愛することは、君が教えてくれた 18

  21, 2016 07:30


※朝から凄く重いです。重すぎます。
 可哀想過ぎるユノを見たく無い方は、絶対に見ないでください。
 苦情は一切受け付けません。










































「ユノ、笑って」

元気付けるにしても、いささか強引だったかもしれない。
ユノに顔をくっつけ、俺は携帯のシャッターを切った。
画面の中に、突然のことで少し驚き顔なユノ、ニッと笑った俺が顔を寄せ合い写っている。

「これ、待ち受けにしろよ」
「え?」
「しろよ?約束」

ユノは、泣き腫らした目を細めながら微笑み、頷いてくれた。






その日の夜。
俺はキュヒョンとテミナを家に招いた。
酒を飲みながら心境を打ち明けるうちに、俺は泣いていた。

「まるで、自分んことみたいに苦しいんだ・・・・・・ユノのこと、少しでも助けたいのに・・・・・・ほんと非力でやんなるっ・・・・・・」

本音を打ち明けた途端、涙腺が崩壊したかのように、自分でも驚く程涙が出た。
ユノを支えたい、でもそんな気持ちばかり先走って力不足な気がする。
誰にも打ち明けられなかった本音を話して沢山泣いて、俺は初めて、こんなに辛かったんだと気付かされた。
ユノがとても苦しんでいるのが分かるから、二人の時は出来るだけ堂々として、強い姿を見せたかった。

「先輩はもう、充分支えになってる」

テミナが、俺の背中をさすり慰めてくれる。

「ユノさんっていつも明るいイメージだけど・・・・・・そんな風に泣けるのは、きっと先輩の前だからだよ」

優しい言葉に、また泣きたくなる。

「ユノの全部・・・・・・受け止めたい。何でこんなに好きなんだろ・・・・・・」

キュヒョンもまた涙を流しながら、俺の言葉を手帳に綴って言った。

「お前・・・・・・いつの間にそんな・・・・・・小説の台詞みたいな事言えるようになったんだ。メモらしてくれ。ネタに使えるから・・・・・・」

テミナが目を細めながら、キュヒョンを睨んで言った。

「ちょっとリーダー、真面目に聞いてあげてよ」
「俺は真面目だ。大真面目・・・・・・」

涙を流し、それでもメモは忘れないキュヒョンを見て、テミナが溜息をつく。
そして、神妙な面持ちで言った。

「ユノさん、辛かっただろうね・・・・・・。でも・・・・・・何でそんなに自分を責めるんだろ。明らかに被害者なのに・・・・・・」
「・・・・・・色々考えた。もしかしたら・・・・・・自殺じゃない、かも知れない・・・・・・」

三人の間に沈黙が落ちる。
もしそうだとしても構わない。
悪人ばかりが、罪を犯すとは限らない。
色んな複雑な事情が絡み合って、結果そうなってしまう事だってある。
三人で飲み明かし、翌日遅くに目を覚ますと、ユノからメッセージが届いていた。

『写真待ち受けにしたよ ! チャンミン、いつもありがとう』

俺は、携帯を両手に強く握り締めながら、額に当てた。

「ユノ・・・・・・」

過去にどんな事があっても、今、そしてこの先も君が幸せに笑っていられるなら、俺はそれだけでいい。
イトゥクさんに病院へ呼び出されたのは、それから一週間後のことだった。













イトゥクさんの部屋へ入るなり、俺は問いかけた。

「ユノ、何処に行ったの」

此処へ来る前病室へ寄ったのだが、ユノの姿が無かった。
突然のことに、不安ばかりが募る。

「ユンホ君は・・・・・・今は家に居る」
「何でだよ?」
「本人の希望だ」

不安がる俺をなだめるように、イトゥクさんが優しく言い聞かせる。

「大丈夫。マネージャーが傍についてるから」
「・・・・・・・・・・・・」
「チャンミン、僕の話を聞いて」

渋々椅子へ腰掛けると、イトゥクさんは俺をじっと見据え、静かに言った。

「チャンミン・・・・・・ユンホくんの過去を、知りたがっていたね」
「うん」
「本人も、それを希望したよ」
「ホントに?」
「でもね、自分の口から話す勇気が無いって」

イトゥクさんは、一枚のCDROMを取り出して俺に見せた。

「治療のために、今までのカウンセリングを此処に全て収めてある」
「・・・・・・・・・・・・」
「ユンホ君が、これをチャンミンに見せてくれって」

俺はイトゥクさんをじっと見つめ、頷いた。

「・・・・・・・・・・・・見せて」

イトゥクさんは、デッキにCDROMを挿入すると席を離れた。

「チャンミン・・・・・・僕は外に居るよ。全て見終わったら、声をかけて」

緊張のために、俺は無意識に、ごくりと唾を飲み込んだ。
ドアが閉まり、部屋はしん・・・・・・と静まり返る。
程なくして、テレビ画面にある映像が映し出された。
個室の中、椅子に腰掛けたユノが写っている。
向かい側には恐らくイトゥクさんが居るが、ユノを中心に撮っているので姿は見えない。
暫くすると、会話が始まった。



『―――・・・・・・僕、何から話せば良いかな』
『ユンホ君、呼び方は“僕”?畏まらなくてもいいんだよ。リラックスして』

イトゥクさんのアドバイスに、ユノが小さく笑う。

『あの・・・・・・“僕”の方が実は慣れてて、きっと本当の自分なんです。昔っからずっとそう言ってたし。でも・・・・・・強くみせようとして、ある時から“俺”と』
『そうか』
『先生には・・・・・・なるべく、ありのままの自分を見せようと思って』
『ありがとう。嬉しいよ』

