Humanoid ~この恋は永遠に~ 17



テミンの知り合いに、humanoidの製造に携わっている人間がいるらしい。
その友人から話を聞かされる機会があるテミンは、humanoidに関しては比較的詳しいようだった。
聞く話によると、humanoidが爆発的に流行った全盛期にはまだ精神活動に制限はなかった。
しかし、感情的になったhumanoidが主人に被害を与える事件が発生した。
それ以降、恋愛感情や反抗心のような事件を招く可能性のあるものは、積極的にプログラムに登載されないようになった。
順当になったhumanoidを悪用する主人が増え、今はまたそれが問題になっている。
ユノと初めて会った時にも聞いたことだ。

「高い額を払えば、特注で感情機能の選択が可能らしい。でも、試供品ではまず有り得ない」
「............」

ユノは、僕が間違っていればそれを指摘して叱った。
包み込むような優しさと、自分の意思を貫く強さを持ち合わせていた。
そして、心から僕を愛してくれた。
人間味溢れていたユノは、現在製造されているhumanoidとはかけ離れているように思う。
だけど、僕は確かにユノのスイッチを押した。
最終日には電源が落ちて動かなくなった。
ユノ・ユノは、humanoidに間違いない。

「そのhumanoid、ヒョンが魅力的なせいで設定狂ったんじゃないの」
「そんな訳あるか」

冗談めかして言うテミンに、僕はため息をついた。
結局、ユノについて詳細が解らない僕らがいくら話しても、疑問は解消されなかった。

「また連絡して。間違っても馬鹿なことは止めてよ」
「解ってる」

テミンとは、また近々会おうと言って別れた。
何度か振り返って僕に手を振る姿に、心の中で礼を言った。
僕は、ぼんやりと暗い夜空を見上げた。

ユノ、お前は本当にhumanoidだったんだろ?

悲しみで埋め尽くされていた心に、疑念という新たな変化が生まれた。
だけど、追求して何か意味があるのだろうか。
ユノはきっともう、もうこの世界には居ないのに。
それとも……

「また、会えるのか……?」

呟きは周囲の雑踏にかき消された。
夜空には、星ひとつ見当たらなかった。









毎日が単調過ぎて、まるで作業のようだ。
仕事をしては家に返るだけ。
携帯を手に取って、問合せ番号を押しかけては止める。
その行為を行う時だけ心が乱れた。
ユノの真実を知りたい。
だけど、それがユノと再会できる手掛かりに繋がらなければ、もう完全に希望はなくなる。
プラスに動く可能性は限りなく零に近いのに、僕はその可能性が無くなる事を恐れていた。



バイト帰り。
僕は適当にバーへ入ると、何杯かオーダーして早いペースで酒を飲みほした。
頭にアルコールが回り、次第にぼんやりしてくる。
あれこれ考える頭の抑制を外すにはこれしかなかった。
いつまでも尻込みしていられない。
僕はやっぱり、ユノに会えなかったとしても事実が知りたい。
携帯を手に席を立とうとしたその時、隣の席へ一人の男が腰かけた。
黒服で固められた細身の身体に、黒を基調とした中で鮮やかに映える赤色の髪。
ちらりと見た横顔は、女にも見てとれる中性的な雰囲気があり綺麗だと思った。
特に混んでもいないこの店内で、僕の隣に来たのは何故だろう。
意図を図りかねて黙り込む僕に、男は声をかけてきた。

「……シム・チャンミン」
「……え」

どうして、僕の名前を知っているんだ。
驚きを隠せない。

「悪いな。会社からつけさせてもらった」
「……誰だ」

警戒心を持って睨んだが、男は表情を変えることなく僕を見た。

「用があるんだが、これから時間はあるか」
「名前を名乗れよ。一体誰だ」
「……キム・ヒチョル」

ぼそりと名前を呟くと、男は続けた。

「気が強い美人か。あいつが好みそうなタイプだ」
「何の話だよ?」

僕の問いには答えず、男はすっと立ち上がった。

「会わせたい奴がいる。俺と一緒に来い」
「…………」
「……心当たりがあるだろ」

心当たり?
一人の人物が頭に浮かび、はっとした。

「まさか……」

男は何も言わず、含みを持った笑みを浮かべるとそのまま歩き始めた。
僕は、反射的にその背中を追っていた。











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2 Comments

NB  

さえ○んさま

以下、色を薄くしてありますので見難い場合はドラッグをお願いします。

★さえ〇んさま
こんばんは、いらっしゃーい!
ユノ・ユノは……ロボットなのか?大体、18話を見て予測はついたかなぁと思います。
チャンミンの色気はやばいですよ、ほんと美人さんですもん!
無意識の色気攻撃にどんなにユノが苦労したか……これから詳しく書いていきたいと思います(笑)
怪しい人、会わせたい人……18話でお分かりになりましたか?
この展開がウケる自身ゼロです……ご期待に添えなかったらすいません。
分かります、はめた人よりはめられた人が深くハマる現象。
私もまさにそれです。
まぁ楽しみの半分くらいは、いや半分以上腐の萌えが占めている状況ですが……
腐の世界は抜け出せません、特にこんな魅力的なふたりがおかずだともう!
どんどん話しかけてください、こんな私でよければトントークしましょう。
納得できる、ユノの涙は胸が痛いのにチャンミンの涙は萌えに走ってしまう。
これって、男子が好きな女子の泣き顔に少しドキッとしてしまう現象と同じですか?(絶対オカシイ)
トンカラ行きたいですね。ダンスも習得したいな~。
しかしトンのダンスは楽しみで踊るには難易度高すぎますね(笑)
いつも本当にありがとうございます、またお待ちしています!

2014/04/29 (Tue) 19:52 | EDIT | REPLY |   

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2014/04/27 (Sun) 22:39 | EDIT | REPLY |   

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