱えきれない状態です、スイマセン。とほほ
チャンミンも凄く辛いですよね……
二人の行く末をもう暫く見守ってあげてください。
Humanoid、実はdoggy×doggy!みたいにちょくちょく短編連載放り込んでいく予定です。
なので実際はまだ終わらない感じでなんですよ~(笑)

ライブの感想おまちしてましたっ!
解ります、ライブ後の放心状態……
席、仙台の時と似ているのであればそこそこ良いですよね!
12列ならそこまで視力悪くなければ結構見えますもんね(^^)
チャンミンソロ、本当に素敵ですよね。
サビの綺麗な高音に溜め息がでちゃう。
唾つまっちゃったんですか!大変……(笑)
私も見たかった(笑)
ランボー私が参戦したライブではやってないので、これもまた見たい。
ユノが自分から振ってチャンミンに自業自得言われたヤツですよね(^_^)
いいなぁ♪
WD綺麗ですよね、青い衣装も爽やかです。
バラードは、歓声ではなく拍手が起こるのも納得です。
二人のハーモニーは本当に素晴らしい!
技術は勿論ですが、ネイティブじゃないのにあそこまで心に浸透するように心をこめて歌えるのって凄いですよねね。

やっぱりユノって可愛いですよね♥
はじけるユノは本当にキュート(^o^)

わーい、さえ○んさま五分五分ですか!
嬉しい!
最近のチャンミンの積極的な感じ、誘い受けも攻めもどっちも萌えますね!
お礼伝えられて、よかったです。
トンにはいくらお礼言っても足りない位ですよね。
もう1つの方のコメントはまた別に書きますね。

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