宅配オトコの恋 1




※このお話はミンホです。
 チャンミンがはじめ、酷い男です。
  苦情無しです。












「チャンミン、別れよ・・・・・・」
「何で?」
「だって、アタシのこと好きじゃ無いでしょ?」

半べそかいてる女を見て、俺はつい笑ってしまった。

「な、何がおかしいのっ!?」
「・・・・・・『好きになって貰えるように頑張るから、お願い付き合って』お前、そう言ったよな」
「確かに、言ったけどっ」
「俺、何で責められてんの?頑張りが足りなかったお前のせいだろ」
「な、なにそれっ!?」
「んじゃあ、これで終わりだな」

伝票を手に、俺は席を立った。

「ちょっと本気なの!?絶対後悔するんだから!!顔が良いからって調子こくなよバカやろー!!」

店内で大声出すなよ・・・・・・
今更本性出しやがって。
性悪なのは、猫被ってても最初から分かってたけど。
今回は悪い女に当たりすぎた。
俺はため息をついた。






中学の頃、俺に初めての彼女が出来た。
そいつとは結局別れたけど、学生時代は女子からよく告白されていたので、彼女が居ることの方が多かった。
初めの頃は、まだ普通に恋愛してた気がする。
社会人になると言い寄られる事が増えて、何時からか女にも恋愛にもあまり興味が湧かなくなった。
断るのもエネルギーが要るから、ただ何となく付き合って、同じような交際を重ねては別れ・・・・・・
いつの間にか俺は、「好き」って感情を忘れていった。
自分腐ってんなーって自覚はあったけど、別にちゃんと恋したい訳じゃ無いし、直そうとも思えなくて、きっと俺は自分自身にも興味が無かった。



そんな時だった。
俺とは正反対の、ばか正直で、真面目で、純粋で優しい・・・・・・
あの人に出会ったのは。













宅配オトコの恋縮小/表紙














「お疲れさま」

仕事先のコンビニで、荷物を運んでいる最中のこと。
店長が、俺に缶コーヒーをくれた。

「ありがと」

受け取ったコーヒーは、じんわりと暖かい。
此処の担当になって以来、ずっと続いてきたこのやり取りも今日で終わる。
明日から俺は、違う区域の担当になるからだ。
店長はいつもこうして、消費期限が過ぎて棚から撤去したコーヒーを、仕事中に恵んでくれる。
コーヒーが温かいのは、保温ボックスでわざわざ温めてくれたから。
この時季はまだ冷えるから、俺を気遣って。
その優しさと向けられる笑顔に、心も暖まる。

「もう、会えなくなるなんて寂しいな・・・・・・」

店長は、俯きながら眉を下げて笑った。
この人が俺を好きだって事は、此処に来た初めの頃から知っていた。
俺と居ると、顔赤くしてよく取り乱すし。
誉めると馬鹿みたいに喜ぶし。
冗談でも貶したりすると、すげぇ落ち込むしで・・・・・・
ほんと、態度に出過ぎてたから。
同じ男だけど、好意を知っても不快に思わないのは、きっと店長のことを人として好きだから。
今日、この仕事が終わったら関わりが無くなる。
そう思うと、俺もなんだか寂しかった。

「・・・・・・今日の夜飲みいく?店長が時間あればだけど」
「えっ?い・・・・・・行く行く!」

はは、即答だな。

「じゃあ、仕事終わったらメール頂戴」
「分かった。時間で上がれるように、俺頑張る!」

そう言い残して、店長は慌ただしく店の中に消えた。










「なんだかんだ、初めてだね。こうして一緒に外で会うの」

アルコールで血色が良い顔を、ふにゃふにゃ緩めて店長が笑う。

「もう記憶飛んでんじゃないの?大丈夫?」
「まっさかぁ」
「飛んでるな、これは」
「もう、チャンミン?馬鹿にしないで!」

頬っぺた膨らまして俺を睨んだと思ったら、今度は勝手に一人でツボって、ケラケラ笑った。
ほんと、見てて飽きない。
ころころ変わる店長の表情が可笑しくて、気付いたら俺も、声出して笑ってた。

「店長っておもしれぇー。前から知ってたけど」

笑う俺を、店長は更に顔を赤くして、今度はじっと見つめてくる。
何が良かったんだ。笑ってる顔か?
時折感じる熱い視線には、もう慣れた。
一応、気持ちは隠してるつもりらしいが。

