愛することは、君が教えてくれた 5

  03, 2016 15:52




































この俺が、ユンホに負けないくらいのイケメンに生まれ変わるなんて、誰もが無理難題だと思うだろう。
確かに高過ぎる目標ではある。
だが俺だって、何の根拠も無しに言っている訳ではない。
『もっと気をつければマシになるのに』
『素材は良いのに勿体無い』
そんな事を、これ迄何度も言われて来た。
絶対にお世辞なんて言わない家族や仲間が言うのだから、きっと本当なのだろうと信じている。
実行しなかったのは、特にその必要性が無かったからだ。
外見を飾らなくとも、趣味に全て費やすことで心は満たされていた。
だが事情が変わった。今はユンホを見返すためにまず、外見から生まれ変わることが必須だ。
このオタクビジュアルを一掃してやる。
いきり立つ俺を見て、テミナが言った。

「待って先輩、一体ユンホと何があったの?」
「あいつは最低だ。俺を・・・・・・オタクを馬鹿にしやがった!断固許せない!」
「・・・・・・取り敢えず、上がれば?」

部屋に通された俺は、クラブでのユンホとの出来事を話した。
話が終わるまで黙って聞いていたテミナは、溜息をついて言った。

「ってか、先輩がクラブに行くの想像するだけで怖いんだけど」
「仕方無いだろ。行動療法の一貫だ」
「先輩ってたまにやり過ぎってか、無計画ってか・・・・・・」
「お前まで俺を批判すんの?」
「まさか」

テミナは首を振ると、心外そうに言った。

「僕は何があっても先輩の見方でしょ。そんなこと、言わなくても分かってると思ってたけど」
「テミナ・・・・・・」

互に見つめ合うとニヤリと笑い、パチンと掌を合わせた。

「さすが、俺の頼れる後輩」
「ユンホが性悪なのはショックだけど・・・・・・ここは、先輩のためにひと肌脱ぐしか無いね」

そこからのテミナのはしゃぎっぷりは、半端無かった。

「でもさ、やっとやる気になってくれてテンションダダ上がり!先輩って、ハイパー宝の持ち腐れだと思ってたんだよね!」
「お前って、つくづく失礼な奴」

なんだか瞳が凄く輝いている。俺よりもやる気みたいだ。
テミナは素早くi padを起動すると、「見て見て!」と言って俺に差し出した。
画面に格好つけた野郎が写っている。

「誰だコイツ」
「知らないの?アイドルユニット、トンバンシキのMAX」
「知る訳ないだろ。三次元のアイドル野郎なんて興味無い」
「MAXはね、凄いんだよ!特に歌唱能力がアイドルの域を超えててもう、アーティストって感じ」
「出た・・・・・・男のクセしてアイドル野郎オタク」

俺のうんざりした呟きなんて聞こえて無いかの様に、テミナは興奮した様子で話し続ける。

「前から、先輩ってMAXに激似だと思ってたんだ」

俺がこいつに似てる?
自分じゃ全く分からない。

「MAXの真似をすれば間違いない。絶対カッコ良く生まれ変われる」

テミナは、口の端をニッと吊り上げて笑った。
これは、本気スイッチが入った時の顔だ。
可愛い顔をしているが、火がついたテミナは実にカリスマ的だ。
アパレル系の専門学校出身のテミナは、ファッション誌の編集社に務めている。
センスの良さは今も健在で、その分こだわりも強い。
俺達に便乗して二次元も齧っているが、テミナの本命はファッションだ。

「なら先輩、今から早速始めるけどいいよね」
「ああ、頼む」

テミナはよーしと意気込むと、腕捲りして準備を始めた。

「先ずはその生い茂った眉毛、どうにかしよっか」






「ただ重なりあって 
 愛を確かめて
 転げ合って 
 口づけ交わしたって
 まだ猛烈に切ない・・・・・・
 Rock with U―! 」

テレビ画面の中、爽やかなピアノ伴奏から始まったロックを、MAXとかいう男が気持ちよさげに歌っている。
カメラ目線でニッコリと笑い、さらりとカッコつけて見せる。
テミナに眉毛を弄られながら、俺はブツブツと呟いた。

