doggy × doggy! 1



晴れた日曜日の昼下がり、僕は近所の公園を歩いていた。
右手にぶら下がった綱が、小さなからだが動く度にぷらぷらと揺れる。

「マンドゥイ、そんなに急ぐなよ」

僕は愛犬をつれて散歩に出ていた。
マンドゥイは家族皆で可愛がっているが、日曜日の散歩は僕の役割だ。
決まったコースを歩いて、あとは家へ帰るのみ。
いつも通り変わりなく散歩を終えようとしていた、その時だった。
キャンッ
赤いフリスビーが頭上を横切り、 マンドゥイが一際高い声で吠えた。
フリスビーへ駆けていこうとするマンドゥイを、僕は体を抱き上げて止めた。

「駄目、これは人のなんだからな」

マンドゥイの頭を撫でていると、後ろからすみませんと声をかけられた。
振り替えると、一人の男性が立っていた。
小さな顔に整った目鼻立ち。
程よく筋肉のついた、モデルの様な体型。
彼の身に付けていた白いシャツが、風に吹かれてふわりと揺れた。
鮮やかな木々を背景に僕に微笑む男性は、まるで物語の中から出てきた王子様のようだった。

「あの……」
「は……?あ、はい!」

思わず見とれてしまい、返事が遅れた。

「フリスビー、当たりませんでした?」
「大丈夫です。気にしないでください」

僕が男性に気をとられている間に、マンドゥイは腕からするりとすり抜けフリスビーの方へ駆けていってしまった。
すると、マンドゥイの元へ一匹の犬が寄ってきた。
艶やかな黒と白の毛並みに、強そうな顔立ちのシベリアンハスキー。
後ずさるマンドゥイにすたすた近寄ると、大きな舌でマンドゥイの顔をペロリと舐めた。

「こら、テプン!」
「あなたの犬ですか?」
「そうなんです。スイマセン、人懐っこい奴で」
「テプン……」

失礼なことに、僕はその名前を聞いてくすりと笑ってしまった。

「はは。子供が付けた名前なもんで」

そのワードを聞いて、彼に子供がいることに驚いた。
見る限り若そうだが、外見だけじゃなく中身もよく出来ていそうな人だ。
既に妻子がいてもおかしくない。

「いい名前ですね。似合ってます」
「ありがとうございます」

男性は、にこにこと微笑みながら言った。

「あなたのワンちゃんも可愛いですね。飼い主に似たのかな」
「な……っ!」

動揺する僕を、男性はぽかんとした顔で見つめている。
自分の台詞の破壊力に気付いていないようだ。
この人はきっと天然のタラシに違いない。

「あ、ありがとうございます」

僕、何礼とか言ってんだろう。
顔が火照ったように熱かった。



男性はチョン・ユンホさんといった。
日曜日のこの時間帯は、テプンを連れてよく散歩へ来るらしい。
今までも何度か、僕らは同じ時間にこの場所に居たことになる。
だけど、僕は今日初めてユンホさんの存在を知った。
話してみるとユンホさんは喜作で明るい人だった。
整った顔立ちはクールな印象を与えるけど、笑って話すのを見て笑顔は可愛いんだな、なんて思ってしまった。
話すきっかけを作ってくれたマンドゥイに、僕はこっそり感謝したのだった。

それからというもの、日曜日マンドゥイの散歩へ出かけては、テプンを連れたユンホさんと度々話すようになった。
日曜日の朝はなんだか心が弾む。
マンドゥイのためだった散歩は、いつの間にかユンホさんと会うための口実に変わっていた。









◇◇◇



Humanoidでどんよりしてばかりなのでちょっと明るいお話を。
101ワンチャンみたいな可愛いネタ、以前からかいてみたかったんです。
そしてGW初っぱな夢の世界へ行って来ますので、こちらの更新は一旦控えます。心を清める意味も兼ねて(実はHumanoidが19話以降全く進んでいない......)
サイトtopにも鍵をかける予定ですので、お見知り置き下さい。

コメントは後程お返し致します。





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