Humanoid ~この恋は永遠に~ 26



テラスへ出て、暗くなった街を眺めていた。
高い丘に位置するこのアパートは、二階からでも街一体を見渡せる。
暗い海の中を泳ぐ光を連ねた電車。
星空のように散らばる幾つもの光。
今では少し見慣れた風景だ。
全く知らない街だったけど、暮らし初めてからここが好きになった。
チャンミンが見て感じているこの場所を。
ふと下の歩道に視線を移すと、チャンミンが歩いてくるのが見えた。

「よう。おかえり」

声をかけると、チャンミンはただいまと言って微笑んだ。
その笑顔に、少しドキッとした。



「そうだ……。もう無かったんだ」

冷蔵庫の中を覗いたチャンミンが言った。
ビールのストックが無いのを忘れていたらしい。

「買い行くか」
「いや……いい。今日疲れちゃったから」

今日は特にだが、最近チャンミンはバイトで疲れているようだ。
してやれることなんてそんなに無いけど、代わりに買い物する位ならできる。
そう思って俺が買いに行ってもいいと言った。

「大丈夫……。ここに居てよ」

そんな顔で、そんな声でここに居てなんて言うな。

抱きしめたくなる。

「僕、なんか変な事言った?」
「いや……何も」

チャンミンの顔を見ていられず、俺は逃げるように部屋へ向かった。
チャンミンの表情や言葉に煽られる。
俺に好意を抱いているように思わせるから。
俺がチャンミンの想いに向き合おうとしたら、チャンミンは俺を恋人にするのだろうか。
そんな事を考えてしまい、自分の想いに気付かないフリをするのはもう限界だと思った。

俺はチャンミンが好きだ。

何時からか明確には解らない。
もしかしたら、チャンミンの写真を見て綺麗な瞳から目を話せなかったあの瞬間から、惹かれていたのかもしれない。
だけど何処まで好きになればいい。
俺はチャンミンを騙している犯罪者だ。
そしてこの期間が終わればユノ・ユノは存在を消し、チョン・ユンホとしてまた生きてゆく。
チャンミンと再会することは出来ない。
悲しい思いをさせる位なら、この気持ちはしまって今の関係を続ける。
それが、正しい選択だと思った。






翌日。
チャンミンがバイトで留守の間、何時ものように散歩へ出た。
俺は元々部屋にこもるタイプじゃないから、街をぶらぶらするのが日課になっていた。
朝のうちに、チャンミンの代わりにビールを買って帰る約束をしていた。
夕方になると ぽつぽつと雨が降り始め、買い物を終え店から出た時にはかなり強くなっていた。
傘を持っておらず、暫く待ってみたが雨は止む気配がなかった。
これ以上じっとしているのが億劫で、俺は降りしきる雨の中に駆け出した。
チャンミンは傘を持って行かなかったが大丈夫だろうか。
まだ帰宅時間には早い。
帰る頃には止んでればいいが。
自分がずぶ濡れになるのはそっちのけで、チャンミンの事ばかり考えていた。



家に着くと、玄関にチャンミンの靴があるのに気付いた。
呼びかけると返事が聞こえてきた。
この時間はいつもならまだバイトをしているが、今日は早く終わったのだろうか。
部屋から現れたチャンミンは初めぼんやりとしていたが、ずぶ濡れになった俺を見て慌てた。

「ユノ!びしょ濡れじゃないかっ」
「傘、持ってかなかったから。タオル貸して」
「ごめん、僕が頼んだせいで……」
「関係ねーよ。ビール買う為だけに外出た訳じゃないし」

ビールが入った袋を渡すとチャンミンはそれを受け取り、持ってきたタオルで俺の身体を拭いた。
思いがけない行動に驚いて、動揺しているのが態度に出ないようになんとか平静を装った。
暫くすると、身体の上を動く手が止まった。
チャンミンが、俺の身体をじっと見つめている。
潤んだ瞳。
うっすらと開いた唇。
これ以上、無意識に俺を誘わないでくれ。

「……チャンミン」
「あ……ご、ごめん」

本当は、強引に抱き寄せてしまいたい。
息が出来ない位、その柔らかそうな唇を塞ぎたい。

「自分で、拭くだろ」
「貸して」

欲望を必死に押し込めて、差し出されたタオルを受け取った直後。
身体をふらつかせたチャンミンは、壁を伝って床にしゃがみ込んだ。

「おい……チャンミン?」
「……ユ……ノ……ごめ……」

もしやと思い額に触れると、じんわりと熱感を感じた。

「おま、熱あんじゃねーかっ」

直ぐに気付かなかった事を悔いながらも、俺は身体をベッドまで担ぎ出来る限りの処置をした。
返事も覚束ないチャンミンに、部屋にあった解熱剤を飲ませて冷やしたタオルで顔を拭いた。

暫くすると辛そうな表情は少し落ち着いて、静かに寝息を立て始めた。
俺はベッドの端に腰掛け、チャンミンの寝顔を見つめた。
疲れているのに無茶するから。
だけど、そんなお前が俺は。

「……好きだよ」

チャンミンが気付かないところで言うくらい、許してほしい。
伝わる事がないその言葉を、そっと呟いた。









◇◇◇



どこまでーなら君のこーとを 愛してーいいのー♪
書いてて思いました。ユノの心境、I knowの歌詞にめちゃ当てはまるぞと。
昨日から、東京ドーム始まりましたね!
いつものようにレポ見てにやにやしとります。
コメントは後程お返しします。





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2 Comments

NB  

オハ○○マミさま

★オハ○○ マミさま
またコメント頂き嬉しいです(^^)!
やっぱり好きとかもう……超絶喜びます。

ユノチャミがhumanoidならもう大量生産でも欠品しそうですね。
それにこのみの髪型や服も着せれるし……妄想止まらない(笑)
私はユノ→金髪のさらさら 服はWhiteのPVみたいなちょっと可愛いかんじ。。
チャミ→黒髪ぱっつん(TIMEDVDのような)服はチャミのセンスでいいです
どうでもいい事情すみません(笑)

またお待ちしています♪

2014/05/24 (Sat) 07:52 | EDIT | REPLY |   

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2014/05/22 (Thu) 02:00 | EDIT | REPLY |   

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