スタンド バイ ミー 1

  04, 2017 17:24











その人は

晴れた日も

どしゃ降りの日も

どんな時も 屈託の無い笑顔でそこに居た


雑踏ばかりの 

忙しなく過ぎ行く どこか冷めた世界の中

まるで・・・・・・

路上にひっそりと咲いた

一輪の花のように














































俺は綺麗なものを見ると、シャッターを切らずにはいられない。
目の前に美味しそうな物があったら、食べたいと思う。
単純だがそんな感覚に似ている。
シャッターを切ると、その対象が自分の物になったような気がして欲求は消えてゆく。
腹がいっぱいになって、満足するのに似ている。
小さな頃からカメラを片手に過ごしてき来たので、今でもカメラを自分の身体の一部のように思っている。
写真を撮るその瞬間、最高のショットを撮るために俺はどんな時よりも集中している。



カメラマンとして働きはじめて数年。 
俺は今、ファッション雑誌や化粧品の広告、アーティストのポスターやジャケット写真撮影などを引き受け、主に人を対象に活動していている。
ベテランの先輩達に比べればまだまだひよっこだが、最近は任される仕事やオファーも増えて来た。
好きなことを仕事として続けられるのは嬉しい。
だけど、楽しいことばかりじゃない。







撮影が終わると、モデルの女が俺のところへやって来た。

「今日はありがとう」
「お疲れ。良い表情だった」
「ほんと?嬉しい」

それだけで終わらすつもりだったが、女はなかなか居なくならない。
微笑を浮かべながら、俺の顔を覗き込んでくる。

「ねぇ・・・・・・今日、どう?」

やけに甘ったるい声で、女は誘う。
ああ、そう言えば前に一度、コイツと寝たっけ。
どのくらい前の事かも、ちゃんと覚えてない。
あの時は何となく流されたけど、今日はそういう気分じゃない。

「遠慮しとくよ」
「えー。しないでいいのに」

にこにこと笑う女を見て可笑しくなり、俺も笑った。
まさか、ほんとに遠慮してると思ってるのか?

「・・・・・・んじゃあ、言い方変える。“断る”よ」

女の顔から笑みが消え、眉間に皺が寄る。

「どうして?この間は・・・・・・」

声を大きくする女の唇に、俺は素早く人差し指を押し付けた。

「しっ。静かに」
「っ・・・・・・」
「良いこと教えてやるよ」

女に顔を近付け、口の端をつり上げながら俺は言った。

「俺が興味あるのは、あんたの綺麗な外見。中身じゃないの。だから一回味見したら充分なのー。分かった?」

女は眉をハの字にして、泣きそうな顔で訴えた。

「その気にさせといてひどーい、チャンミンの意地悪!」
「そう思うんなら、俺なんて止めときな」

カメラと機材を抱えて、俺はさっさとスタジオを出た。
折角見た目が綺麗なのに、性格はそうでもない女。
口調は妙に子供っぽく、馬鹿そうに見えて話す気が失せる。
この仕事をしていて気付いたことだが、見た目と中身が釣り合わない人間は結構居る。
簡単に言えば外見負けしてるってことだ。
綺麗な容姿を持って生まれると、その自信に謙虚さ、優しさといった人間の美徳さえも薄れてしまうのだろうか?
誰もがそうとは言わないが・・・・・・。
仕事中はモチベーションを保っていても、俺はプライベートで人にカメラを向けることは殆んど無く、花や景色を撮ってばかりいる。
何も考えず、ただ純粋に被写体にカメラを向けられる事に幸せを感じる。
段々と“人”に対する興味が薄れていた。





















仕事帰り。
公園の前を通りかかった時、俺はある不思議な光景に出会した。
一人の男が、公園の中を歩き回っている。
パーカーに短パンといったラフな格好で、でかいリュックを背負い、片手にはビニール袋をぶら下げている。
公園の片隅や物影に、ぽつぽつと置かれた段ボールの中を覗き込んでは声をかけている。

「今日からここに住む者です。どうぞ宜しく」

その相手は、段ボールの中にひっそりと暮らすホームレス達。
男は、コンビニの袋からパンを取り出して、彼らに渡して回っていた。
住み着いた人々は皆、ボンヤリとして気力を無くしたような顔をしている。
更に、何日も変えていないだろうと容易に想像がつく汚れた服を纏い、やはり見てる方はいい気分じゃ無い。
そんな人々の中で、精巧な顔に爽やかな笑みを浮かべた男は、とてつもなく浮いていた。
今日からここに住むって、まさか挨拶回り?
引っ越してきたのか?
元々ホームレスなのだろうか。
まさか、こんなにも生き生きとホームレスになる訳も無いし。
おかしな人が居るもんだ。
俺は、首をかしげながら公園を通り過ぎた。