その後は他愛ない会話が続いて、別の日のデータに切り替わった。
数日分を継接ぎしているようだ。
それから暫くの間、俺は映像に見入った。
ユノの言葉、表情をひとつひとつ噛み締めながら、浮かんでくるユノの過去をじっと見つめた。



『僕の家は三人家族で、父さんと母さんは凄く仲が良かった。僕も、愛されて育ちました。ある時まで・・・・・・幸せな家庭でした。・・・・・・僕が中学に入った頃のことでした。母が、病気で亡くなったんです』

ユノの顔から、笑顔が消えた。

『それからでした・・・・・・。父さんが、おかしくなったのは・・・・・・』

ユノは言った。
父親は、子供より妻を愛するような男だった。
そしてそれを知っていても、平和だった今までは、特に不満を抱くことは無かったと。

『母さんが亡くなって・・・・・・僕は思い知らされました。母さんの存在が、どれだけ父さんの心を占めていたのかを。父さんは、毎晩酒に溺れるようになりました。きっと・・・・・・母さんを失った悲しみから逃れたかったんだと思います。それでも、何とか仕事は続けていました。だけど・・・・・・』

ユノは、切なげに顔を歪めて言う。

『僕と、向き合おうとはしなかった。自分から話かけることも無ければ、出かけるとか、遊ぶとか・・・・・・そんな事も、一切しようとしませんでした』

父親は孤独にのまれ、そんな父親の振る舞いにユノも傷付き続けた。
二人の間の溝は、段々と深くなるばかりだった。
ユノは暫く黙り込み、手を握り締めながら再び口を開いた。

『僕の外見は・・・・・・母さん譲りなんです・・・・・・。そのせいか・・・・・・』

ユノの声が、弱々しく奮え始めた。

『父さんは・・・・・・父さんは・・・・・・僕を・・・・・・・・・・・・』

辛そうに顔を歪め、ユノはぽつりと言った。

『母さんの、代わりにしました』

その発言に、心がさぁっと冷え切るのが分かった。
もしかしたら・・・・・・もしかしたら、そうかも知れないと思っていた。
事実だと分かってしまった。
ユノが俯いたまま、小さな、か細い声で続ける。

『ある晩・・・・・・目を覚ますと、酷く酔った父さんが僕を見下ろしてた・・・・・・。凄く、怖かったっ・・・・・・。でも逃げられなくてっ・・・・・・父さんは・・・・・・そのまま・・・・・・僕を、襲いました。どんなに抵抗しても・・・・・・泣いて声を上げても・・・・・・ビクともしなくて・・・・・・』

ユノは涙をぽろぽろと零し、しゃくりながら続けた。

『ずっと・・・・・・母さんの名前を呼んでた・・・・・・』

父さんの中に、もう僕という存在は無かった。
そう、付け足した。
溢れる涙を拭いながら、ユノは少しずつ、少しずつ、辛い過去と心境を吐露した。
ユノはずっと、子供として父親に構われることを、愛されることを望んでいた。
父親がそんなユノに求めたのは、たったひとつ。
セックスだけだった。

『おかしい、おかしいと思いながら・・・・・・自分に言い聞かせた。これは・・・・・・不器用な父さんなりのコミュニケーションなんだって。自分はちゃんと愛されてるんだって・・・・・・。僕は何時からか・・・・・・抵抗するのを止め、受け入れるようになりました。父さんに親子以上の感情は無かったし、そんな目で見たことは無かったけど・・・・・・』

父親は、次第に働くのが難しくなっていった。
そして・・・・・・
更なる惨い出来事が、ユノを待ち受けていた。

『そんな僕でも・・・・・・もう、耐えられないことが・・・・・・許せないことがありました。ある晩・・・・・・・・・見ず知らずの男に、襲われたんです』

父親はその間、隣の部屋で煙草を吸っていたそうだ。
男が帰る間際、父親が金を受け取っているのをユノは見てしまった。

『その晩、父さんを・・・・・・殺そうと決めました』

頭の中・・・・・・
まだ幼さを残したユノが、キャビネットからナイフを取り出す映像が浮かび上がる。
酒の空き瓶が転がる中、座って眠り込む父親の前に立ち、ユノは奮える手でナイフを向けた。

『でも・・・・・・父さんが泣きながら・・・・・・寝言で母さんの名前を呼んで・・・・・・それを聞いたら、どうしても殺せなかった・・・・・・』

ナイフを手から滑り落として、ユノは父親に跨った。
泣き叫びながら、拳を何度も何度も、父親の胸に激しくぶつける。

“裏切り者っ・・・・・・お前なんか父さんじゃないっ・・・・・・大嫌いだ!!とっとと死ねばいいっ!!死んじゃえっ、死んじゃえっ・・・・・・!!!”

父親は、ボンヤリと目を開けながら無抵抗のまま、ユノの叫びを聞いていた。






『その後家を飛び出して・・・・・・一日空けて戻った時・・・・・・座敷で、首を吊っている父さんを見つけました』

テーブルの上には、遺書が残されていたらしい。

“ これで保険金が下りる。お前だけでも、何とか生きてくれ。
  ちゃんと愛せなくて、ごめん。 生きる力が無くて、ごめんな。 ”






ユノは涙を一筋すっと流して、静かに微笑み、言った。

『僕の望み通り・・・・・・父さんは死にました。僕が・・・・・・父さんを殺したんです』









To be continue



◇◇◇



すみません。苦情は受け付けません・・・・・・
展開があんまりと思った方は、全てを忘れて何事もなく帰ってくださいね・・・・・・



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