片耳ピアスの君 1

  09, 2016 07:29


俺が大学に入学して、一番始めに仲良くなった奴。
そいつは綺麗な顔をしていて、細身で背の高い、自然と目に入ってしまうような容姿の持ち主で・・・・・・
入学当初から、学科内でも噂になっていた。
一見華やかなグループに馴染みそうだが、性格はそうじゃなかった。
人見知りで、口数も少なく真面目。
無意識のうちにテリトリーを作って、限られた仲間内で過ごすのが居心地良くなってしまうような・・・・・・
そう、正に俺みたいなタイプだった。
だから、割と直ぐに仲良くなった。
俺は友達としてそいつを見ているけど、文句無しに綺麗な顔を見て、
「女なら確実に付き合っただろうな」
なんて思ってしまうことがある。
そんな風に、あまり人に言えない事を思う時。
気楽に、楽しくつるんでいる時。
真面目に話し合っている時・・・・・・
どんな時も、つい気になってしまうアイテムがある。
知らず知らずのうちに、それに視線を吸い寄せられてしまうのだ。



存在を主張するかのように、キラリと輝くのは―――

左耳にだけ付けられた、小さなピアス。




















片耳ピアスの君




















「で?オーケーしたの?」

学校帰り。
ファミレスの一角で、本日の告白タイムの結果を聞くと

「しないよ」

チャンミンは、小さく笑ってそう答えた。

「何で?」
「・・・・・・・・・気が乗らないから?」
「そう言って、これまで何人断ったよ」
「・・・・・・・・・・・・」

チャンミンは、メニューを開いて料理を見繕い始めた。

「お、コレめっちゃ旨そう!」
「・・・・・・おい」
「肉もいいけど、たまには魚もいいな」

もう告白の話題は続けない。
チャンミンの態度がそう言っている。
俺は溜息をつくと、メニューに手を伸ばした。

「二つ頼んじゃおうかな。超腹減ってんだよね」

チャンミンの目が、イキイキと輝いている。
食い物のことになると、食い方からリアクションまで子供みたいだから面白い。
こんな一面を知っているのは、親密に絡んでいる友達・・・・・・俺を含んだ数人くらいだが。
サラリと流れた髪を耳にかけ、メニューを見続けるチャンミン。
それを見て、
あ・・・・・・今の、ちょっとイイな。
とこっそり思う。
別に俺はチャンミンに恋心を抱いてはいないし、普通に女が好きだ。
でもチャンミンは見た目が良いから、やっぱり注目してしまう瞬間はある。
露になった左耳に、きらりと光る小さなピアス。
それを睨みながら、心の中で呟く。

だいじょぶだって。
そんなに主張しなくても、お前のチャンミンを取る気は無いよ・・・・・・ 

片耳ピアスの真相は今も明らかになっていないが、恐らく恋愛絡みではないだろうか。
チャンミンはよく、左耳のピアスを触っている。
始めはタダの癖かと思っていたが、触っている時の表情が、何というか・・・・・・
優しくて、柔らかで、よく見ると微笑んでいて・・・・・・“恋”を連想させるのだ。
それに気づいてから、左耳のピアスは、俺の中では恋人がいる印という認識だ。
でもひとつだけ謎がある。
以前、今日のように告白の話題になった時、断ったチャンミンに
「もしかして彼女居んの?」
と聞くと、確かに居ないと答えたのだ。
まだ、交際には至っていないのだろうか?









「入って。適当に座っていいよ」
「おじゃましまーす」

何日かぶりに訪れたチャンミンの家は、相変わらず片付いていた。
1DKの小さな作りだが、必要なもの以外置いておらず、あまり狭さは感じない。

「緑茶とサイダー、どっちがいい?」
「サイダー!」
「オッケー」

部屋に上がり、適当にバックを置いて腰を下ろす。
キッチンから聞こえるグラスの音を聞きながら、何となく辺りを見回していると・・・・・・

「・・・・・・ん?」

テーブルの上の、ある物が目に留まった。
一枚の写真が。
手に取って見ると、そこには中年の男性が一人と若い男が3人、寄り添って写っていた。
全員スーツ姿で、数人はワイングラスを持っている。
そこにチャンミンの姿は無かった。
丁度、飲み物が入ったグラスを持って、チャンミンがやって来た。

「なあ、これ何の写真?」

俺がそう言って写真を見せると、チャンミンは

「あ・・・・・・」

何故か一瞬、微妙な表情をした。

「どうしたん?」
「あ、ああ・・・・・・それ、高校の同窓会の写真。僕は用事で行けなかったから、友達が送ってくれたんだ」
「へえー」

年配の男性は、恐らく先生だろうと察しがつく。
他の男数人のうち、俺は一人を指差して言った。

「この人・・・・・・もしかして芸能人とか、そっち関係?」

一際目を引く男が一人。
写真の中でも綺麗な顔がよく分かる。
それだけじゃなく、雰囲気というか、オーラがある気がする。

「・・・・・・まさか。一般人だよ」

チャンミンはそう言って笑うと、俺の手から写真を抜き取ってしまった。

「・・・・・・・・・その人も友達?」
「そうだよ」
「・・・・・・・・・・・・」

俺は、確かに見た。
その芸能人張りのイケメンも・・・・・・
片耳に、キラリと光るピアスをしていた。
チャンミンと反対側の、右耳に。

これって、タダの偶然―――・・・・・・?












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色んな話に行ったり来たり・・・・・・
落ち着かないなぁ

今後書きたいもの
→ピアスの君続き/団地妻シリーズ出会い編/常闇続き/PSY~悪を葬る者~/幸福を呼ぶ苺の花/嫁買続編  いっぱいあります多すぎる。殆どホミン。
ゆっくり消化していきます。




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