公園は、職場へ向かうルートの途中にある。
朝から現場に直行しない限り、俺は公園の前を通る事になる。
公園の前を通る時、何となく視線を投げるとそこには、いつも彼が居た。
子供の遊び相手をしていたり、野良猫を手懐けようとしていたり、そんな微笑ましい光景を見て俺は自然と口元を緩めた。
何度か彼を目にするうちに、段々と興味が沸いた。
彼は同じ男の俺から見ても、綺麗と思える外見をしていた。
それだけじゃなく、内から滲み出る何か魅力的なものを感じて惹き付けられた。
彼に秘密で、俺は遠くから何度かシャッターを切った。
それは、街の何処かで綺麗な花や風景を見つけ、心がときめく感覚に似ていた。
何も考えず、被写体にカメラを向けていられる。
彼のことを深く知らないので、その綺麗な外見や微笑ましい行動を、ただ素敵だと思う事が出来た。












週末。
その日は、夕方からしとしとと雨が降り始めた。
職場を出る頃になっても、雨は止む気配が無かった。
空は一面分厚く積み重なった雲で覆われ、グレーに染まった街が暗い印象を与える。

「梅雨入りか・・・・・・。嫌だなぁ」

溜め息をつくと、俺は傘を広げて外へ踏み出した。




今日も、公園の前を通る。
彼の姿は見えない。初めそう思ったが、よく目を凝らすと、木の下に踞る人影を見付けて俺は足を止めた。
あれは、彼に違いない。
細いからだを縮め、抱えた膝に顔を埋めている。
一枚だけ纏ったシャツは、雨に濡れて身体にはりつきとても冷たそうだ。
暫くその姿を見つめていたが、彼はびくともしなかった。
まさか・・・・・・死んでる訳じゃないよな?
一度不安が過ると、そのまま放っとくことは出来なかった。
そっとそっと、彼の側まで足を進める。
距離を縮めていくと、段々と、雨音に混じってすすり泣く声が聞こえてきた。
彼は、背中を奮わせながら静かに泣いていたのだった。
傘を差し出すのも、声をかけるのも、躊躇いは無かった。
何処の誰かも分からない。
同じ男、それもホームレスの彼に、何故俺は構いたくなるのだろう。
綺麗なものは、儚くて傷付き易い。
壊れてしまう前に、手を差し伸べたかった。

「あのさ・・・・・・大丈夫・・・・・・?」

傘を彼の頭上に差し出して、俺は言った。
ゆっくりと顔を上げた彼は、俺を見たとたん、丸い目を大きく見開いた。
黒目がちな瞳が潤み、あふれた涙がまた、痩せこけた頬を濡らす。

「うう、うぅっ・・・・・・!」

くしゃりと顔を崩すと、彼は小さな子供のように声をあげて泣いた。
細い手が俺の肩へ伸びてきて、体ごと引き寄せられた。
冷えた身体は、暫く触れていると、濡れたシャツ越しでも温い体温を伝えた。

「寂しかったっ・・・・・・寂しかったようっ・・・・・・」

突然抱き締められ戸惑いながらも、啜り泣きながら訴える彼の背中に、俺はぎこちなく手を添えた。

「・・・・・・もう、大丈夫・・・・・・大丈夫だから・・・・・・」








常識的に考えて有り得ない。
自らホームレスの男の世話を焼くなんて。
そんなことは分かってる。
おかしいことをしてる自覚もある。
けど・・・・・・
心の抑制なんてあっさり外れてしまうほど、俺の目に彼は綺麗に写ったんだ。




これは、俺とホームレスのユノが出会ってから過ごした、三ヶ月間のある物語である。













to be continue ・・・・・・



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新連載始めてしまいました。
常闇書くって言ったのに・・・(  ̄▽ ̄)
ごめんなさいね。
なんか、やらなきゃいけない!って気持ちで書くのは違うなーって思ったんです。
ここは趣味のblogだし、私が楽しくなきゃって。
お金とか発生してる訳でもないし・・・
ってことで、好きなもの、好きなときに書かせて貰いますm(__)m
最近我慢するの止めることにしたんです。
心に悪いから!
常闇は今後よし、書きたいと思った時に仕上げようと思います。
なので、時期は未定(^^;
漫画やイラストも、引き続き頑張ります♪♪



今回はミンホでカメラマン×ホームレス
の話。
地味ーな話の予定で、非変態の部類です。
最近の麗しゅうユノを見てたら私の胸がミンホしちゃって( ´Д`)
って、いつもか(笑)

興味のあるかた、よろしければお付き合い願います。


 
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陽  

もちろんですよ!!

ここはNBさんのブログ^^*
NBさんが好きなことを書く場です~♪
私は色んなお話が読めて嬉しいですよ!!

今回は非変態ですか!
続きがまたまた気になりますね…
ユノは1人で寂しかったのね…

それにしても最近のユノがカッコよすぎて付いてけません(笑)。
来週は新羅イベですね!
私は行かないですが除隊後初の公の場、ドキドキしますね♡

NBさんはSMTはご参加されますか??^^*

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チカ*  

ミンホキター♡♡♡♡

ユノどうしたのどうしたのどうなるのっ。

ミンホありがとう(笑)



そう我慢は良くありません!!!!
のぶさんの思うままに☆
もちろん付いて行きます~♡♡♡♡

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