Humanoid ~この恋は永遠に~ 10



仕事中、手を動かしていても頭の中ではユノとの事ばかり考えていた。
今は、一緒に居るのが苦しくて距離を置きたい。
僕の醜い姿を見ても優しくし続けるユノは、何を思っているのだろう。
こんな時に限って社員の手伝いも無く、仕事はバイトの業務のみ。
すぐに帰る時間がやって来た。



家が近づくにつれ、足の進みが段々と鈍くなる。
帰りたくない。
あと少しのところで、僕は時間を稼ごうと通り道にある公園へ寄った。
すると、ベンチに見覚えのある姿を見つけた。

「お疲れ」

ユノがそこに座っていた。

「な、なんで……」
「お前朝シカトしたろ。逃げんじゃねーかと思って待ってた」
「…………」
「会社まで行こうかと思ったけど場所知らねーし。取り敢えずここなら通るの見えるから、見張り」

だから、そんなに優しくするなよ。
口に出して伝えたことは無いけど解って欲しかった。
悲しい思いだけじゃなく、苛立ちが込み上げてくる。
限界を感じた僕は、思わず本音を吐いた。

「……もういい。優しくされても辛いんだ。解るだろ?放って置いてくれ」
「…………」
「ユノが……何を考えてるのか解らない。僕のこと、どう思ってるのかも……」

暫の沈黙の後。
ユノは頭をぽりぽりと掻くと、口を開いた。

「悪かった……。お前が悩んでるの解ってたのに、俺からは何も言わなくて」
「別にそんな事はいい。変に優しくするなって言ってるんだ」
「……期待するから?」

解っていたんじゃないか。酷い奴。
精一杯怒りを込めて睨んだのに、ユノは笑っていた。

「優しくしたいって言ったら、どうする?」

ユノは僕の方へ歩み出て、距離を詰めた。

「何、言って……」
「チャンミン」

手を取って優しく握ると、僕をじっと見つめたままユノは言った。

「お前が好きだ」
「え……」

頭でちゃんと理解しないうちに、握られていた手がそのまま引かれ抱き締められた。

「俺ら、一緒に居れる時間が限られてるだろ。好きだって自覚してたけど、別れた後の事考えるとなかなか言えなかった」
「う、そ」
「嘘じゃない。期限まであと少しだけど……俺の恋人になってくれるか?」

ユノが僕を好き?
恋人にだって?
夢でも見てるみたいだ。
断るなんて選択肢はなかった。
僕らがどんな関係であっても、別れの時は必ずやってくる。
それなら僕は、あと少しの間だけでもユノと愛し合って過ごしていきたい。

「ユノ……」

今にも泣いてしまいそうで、上手く話せる自信がない。
返事をする代わりに、精一杯力を込めて抱き返した。

「いててっ」
「仕返しだ、馬鹿」
「うん……ごめん」

まだ少し肌寒い風が、幾つもの桜の花びらを風にのせて通り過ぎてゆく。
辺りを舞うそれは、まるで僕らを祝福しているみたいだった。



帰宅後。
二人で夕食を食べてから、ユノが風呂に行っている間僕はベッドへ横になった。
ユノも僕を好きでいてくれた。
恋人同士になれた。
心が満たされて、凄く幸せな気分だ。
目を閉じるとそのまま眠りそうになる。
最近は、ユノの事でいっぱいいっぱいになることが多かった。
ずっと張っていた緊張の糸が解け、今やっと自分がこんなにも疲れていたことに気づいた。
眠りに落ちる直前。
すぐ近くに気配を感じ取ってゆっくりと目を開けると、視界いっぱいにユノの顔か映った。

「うわっ……」
「あれ、起きちゃったか」

今、キスしようとしていた?
僕は動揺して声も出せないのに、ユノは離れることなく唇が触れそうな距離で微笑んでいる。

「なぁ、いい……?」

キス、して欲しい。

「ユノ……」

僕は緊張で震える手を強く握りしめ、目を瞑った。
暫くすると、柔らかくて暖かな感触を唇に感じた。
唇は直ぐには離れず、キスは段々と深くなっていった。

「んっ……」

強く抱き締められ、僕もユノの背中に手を回した。

「チャンミン……好きだ……」
「僕も……僕も、好き……」

ユノの微笑みも囁きも、痺れるように甘い。
幸せだけが心に溢れていた。
まだ、この時は。









◇◇◇



沢山の拍手、ありがとうございます!
遂にくっつきました。
ユノ・ユノはいつからチャンミンを好きだったんでしょう?
彼らの切な系ラブソング、切ないサントラ等聴きながらお話の妄想繰り広げております。
執筆頑張りま~す(^^)





人気ブログランキングへ

にほんブログ村 二次BL小説


スポンサーサイト

3 Comments

-  

管理人のみ閲覧できます

このコメントは管理人のみ閲覧できます

2015/05/31 (Sun) 16:00 | EDIT | REPLY |   

NB  

さえ○んさま

さえ○んさま!いらっしゃいませ♪
いつも本当にありがとうございます!
くうぅ、絵褒めて頂けて幸せ(;_;)これからもいっぱい描きます。
私はかれこれ腐歴10年以上でして......今まで沢山のCPに萌えさせられましたが、ホミンが終着点かって程のはまりようです。
BLの始まりがトンだなんて、素敵過ぎます!
2人がなかいい動画見るだけで本当に幸せですよね。
私はカメラに映るスペース有り余ってるのに何故か不自然なほどにくっつく2人がツボです。
手繋ぎホミン最高です。キャー言われた後の、チャンミンの「煩いです」が照れてる感じで可愛いっ(^o^)
恋人繋ぎはやく~!
ユノの唇は魅力的ですよね、特に下唇が......ふふ、よく解ります。
お尻とかコアなお話をしてすみませんです(-_-;)
コメント、だぶっても全く構いません。
むしろ沢山頂けて嬉しいです!
ユノとくっつきました、チャンミン。
やっぱりホミンは幸せでないといけませんよね。
残りの期間ふたりはどう過ごすのか......見守ってあげて下さいね。
またお待ちしています!

2014/04/21 (Mon) 21:43 | EDIT | REPLY |   

-  

管理人のみ閲覧できます

このコメントは管理人のみ閲覧できます

2014/04/20 (Sun) 20:51 | EDIT | REPLY |   

Leave a comment