四畳半のコイビト 3




4jyouhan








人が颯爽と行き交う夜の街を、今日も彼の歌声が流れゆく。
ギターを弾きながら歌う彼を、初めて見たのは何時の日だったか・・・・・・
気付いたら、立ち止まって耳を傾けるようになっていた。
心に染み入るような、優しい歌声が好き。
ハイトーンボイスで奏でる、爽快な歌声も。
彼の生み出すメロディーを聞いて、心を込めて歌う姿を見て、何時も元気付けられてきた。
今日も彼は、ギターを鳴らしながら歌い続けている。
私もまた、近くのベンチへそっと腰掛け、その歌に聞き惚れる。
仕事で疲れきった心身を、彼が癒してくれる。









貴方が 私の機嫌を直そうと誘ってくれたディナー

何時もと違う 洒落た格好の貴方

本当はずっと見ていたいけど 恥ずかしいから目を逸らすの

長い前髪の向こうの 黒目がちな瞳が好き

緩んだ口元 その左上に浮かぶ小さなホクロも

ワイングラスに添えられた 細い指先も

窓の外には 幾千もの光の粒

このまま 二人で旅に出たくなる

いつの間にか笑っている私

貴方の作戦通りね

ふと 貴方が呟いた言葉

ムードを壊されて 私はまた不貞腐れる

ふと 貴方が呟いた言葉

照れて 私は静かに赤くなる

綺麗な夜景も 

豪華な料理も良いけど

そうね・・・・・・

私達には あの場所がよく似合う

四畳半の 狭く小さな世界

どこに居ても貴方が側で笑ってる

ふたりだけの世界

『帰ろう』 と貴方が笑う

私は頷く

私達には あの場所がよく似合う

四畳半の 狭く小さな世界









男である彼が、女性目線の歌を歌っているのが新鮮だった。
ときめいてしまうような、甘く可愛いらしい歌詞。
自分で作詞したのかしら。
知り合いから提供して貰ったのかしら。
彼を見つめて考え込んでいると

「あ・・・・・・」

彼は、ある一点を見つめて呟き、固まってしまった。
どうしたんだろう?
彼の視線の先を追うと、スラリと背の高い、シャープな顔立ちの男性が一人。

「お疲れさん」

男性は、そう言って彼に微笑みかけた。

「どこから居たの・・・・・・?」

恥ずかしそうに、顔を顰める彼。

「始めっから」

楽しそうに笑う男性を見て、彼は顔を覆ってしまった。

「また歌ってくれよ。帰ったら」
「絶対ヤダ・・・・・・」

そんな会話をしたあと、彼は緩慢な動きでギターを片付け始めた。
男性は、彼を優しげな笑みを浮かべて見守っていた。

「ほら。帰るぞ」

男性の言葉に、黙って頷く彼。
拗ねたような顔をしてるけど、怒ってる訳じゃないみたい。
並んで歩き始めた二人を見て、さっき聞いた歌のフレーズが頭を過ぎった。



―――『帰ろう』 と貴方が笑う

    私は頷く

    私達には あの場所がよく似合う

    四畳半の 狭く小さな世界









END



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久しぶりに四畳半シリーズでした~
チャンミン、乙女過ぎるよー
バレちゃうよー
最近第三者目線ブームです。
UPするたび沢山の拍手、そしてコメントも頂きとっても嬉しいです。
妄想にいつもお付き合い頂いて、優しく見守って頂いて本当にありがとうございます。
明日からまた土曜まで仕事なので、連日UPは出来なくなりそう。
ウザがられそうだから丁度いいか(^_^)

あ、昨日は雨の中、23時くらいから友人と花火をしました(笑)
ずぶ濡れで花火っていうのも中々出来ない体験でしたので、楽しかったです。



 
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3 Comments

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2016/08/22 (Mon) 19:19 | EDIT | REPLY |   

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2016/08/22 (Mon) 09:50 | EDIT | REPLY |   

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2016/08/22 (Mon) 09:29 | EDIT | REPLY |   

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