「なんだい、兄ちゃんも店長か?若いのに働くじゃねぇか!」

カウンターのおっちゃんが、俺達の会話を聞いて声をかけてきた。

「俺もここの店長なんだよ。仲間だな」
「へぇ!そうなんですか。でも、俺なんてまだまだですよ。店長んなって3年くらいですし、ドジで失敗ばっかするし・・・・・・」

自覚はあるんだな・・・・・・

「失敗は失敗じゃねえよ。成功の為の立派な材料さ。若いんだからまだまだ頑張れ!」
「ハイッ」

まるで知り合いかのような打ち解けっぷりだ。
店長は人を寄せ付け易い。

「そうそう、俺今は店長じゃないんだからさ、別の呼び方にしてよ」

口尖らして、店長がそう言うから

「チョンさん?」

名字で呼ぶと 

「それもいいんだけど・・・・・・俺、チャンミンのこと名前で呼んでるからさ・・・・・・その・・・・・・」

ああ・・・・・・成程。

「・・・・・・・・・ユンホさん」

名前を呼ぶと、店長は丸い瞳を目一杯開きながら、短い吐息を漏らした。
瞳はぷるぷる震えている。
こんな顔、どっかで見たことある。
そうだ、猫っぽい。

「あ~・・・・・・」

店長は、頼りない声を上げると両手で顔を覆った。

「どーしよ・・・・・・」
「・・・・・・・・・・・・」
「今、すごい・・・・・・・・・・・・嬉しかった」
「・・・・・・・・・・・・」
「俺・・・・・・俺ね・・・・・・」

声も震えている。
手をどかし、おそるおそる俺を見た店長は、蚊の泣くような小さな声でこう告げた。

「―――――好きに・・・・・・なっちゃったんだ。チャンミンのこと・・・・・・」

カウンターのおっちゃんが、衝撃の顔をしている。
持っていたジョッキグラスを、ポロリと落として派手に割った。
ほんとはこっちが驚くとこだけどな。
つか、こんな場所で告白されたことに俺は驚きなんだけど・・・・・・






俺からしたら、見えていた気持ちが言葉になっただけのこと。
でも、店長はかなり勇気が要ったことだろう。
もともと告白する予定だったのか、それはよく分からない。

『嫌じゃないの?』
『別に』
『・・・・・・男、大丈夫なの?』
『さあ。付き合ったことないからどうだか』
『・・・・・・じゃ、じゃあさ・・・・・・お試しで・・・・・・一回付き合ってみない?』
『・・・・・・・・・・・・いいよ』

俺は、店長の提案を受け入れた。
お試しってことは、俺の気持ちが湧かなかったら切り捨てるってことだ。
もしそうなっても、今後職場では顔を合わせないし、気不味くなるのを心配する必要は無い。
そんな事を考えながら、今直ぐ拒否って、金輪際この人との関わり切れてしまうのは嫌だった。



告白されたら、拒まない。
もし面倒になったら、さっさと振ればいい。
俺は、これまでと同じ考えで店長と向き合っていた。
店長の優しさに甘えていた。
この安易な気持ちがどれだけ店長を傷付けたのか、俺は後々思い知らされることになる。
“恋人のユンホさん”を手に入れる、一ヶ月前の出来事である。





















つづく



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お久しぶりですm(__)m
ユノの誕生日に何かやらんと!と思ったらユンホ店長書いてた~
二人が付き合い始めた頃のお話。暫く連載します。
他はいったん休載。
亀更新なうえあっちこっち手出してすみません(-_-)
でも他の話もちゃんと完結させますからね!


立派なファンじゃないのでおっきな声で言えませんが・・・
ユノ、31歳の誕生日おめでとう!!!
貴方ほどステージの上で輝くアイドルは見た事がありません・・・
辛い現実や世界を知りながら、夢を持ち続ける強さ。尊敬します。
誠実であろうとする綺麗なこころ。大好きです。
そんなユノだから輝くんだよね。
ほんとうに大好き。
これからもずっと応援させてください。
そして、はやく帰ってきて最強な姿を見せてね♡


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6 Comments

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2017/02/07 (Tue) 10:24 | EDIT | REPLY |   

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2017/02/07 (Tue) 08:41 | EDIT | REPLY |   

723621mam  

お!
チャンミンがユノに堕ちる物語でよろしいかしらん。
これはたのしみ。
そして、ユノ、お誕生日と1日、おめでとう!← なんだこりゃ?(笑)

2017/02/07 (Tue) 08:22 | EDIT | REPLY |   

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2017/02/07 (Tue) 07:31 | EDIT | REPLY |   

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2017/02/06 (Mon) 23:23 | EDIT | REPLY |   

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2017/02/06 (Mon) 21:34 | EDIT | REPLY |   

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