Humanoid ~この恋は永遠に~ 19



なんの変哲もない平凡な人生を歩んできた。
安定した職に就いて、人間関係もそれなりに充実していた。
このまま何となく過ごして歳を重ね、人生を終えると思っていた。
あの日を迎えるまでは。









部屋に親友を招き、久しぶりに呑んだ翌朝のことだった。
俺は起きて直ぐ、顔を洗おうと洗面台へ向かった。

「……何やってんだ?」
「……別に」

そこには、櫛を片手に持ったまま立っている親友がいた。
櫛を使用している様子はなく、ただ持っているのが不自然だと思った。
親友のヒチョルは、何を考えているのかよく分からないことが多い。
端から見たら不可思議な行動はいつもの事なので、俺はその時あまり気に留めなかった。






それから三ヶ月程たったある日、ヒチョルから連絡がきた。
見せたいものがあるから研究室へ来いと。
それが一体何かは見るまで秘密らしい。
俺は空いた休日を使って、近郊から外れたヒチョルの職場を訪れた。
でっかい建物の中は、昼間でも薄ぼんやりとして暗い印象を受ける。
始めこそこの雰囲気が苦手だったが、よく足を運ぶようになってからはだいぶ慣れていた。

「来たな」

研究室の戸を引くと、腰掛けていた椅子をくるりと回し親友は俺に笑いかけた。
この悪巧みをしているような顔を見てしまった時は、大抵ろくなことが無い。
嫌な予感しかしなかった。
こいつはおとなしそうな顔をして、やることがぶっとんでいる。

「やっぱり……帰っていいか」
「まぁ、そう言うなよ」

肩を捕まれ、俺はそのまま奥のスペースへと案内された。
そこにはベッドが設置され、ベッド上には人が一人入る程の長細い箱が置いてあった。

「中を見てみろ」
「何だよ?」

蓋を開けた途端、衝撃を受けた俺は思わず後ずさった。
箱の中で、俺とまったく同じ顔をした人間が眠っていたからだ。

「な、なんなんだよ……!?これっ……」
「hmanoidだ」
「hmanoid……?」
「お前そっくりのな。面白いだろ」
「どうやって、こんな……」
「ここ数年、遺伝子データとhumanoidの融合について研究していた」

その研究が順調に進み、ついに実現できる段階まで達したのだという。

「お前を、実証材料に使わせてもらった」

チョルの言葉を聞き、いつか見た光景が頭を横切った。

「髪の毛か?」

以前俺の部屋を訪れたヒチョルが、洗面所で櫛を握っていたのを思い出した。
きっとあの時、櫛から俺の髪の毛を抜き取ったに違いない。

「正解だ」

俺は盛大にため息をつくと頭を抱えた。
できることならあの時へ戻り、その手にこっそり握られた髪の毛を奪ってやりたい。

「気持ち悪いことすんじゃねぇよ……。どうすんだ、これ」
「そんな深刻になるな。こいつは起動しないマネキンみたいなもんだ。マイクロチップが無いからな」

マイクロチップは脳の代替としてhumanoidに埋め込むものだ。
主にキャラクター情報をサマリーしたエレメンツが保存されている。
エレメンツの書き込みは基本的に機械操作だが、設定は人間によって行われる。

「ネタで作っただけさ。出来るだけ早く処分する」

ヒチョルは箱の中で寝る俺の髪を撫でた。

「綺麗な金髪だろ、髪型にもこだわったんだ。地味だとつまらないが下品過ぎてもウケが悪いからな。万人ウケしそうなユノロボット。売れそうなのに処分するのが惜しい」
「馬鹿なこと言うな。ああ、眩暈がする」

本当ならば即刻処分して欲しいところだ。
箱の中で眠る自分を見ていられず、俺は目を反らした。









それから数日後、研究所が所属する会社の営業部が発注ミスをし、製造したhumanoidの台数に不足が生じる事態が起こった。
在庫をかき集めて何とかフォローしようとしたが、その際に試供品として用意された物からも数台提供した。
結果、試供品として売り出す台数にも不足が出る事になってしまった。
俺と瓜二つのロボットは、すぐに処分されるはずだった。
しかしこのハプニングを期にロボットの運命も、そして俺の運命までもが変わることになった。



ある夜、ヒチョルが俺の部屋を訪れた。
表情に出難いタイプの親友が、珍しく切羽つまったような顔をしていると思った。
そして、俺に有り得ないことを要求した。

「ユノ、頼む。1ヶ月間……ロボットになってくれ」









◇◇◇



設定が壮大過ぎて書ききれない!
話の流れもうまくまとまらない!
一話から連載しようと思ってましたが、19話から続けて連載します。





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4 Comments

NB  

さえ〇んさま

さえ〇んさま
いらっしゃーい!
自分の実力に見合わない題材選んでしまい、ちんぷんかんぷんです……(笑)
でも書き始めたからには頑張ります。
人間ユノの登場は、いろんな推測をして欲しかったので嬉しいです。
結局臥床で体力低下したっていう普通な感じでした(笑)
新しいお話は、Humanoidみたいに重くなくさらっと読めるお話にしたかったんです。
ユノはほんとにどこまで気づいているんでしょうね?
でもキメ顔とかドヤ顔とか自分のことわかって良く使ってるな~と思います(^.^)
もっとやってほしい♡(笑)
doggy×dggy!のチャンミンはこれからユンホさんに翻弄されていきますよ~!お楽しみに。
チャンミンの涙はもう、いくらでも語れます。
ご飯何杯でも……!
チャンミンは、男性として見るっていうよりも綺麗、とか可愛いとかそんな目線でばかり見てしまうNBです。
さえ〇んさま、福岡なんですね。
あと1か月ほどですね!楽しんできてくださ~い!
ほんとうに、ふたりともめちゃくちゃ格好良いです。
仙台のレポ、一応感想書きましたがネタバレなのでどうかな……
差し支えなければご覧下さいませ。
いつもありがとうございます。更新頑張りますね!
またお越し下さいませ。
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2014/05/05 (Mon) 19:37 | EDIT | REPLY |   

NB  

オハ〇〇マミさま

★オハ〇〇マミさま
こんばんは、またお越しいた太字の文だきありがとうございます。
はい、そういうことだったんです!これから更にネタばらしが始まります。
人間のユノがどうして衰弱したのかわかりますよ。
くらーい内容続きですがどうぞこれからも見てやってくださいませ。
またお待ちしています(^.^)

2014/05/05 (Mon) 19:04 | EDIT | REPLY |   

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2014/05/01 (Thu) 14:02 | EDIT | REPLY |   

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2014/05/01 (Thu) 01:46 | EDIT | REPLY |   

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