Humanoid ~この恋は永遠に~ 20

  08, 2014 21:25


研究室に連れてこられた俺は、自分そっくりのhumanoidに再会した。
箱の中を見つめヒチョルは言った。

「こいつを使う」
「……本気かよ」
「ああ、本気だ。こいつにはマイクロチップが無いが、キャンペーン開始までにマイクチップを完成させるのは時間的に不可能。お前に操作して貰う。ロボットになれというのはそういうことだ」

本体はロボットでも中身は本物の人間。
このhumanoidを利用する人間は、おそらくそれを知らされない。
そんな詐欺まがいの事、出来る訳がない。

「冗談だろ。死んでもやらない」
「いいのか?他の奴に操作させた場合、自分の姿をしたロボットが何処で何をしているのか全く解らなくなるんだぞ」
「…………」
「こいつを世に出すなら、お前自身が操作して一体になった方が何かと都合が良い。そう思わないか」
「このhumanoidを使わなきゃいいだろ」
「それは無理だ。こいつを試供品として出す事は、もう会社の方に話してある」
「は……?」

あまりにも身勝手過ぎるその行動に、怒りが込み上げた。
震える手で胸ぐらを掴むと、俺は華奢な身体を壁に押し付けた。

「ふざけんなっ!俺の……俺の意向は無視かよ!?」

ヒチョルは表情を変えず、怯む様子がない。

「お前は大事な親友だが……お前を犠牲にしても守りたいものがある。それがこの仕事だ」
「俺を……犯罪者にしてもか」
「確かにこの方法は犯罪だ。だが要求された物を作り出せない時点で会社は追い込まれる。この業界は厳しいからな。どっちみち職を無くすなら、俺はこの不正がバレずに丸く収まる可能性をとる。例え……お前を巻き込んでも」

ヒチョルの目には、ぞっとする程の揺るがない意志が見えた。
道理から外れた事を言っていても、この強い信念に惹かれるのは、こいつが仕事に全力をかけているのを知っているから。

「研究が出来なければ……俺は生きてる意味が無い」
「…………」

俺は情に流され易い。
だが今までその結果を後悔したことはない。
きっと、今回も後悔しないだろう。

「もしバレた時は、お前も付き合うんだろうな」
「引き受けてくれるのか……?」
「親友にここまで言われちゃあ、やるしかねぇだろ」

ヒチョルは瞳を潤ませながら、俺の肩に額を寄せた。

「ありがとう。その時は一緒だ、絶対」
「逃げたらただじゃおかねーぞ」
「解ってる……」









会社には三か月程休職届けを出した。
キャンペーンの事前準備や終了後の対応を考え、多めに休みを取った。
事情があり詳しく説明するのは難しいと話す俺を、社長は追及せずに受け入れてくれた。
比較的融通が効く上の役職に就いたこと、周囲の人間と信頼関係を築いてきたことを、こんなに良かったと思ったのは初めてだった。



俺はヒチョルの元へ頻繁に通うようになり、具体的な計画やhumanoidの操作について話を聞いた。

「操作中は臥床した状態でこのCTスキャンに入ってもらう。普段と同じように、何か言葉を想起したり身体を動かそうとすると、このCTが脳波をスキャンし中枢の信号をhumanoidに出力する。humanoidは信号を受信し、お前が思った通りの言動が可能だ。勿論、humanoidが認識した情報も全てCTに送られる。分かりやすく言うと、睡眠中見る夢が3倍程清明になったイメージだ。どうだ、簡単だろ」

「言ってることは全然簡単じゃねーけど……とりあえずこのカプセルみたいなのに寝てればいいんだろ。任せとけ」
「寝ているだけでは駄目だ。臥床時間が長くなれば筋力低下が進む。出来るだけ身体に支障をきたさぬよう、筋トレは欠かすな。利用者が不在の間は操作しなくていい。CTから抜け出して筋トレマシンで体力をつけるようにしろ」

ヒチョルは、CTの脇に置かれた筋トレマシンをぽんと叩いた。
その他にもゲームや漫画、パソコン等が準備されている。

「humanoidが人の目に触れる間は、基本的に外には出ない方がいい。もし同じ顔をした人間がいると知れたら、面倒な事になるからな。筋トレをするにも何か息抜きをするにも、この部屋の中だけにして貰う」
「まさか、お前に監禁される日が来るとはな……」
「安心しろ。俺も責任を持ってお前と閉じ籠ってやる」
「余計不安な気がする……」

自信ありげに発言する親友を見て、俺は溜め息をついた。









◇◇◇



はやくチャンミン出したい……。
昨日今日と、二人は北海道ですね。
ファイティーン!





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