Humanoid ~この恋は永遠に~ 31

  07, 2014 09:41


長い夢が終わりを告げた。
訪れた闇の中で、俺は目覚める事を躊躇っていた。
目を開けば、そこにはチャンミンが居ない世界がある。
そう思うと辛かった。

「起きてくれ、ユノ」

ヒチョルの声が聞こえてくる。
そっと瞼を上げると、睫毛を濡らしていた涙が頬を伝った。

「……生きてるんだな、俺」
「ああ」

動く気力が沸かない。
チャンミンは今頃どうしているだろう。
きっと泣いている。
切なげな顔が思い出され、俺を呼んでいた声が頭の中で繰り返される。
チャンミンの心に、深い悲しみを刻んでしまった。
それなのに俺だけ、何も無かったように元の生活に戻るなんて耐えられない。

「……もう少し寝かせてくれるか。疲れたんだ」
「解った。暫くしたらまた声をかける」

目を閉じて暫くすると、ぼんやりとある光景が浮かび上がってきた。
チャンミンとドライブをしたり、ベッドで抱き合ってキスをしたり、それは全て今までチャンミンと重ねてきた日々の回想だった。
俺はチャンミンとユノ・ユノが触れ合うその様子を、少し遠くから見ている。
これはユノ・ユノから送られてきた情報でなく俺の夢の中だ。
チャンミンは俺に気付くと目を見開いた。

「ユノ……?ユノなのか?」
「……そうだ」
「どうして……。だってユノはここに」
「チャンミン……俺は……本当は……」

そこで夢は途切れた。
やっぱり、このまま生き続けるなんて俺には出来ない。
嘘をついたまま、この先もチャンミンを苦しめながら生きていくなんて。
俺は、このまま命を絶つべきなんじゃないのか……?
ユノ・ユノのブレインとして、処分と同時に役目を終えるべきなんじゃないのか?
暗闇の中、俺は眠り続けた。









チャンミンと離れ離れになって、どれだけ時間が経っただろう。
幸せだったあの日々が何度も浮かび上がり、最期はいつもチャンミンが涙を流しながら俺を見つめていた。
今俺はどこにいるのか、ちゃんと生きているのかさえ解らない。
ふと、末梢に温かい温もりを感じた。
誰かが俺の手を握っている。

「ユノ……死ぬな、ユノ……」

聞きなれた親友の声がした。

「俺が悪かった……。頼むから目を開けてくれ……」

ぬるい水滴がひとつ手の甲に落ちた。
泣くなんて珍しい。
研究が自分の命よりも大切なお前が、俺のために涙を流すなんて。
その声に意識を掬いあげられるように、俺はうっすらと目を開けた。

「ユノッ」
「……ヒチョル」
「ユノ……済まない、済まない」

ヒチョルは俺を抱き締めた。
背中に手を回そうとしたが、腕が全く動かない。
ベッドに横たわっているだけのそれに、スタンドにぶら下がった点滴が繋がれていた。

「ごめんな……。心配かけた」

ヒチョルは首を振ったが、泣き顔を見られたくないのかなかなか顔を上げない。
チャンミンを見つめている間に、ヒチョルに随分と悲しい思いをさせてしまった。
チャンミンのために死を選んでも、結局また大切な人を傷つける事になる。

「ヒチョル……」
「……なんだ」
「頼みがある……。お前は怒るかも知れないが……聞いて欲しい」
「言ってくれ」
「チャンミンに……会いたい。事実を伝えたいんだ」
「…………」
「やっぱり……駄目か」

ヒチョルが駄目と言うのなら、俺は受け入れるしかない。
このまま、罪を背負いながら歩んでいく事を。

「もしシムが公言したら……俺達は二人で刑務所行きか」

チャンミンに会わせてくれるつもりだろうか。

「出掛けてくる」

コートを羽織ると、ヒチョルは部屋を出ていった。









◇◇◇



皆様、MDご覧になりましたか?
ホミり過ぎてわけ分からなかった方々、挙手願います。
あっ……こんなに……?仕方ないですね。あんなにされたらね。
歌もダンスもトークも良すぎてお腹いっぱいでございます。
ビギ乙万歳!!
MDの感想、コメントのお返事は後程記載致します。
次回やっと再会シーンです。
それにしても長編って大変ですね。
沢山頂いた拍手を糧に完走目指して頑張ります。
いつも本当にありがとうございます。





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