Humanoid ~この恋は永遠に~ 21

  10, 2014 13:31


鏡の中に映っているのはどこからどう見ても俺だ。
違っているのは緩くウェーブした茶髪の髪だけ。
実際は自分ではなく、自分そっくりのhumanoidだと忘れそうになる。

「俺の技術は凄いだろう」

後ろから聞こえた声に振り返ると、資料を抱えたヒチョルが立っていた。
その後ろに、職員と思われる格好の男を二人連れている。

「協力して貰う、ドンへとイェソンだ。チョン・ユンホがhumanoidを操作すると知っているのは俺とお前、そしてこの二人だけ……他の関係者はお前を純正なhumanoidだと思っている。この事実は本当ならば俺とお前だけで共有したかったが、厳密に計画を立てるとどうしても人手が足りなくてな。やむを得ず助手をつけた。信用出来る奴等だから安心してくれ」

俺は職員二人と軽く会釈を交わした。

「そろそろ本格的な準備に入る」

資料を机に広げ、ヒチョルは言った。
資料はキャンペーンのカタログ原稿だ。
humanoidが何体か掲載されたページの中に、俺の格好をしたhumanoidを見つけた。
職員のひとりが説明を始める。

「チョン・ユンホさんをモデルとしたhumanoidですが、ユノ・ユノとネーミングします。主人を知る意味の"Uーknow"と、ユンホさんの名前を掛け合わせた、ユノ・ユノです。何か、ご意見等はありますか」
「……意見っつーか」

そんなアイドルみたいな名前、恥ずかしいだろ。
心の中でそう漏らしたが、不満を言う方が拘っているように思えて口に出すのは止めた。

「いいよ、それで」
「では、これからの予定について話そう」

キャンペーン開始まであと2週間余り。
カタログが出回る時点で俺は外の世界から完全に姿を消し、研究所に閉じ籠る。
キャンペーンの勧誘は、事前に俺とは関わりを持たない人間をマークして勧誘をかける。
その中からユノ・ユノを希望した者を利用者として選ぶらしい。

「ユノ・ユノの需要がどれ程か解らないが……まず勧誘して契約を取れた客はキープしよう。希望者が多ければ抽選という形をとる」
「了解」

その数日後、勧誘が開始された。








一周間程経った頃、俺達は再び研究室へ集まった。

「さすがだな、ユノ。いや、素材もいいがやはり俺の技術か……」

研究室に入るなり、にやにやと笑みを浮かべながらヒチョルは言った。
助手二人も段ボールを抱えながら、ヒチョルの後に続いて部屋へ入ってくる。

「何だよ、それ」
「ユノ・ユノの利用希望者リストだ。こんなにも沢山の人間がお前を欲しがってる」

これから犯罪を働こうとしている立場だ。
喜ぶことなど出来なかったが、予想外の数に驚いた。

「凄い量だな。こっから人を選ぶのかよ……。気が遠くなりそうだ」
「利用者はもう決定したぞ」
「え……?」
「このリストは、反響がどれ程かお前に見せるために持ってきただけだ。ドンへ、イェソンと俺で利用者は抽出済みだ」

助手二人はパソコンをセットし始めた。

「これからお前の主人について説明する」

つくづく俺の意見は加味されないんだな。
一ヶ月も共に過ごすのだから、少し位希望を聞いて欲しかった。

「俺に何の相談も無しかよ……」
「安心しろ。計画をスムーズに遂行出来るよう、安全な人間を選んだ」

パソコンにUSBが差し込まれ、目の前の画面に一枚の顔写真が映し出された。

「……女?」
「よく見ろ、男だ」

男にしては整った顔をしている。
大きな瞳に、筋の通った鼻、薄い唇。
綺麗な形をした大きな瞳を、暫く見つめていた。

「おい」
「……ん?」
「ぼーっとするな。こいつの情報を話すからよく聞け」
「はいはい。どうぞ」
「名前はシム・チャンミン、男。26歳。アパートに独り暮らしだ。会社で働いている。定職ではなくバイトのようだ」
「ふぅん。何でこいつなんだ」
「選んだポイントを挙げると、人格、社交性、humanoidに関する知識。この3つだ。ネタばらしをする気は勿論無いが、万が一事実を知られた場合を考慮した。こいつは特に秘密主義で口が堅く、更に内向的で人との関わりも少ない。情報の広まりを抑えられるという点では最適の人物だ。humanoidの使用歴も無く知識も浅い。マイクロチップの代用としてお前を使えば、現在出回っているhumanoidと明らかな相違が出てくるだろう。なるべく不信感を与えず、言い訳が通じるようにhumanoidには詳しくない方が都合がいい」
「なるほどな……。よくそこまで」
「興信所を使って調べた。情報は確実に信頼出来るものだ」

本人が知らない場所で個人情報を把握し、騙す標的として選び出す。
完全なる犯罪の域に、もう足を踏み入れてしまった。
本当にこれで良かったのか。
共に犯罪を犯すことが、ヒチョルを思う行動として正しかったのか。
愚問だ。
心の葛藤が顔に出てしまっていたらしい。
ヒチョルは釘を刺すように言った。

「ユノ、もう引き返せないぞ」
「……解ってる」

画面の中の何も知らない純粋な瞳を見ていられず、俺は目をそらした。






◇◇◇


チャンミンやっと出せそうだ……








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Comment 2

NB  

さえ○んさま

★さえ○んさま
いらっしゃいませー(^_^)♥
次回チャンミン登場します。
いやぁ……作者の方が頭すっからかんですよ……
得意げに小説とか書いちゃってますが、よく何書いてるか解らなくなりますし。
ゲイの話が出なかった理由は後々解るかと!
ユノはいつから好きだったとか、あの時実ははそうだったの!的な楽しみ方をして頂きたいのですが、書いてみたら意外に盛り上がらなくて参ってます。ひたすら暗い(T_T)
あぁっそうでした……私としたことが……大変申し訳ありません。
さえ○んさま、こんな小説サイトを開始時からずっと見守って下さっていたんですよね。
ホミン派多くてびびって書いたので、コメント頂いた時本当に嬉しかったんです。
ミンホオンリー、いつか頑張って書きます。駄作にならぬよう頑張って書きます。
チャンミンの色気はすごいです。
何であんなにムンムンしているのか……
でも下品じゃなく本当に綺麗なんですよね。
きっと中身も綺麗だからかな?
ほんと、ユノはドヤ炸裂なのにボケた喋りが可愛い!こうも違うか、と。
ギャップって言葉、ユノにぴったりだと思ってます。

私もいつかユノぱいを目の前で見たいです。
P席とか神過ぎて想像できない……
さえ○んさま2日間なんですね!私もドーム残ってます(^_^)
お互い、複数行けることに感謝しながらいっぱい楽しみましょうね!
小説と関係なくて全然オーケーですよー!
またお待ちしています。
それでは(^^)

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