Humanoid ~この恋は永遠に~ 12

  22, 2014 20:02


バイトへ出る前、ユノが帰りに迎えに行っていいかと聞いてきた。

「出来るだけ一緒にいたいじゃん。駄目?」
「そんな事ない。ユノがいいなら……」
「よし。場所教えて」

会社の住所と道順をメモに書いて、僕はユノに渡した。
ユノが一緒に居たがってくれるのは嬉しい。
二人で過す時間が増えるのも。
けど、それはもうすぐ別れの時が来るから。
そう思うと、きりきりと胸が傷んだ。



昼休みになり、僕はある資料を持って屋上へ上がった。
資料というのはユノ・ユノの付録だ。
記載された問い合わせ案内の番号へ、僕は電話をかけた。

『はい。Switch plusでございます』
「シム・チャンミンです。そちらの会社の試供品を……ユノ・ユノを使っているのですが……」
『ご利用ありがとうございます。どういったご用件でしょうか』
「試供品の購入は出来ませんか?」

ユノと別れると思うと耐えられない。
この先も一緒にいられる方法を考えたら、これしかなかった。

『申し訳ございません……』

しかし会社の答えはノーだった。
ユノ・ユノは試供品として製造したhumanoidであるため、商品として売り出すのは難しいとのことだ。

「どうしても、無理ですか?」
『ロボットを扱う上で決められた法律がございます。ユノ・ユノの購入は法外となりますので、強く希望されるようであれば……裁判で扱われる領域になります』
「裁判……ですか」

僕はただ一緒に居たいだけだ。
それなのに、法律が絡んでそれでも手に入るか解らないのか。

『商品をお気に召して頂き、大変光栄でございます。しかし、試供品の本利用に関しては誠に申し訳ございませんが、難しいご要望です』

どんなにユノを好きでも、僕に法を破る勇気はない。
ユノもきっとそれを望まない。
悲しいけれど、僕らはこの運命を受け入れるしかない。

「……解りました」
『ご理解頂きありがとうございます』
「あの、それから……」

僕にはもうひとつ、気になっていることがあった。

「試供品は、この期間が終わったらどうなるんですか」
『処分という対応を取らせて頂きます』

処分……?
頭が、真っ白になった。

『シムさま、もしもし?』

まともに話せる気がしなくて、僕は通話を切った。
ユノが処分されてしまう。
ユノはそれを知っているのか。
それは、人でいう死と同じじゃないのか。
簡単に処分という言葉を発したスタッフに、怒りをぶつけたくなる。
しかし僕だって、ユノと居ることを"使用"と言った。
この先も共にいることを、"購入"と言った。
ユノは人間ではなく商品だからだ。
ユノが処分されるのは、使い道の無くなった日用品が処分されるのと同じ事。
それに対して怒りを感じるのはただの理不尽だ。
ユノを商品として話すスタッフも僕も変わらないはずなのに、僕は何処かでユノを本当の人間のように思っていた。
僕の造り物という概念を消し去って、まるで本当の人間みたいに一緒に居たユノ。
人間と区別をつけて大事にしろと言うけど、魅力的なユノ相手にそんな器用な事、僕には出来ない。
ユノが、本当の人間であればいいのにと願ってしまう。
どうしてお前は人間じゃないんだ。
辛いよ、ユノ。



会社の敷地から出たゲートの所に背を預けて、ユノは僕を待っていた。

「よう。おかえり」

その言葉を、もう何度聞いただろう。
今では当たり前になってしまったけど、もうすぐ聞けなくなってしまう。

「まだ、家じゃないだろ」
「はは、そうだな」

歩き出したユノの後を、僕も追った。



家が近くなり、桜並木に差し掛かった。
風が吹くと、沢山の花びらがユノの周りをふわふわと舞い、やがて何処かへと姿を消した。

「綺麗だな、桜」

桜を見上げるユノの横顔が儚くて、舞って消える花びらと共に居なくなってしまうような気がした。

「ユノ」
「ん?」

離れたくない。いかないで。

「……いや。何でもない」

言いかけた言葉を飲み込んだ。
段々と視界がぼやけてゆく。
泣いてしまったら、ユノを不安にさせるのに。
ぽろりと一粒、涙がこぼれた。

「チャンミン……」
「悪い、気にするな……」
「帰ろう」

ユノは僕の手を取って歩き出した。
周りを歩く人影はなく、桜の雨の中、まるでユノと2人きりの世界にいるみたいだと思った。
このまま、時が止まってしまえばいいのに。
また一粒、涙がこぼれた。









◇◇◇



遂に!ツアー開始!
きゃ~っ!!!
ネタバレは見ないぞ~......我慢我慢。
取りあえず、今すぐ横浜いきたいウフ。
母国で悲しい事件があっても、日本で活動してくれる東方神起、事務所に感謝。
トンペンも彼らを裏切らないよう、素敵なステージを造り上げましょう。

※topに鍵をかけたくてたまらないのですが、更新が反映されないんですよね......
更新後時間をおいて鍵をかけます。お見知りおき下さい。





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Comment 4

NB  

さえ○んさま

わわっ、お待ちしていました!さえ○んさまいらっしゃい(^^)
りょうおもい、うふふ。やっぱりホミンはこうでないと!
ユノ・ユノは比較的リアルユノに似せて書いています。
実際の彼も恥じらわずにストレートな物言いをするな、という印象があります。
でも限られた時間しか居れないから敢えて伝えている、その通りでございます。
チャンミン切ない......
このお話は桜とユノを掛け合わせているので、読み取って頂けて凄く嬉しいです。
桜が散るのと一緒に、ユノは......どうなるのでしょう。
これから苦しい時期ですが、チャンミンと一緒に乗り越えてあげてください。
腐歴は......もう逆にすみません(;_;)
HMNイコールで考えてしまう気持ち、共感です!
本当に、ふたりは色んな方向性に長けていますよね。
この分野においてはもう最高です。
ツアーは、私はセトリは見ずに二人のネタチェックをしていました!
どんなやりとりしたか、とかはその公演のみの場合がありますから(^^)
いやでもセトリみたい......くぅ~、我慢します!
本当に、たくさんのイベントが中止になっているので心から感謝しないといけませんよね。
悲しい気持ちはあると思いますが、それでも日本に滞在して明るいパフォーマンスを見せてくれる。凄いことです。
全力で彼らに応えましょうね~!
長々大歓迎です!私こそいつも長々とすみません。
コメント本当に嬉しいです、執筆のエナジー頂きました!
またお越しくださーい♪

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NB  

ゆか○ろうさま

ゆか○ろうさま~♪
またお越しくださりありがとうございます。嬉しい!
ふたりがくっつくいい方法......は果たしてあるのか!?
いやいや......
もうホミン妄想の時点で、どなたが妄想しても全て神のようなもの。
と、思っております(笑)
最後の展開はもう決まっていますが、私のふわっふわな頭で考えたものなので......
皆様にウケるか心配。
頑張りますので、最後までお付き合い頂ければと思います。
またお待ちしています!

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ゆかたろう  

うーむ!
なんか良い方法は無いものか?
あたしの 想像力の欠片も無い 脳みそで 考えてみたのですが…
サッパリ 思い付かない…(苦笑)
どうか 2人を 幸せに してあげてくださいませ♥︎

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