「なーんで俺がこいつのlive映像なんて見なきゃならないんだ」
「外見だけ良くても使い方知らなきゃ駄目。MAX見てよーく勉強して?」
「くそ・・・・・・。チャラ男は嫌いなのに」

そうは言いつつも、アイドルとは思えない歌のクオリティにこっそり感心する。
センスあるメロディーも聞いていて気持ちが良い。
知らぬ間に身体を揺らしてリズムを刻んでいると、テミナが言った。

「出来た、眉毛完了」
「お、どれどれ。みして」
「駄目!」

鏡を見ようとする俺を、テミナが制止した。

「今日一日かけて変身させるから、フィードバックは一番好最後のお楽しみ」
「えー・・・・・・」
「あとはコンタクト買うのと、美容室でカットカラー、服・・・・・・それと肌もちょっと荒れてるから、化粧水とか備品の購入も必要だね」
「げぇっ。果てしないな。気が遠くなる」
「文句言わない。お洒落は時間もお金も使うんだからね」
「はいはい」

こうして、俺の変身計画は幕を開けた。
その日俺は、テミナに連れられて全く免疫の無い物にばかり触れた。
コンタクトをはめる時は、瞳に触れるのにビクビクしてなかなか上手くいかなかった。
美容室では、頭皮までカラー剤をべっとりつけられるわ熱を当てられるわで、髪は多い方たが禿げないかと心配になった。
服屋では、虎うさだの何だの訳の分からない単語が頻出して首を傾げた。
まあ、全てテミナがやり取りして、俺はされるがままだったのだが。
頭の中では、テミナの家で聞いたMAXのRock with Uが流れていた。
生まれ変わるため、新しい世界へ足を踏み入れた俺。
爽快な音楽をBGMに行動していると、まるでドラマの主人公にでもなったような気分だった。
自分磨きなんて興味が無かったのに、変身を目前に少し心踊らせている俺が居た。






試着室から出ると、テミナが両手を合わせて瞳を輝かせた。

「先輩、最高・・・・・・!」

店員も大きく頷いた。

「うん。本当にモデルみたいだ・・・・・・」

お世辞では無さそうだったので、少し照れた。

「そ、そうすか?でもこの虎うさ少し窮屈なんですけど・・・・・・」
「虎うさじゃないトラウザー!先輩、幻滅するから喋んないで」
「何!?」

俺達の会話を聞いて、店員が苦笑しながら言った。

「君は細身だから、逆にそのくらいの方がスタイルが引き立って格好いいと思うよ。窮屈なのはそのうち慣れるさ」
「そーいうもんですか」

テミナがぱちんと手を合わせて言った。

「じゃあ先輩、変身した自分見てみよ」

今日初めて鏡の前に立った俺は、目の前に映った自分の姿を見て息を飲んだ。
自分とは思えない、別人がそこに居た。
ダークブラウンの髪が艶やかに輝き、少しウエット感ある束になった前髪はいい感じに瞳にかかっている。
肌にフィットしたシャツ、細身のジャケットとズボンで、今迄よりずっとスタイルが良く見えた。

「これが、俺・・・・・・?」

テミナがにっこり笑いながら、得意げに言った。

「どう?ユンホと勝負になりそう?」

俺は笑みを浮かべながら、親指を立てて答えた。

「完璧だ、テミナ」









To be continue



◇◇◇



チェガンさまゲスト出演でした。
もちろん相方はU-KNOWさんです(*´ω`*)がモデルのユンホとは別人です。
まあ細かい設定はきにせず、お話の中にそっくりさんが居るんだなーくらいに捉えてください(笑)
変身したチャンミン、これからどんな行動に出るのでしょう。
見た目はチャンミンだから、ユノに対抗できること間違い無しですね♡
(NBはどっちのビジュも選べない程大好きです)
でも中身はオタクのままだから、どうかな(笑)
そして音楽聞きながら行動してると、自分がドラマの中に入ったような気分になること、ありませんか?
私だけ?(笑)
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