doggy × doggy! 2



僕は四本足で立っていて、身体中にはふさふさと毛が生えていた。

「チャンドラー!おいで、こっちだ」

ぱんぱんと両手を叩き、僕に向かって両手を広げるユンホさん。
その太陽みたいな笑顔に向かって、僕は夢中でかけてゆく。
厚くて柔らかそうな胸へ、思いっきりダイブしようとしたその時。

「ギャフンッ」

横から駆け込んできたテプンに、ハグは阻止された。






「ああっ!あと少しだったのにっ」

夢から覚めて第一声、そう叫んでしまった僕は頭を抱えた。
もうそろそろ自覚せざるを得なくなってきた。
男として憧れるには、この想いは度が過ぎている。

僕はきっと、ユンホさんに恋をしてしまったんだ……









横になったテプンの腹に頭をのせて、マンドゥイは気持ちよさそうに眠っている。
二匹は随分と仲良くなった。
ピッタリとくっついている二匹を見て、僕は羨ましく思った。
お前らはいいよな。雌と雄同士だから。
僕は何で女じゃないんだろう。
女ならユンホさんに告白ぐらいは出来ただろう。
でも彼には家庭がある。
仮に僕が女だったとして、告白されても迷惑かもしれない。
どっちにしろ、この想いは報われることはなかったのだ。
僕は小さくため息をついた。

「どうした?浮かない顔して」
「うわっ!」

気付くと、すぐ目の前にユンホさんの顔があって驚いた。
ユンホさんは人と壁を作らないから、こうして会話する時の距離も近い。
飲み物を買いに行くと言って数分前から居なくなっていたが、いつの間に戻っていたのだろう。

「べ、別に何でも……」
「ふぅん?」

目を反らす僕を暫く見つめてから、ユンホさんは缶コーヒーを差し出した。

「いいのに」
「黙ってもらいなさい」
「……はい」

ユンホさんは優しい。
近くで微笑むユンホさんを見て、やっぱり好きだと思った。
目を合わせたら気持ちを読まれそうで、僕は下を向いた。

「チャンミンって、素直だよな」
「え?」
「嘘ついたり、平気なふり出来ないタイプだろ?」
「そう、かも……。ごめんなさい……」
「なんでしょげるの。純粋で可愛いじゃん」
「かわっ!?」

出た。天然タラシ。
僕の切ない気持ちも知らないで。
ユンホさんに悪気はないと解っていても、少しだけ彼を困らせたくなった。

「でも、奥さんと子供の方が可愛いでしょ?」

口に出してから後悔した。
こんなこと言われたら、気持ち悪いに決まってる。
どんな反応が返ってくるのかびくびくしていたが、ユンホさんは笑っていた。

「なに言ってんの」
「何って、だから……」
「俺、奥さんも子供も居ないけど」
「へ……?」

だって、以前話題に出たじゃないか。

「テプンの名前は子供が付けたって」
「ああそれか。親戚の子供のことだよ。俺が子持ちなんじゃなくて」
「そ、そうだったんだ」

嬉しさが込み上げ、つい顔が緩んだ。
叶う可能性がゼロだった恋に、少しだけ光が見えた気がする。
男の僕には、それでもかなりハードルが高いけど。
ひとりハッピーな気分に浸っていると、ユンホさんが唐突に言った。

「なぁ、これから時間ある?」
「はい」
「じゃあさ、俺の家に来ない?」
「えっ?いいんですか」
「もちろん」

ユンホさんの家に行けるなんて、幸せ過ぎる。

「行きたいです、是非!」
「よし。じゃあマンドゥイも招待しよう」
「ありがとうございます!」

僕はマンドゥイを連れて、ユンホさんの家へと向かった。
にこにこしながらユンホさんについて行く僕は、周りからどんな風に見えていただろう。
もしかすると、罠だとも知らずまんまと餌につられた兎にでも、見えていたかもしれない。









◇◇◇



コンサートから帰って早々申し訳ありません。
暫くしたら鍵つけますのでお見知りおきを。





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