ラブ・マーキング



ステレオから流れるゆったりとした音楽をBGMに、気怠そうに目を瞑るユノと、そんなユノをスケッチするチャンミン。
何も纏わない筋肉質なユノの裸を、線のひとつひとつに命を吹き込むようにしてチャンミンは描いてゆく。
いつの日からか情事の後、こうしてユノをスケッチするのがチャンミンの習慣になった。
大学に進学してから、ユノと毎日顔を合わせることが出来なくなってしまった。
チャンミンの情事の後のスケッチは、その寂しさを埋めるかのように高校卒業後にエスカレートした。
幾枚ものスケッチを見て、チャンミンはユノと二人で重ねた軌跡を感じ満足する。
一人の寂しい時も、嫉妬に狂いそうな時も。

「チャンミン、俺はいつまでこうしてればいい?」

目を瞑ったまま、ユノがボソボソと呟く。

「あともう少し」
「ん・・・・・・」
「・・・・・・先生、動きたいの?凄く眠たそうで、そうは見えないですけど」
「水が飲みたいんだ」

ユノは困ったように笑って、そう答えた。
チャンミンがあまりにもスケッチに熱中しているので、ユノは動かずに口渇に堪えていたのだ。

「ご、ごめんなさい先生。今、水を持ってきますから」

ベッドを離れたチャンミンが、 手にミネラルウォーターを持って戻って来る。
ユノの太ももに跨がると、自ら水を口に含みユノに口付けた。
ユノも当たり前のようにそれを受け入れる。
送り込まれた水をごくりと飲み込み、ユノは強請った。

「あー旨い。もう一口」

チャンミンは微笑みながらそれに応える。
二度目は、水を送り込んだ後どちらも口を離す気配が無く、口付けたままクスクスと笑い合った。
唇が僅かに離れた状態で、未だ眠たそうなユノが言った。

「チャンミン、俺の最大の敵を知ってるか」
「・・・・・・さあ。新任のシウォン先生ですか?キュヒョンから聞いたけど、最近先生と人気争いしてるらしいですね」
「違うっ。アイツと俺の人気なんてどうでもいい」
「じゃあ、一体誰ですか」

ユノは決まりが悪そうに答えた。

「・・・・・・俺だ」
「え・・・・・・?」

その回答が理解できず、チャンミンは首を傾げた。

「・・・・・・お前の中の、俺だ。スケッチブックの俺、昔お前が作った彫刻の俺・・・・・・お前の手によって作り出される俺自身全てに嫉妬する。勝てる気がしない」
「先生、何言ってるの?」

ユノが、チャンミンの肌蹴た胸に額を擦り付ける。
拗ねた子供のような、でもどこか切なげな顔をしている。

「本当の俺と、お前が作り出す俺・・・・・・どっちが、お前と共有する時間が多いと思う?」
「先生・・・・・・」
「お前に沢山見つめて貰える、紙の中の俺が羨ましい」
「・・・・・・・・・・・・」
「ひとりの時はそれでも構わない。でも俺といる時は・・・・・・俺に構ってくれ。俺に触ってくれよ、チャンミン」

チャンミンは、やっと己の失態に気付いた。
ユノと過ごした証を残す事に夢中になって、二人で触れ合う時間を削り過ぎてしまっていた。

「ごめんなさい、僕・・・・・・」

泣きそうに瞳を潤ませたチャンミンを見て、ユノが優しく笑う。

「俺こそ我儘言って悪い。歳上なのに」

チャンミンは首を振り、ユノにしがみついた。
シャツ一枚だけ纏ったチャンミンの細い身体を、ユノは強く抱き締める。
ふわりと甘い香りがした。

「・・・・・・でも」

チャンミンが、ユノに抱きついたまま呟いた。

「僕やっぱり、証拠が欲しいんです。先生と過ごした証拠が・・・・・・。スケッチじゃなくてもいい。見たときに、先生との時間を思い出せる何かが欲しい・・・・・・」
「チャンミン・・・・・・」

ユノは勿論、チャンミンの創作が自分への愛情の表れだと分かっている。
でも、それに触れ合う時間を取られるのが惜しいのだ。
そして出来上がった、愛情をたっぷりと注がれたであろうもう一人の自分に嫉妬してしまう。
こればかりは、何時になっても割り切る事が出来ない。
あげられる証拠なんて、他にいくらでもある。

「・・・・・・なら、これは?」

ユノはチャンミンの耳元でそう呟くと、首筋に歯を立てて吸い付いた。

「い、やんっ・・・・・・アァッ・・・・・・」

チャンミンが、高く細い声で鳴きながら身体を奮わせる。
ユノは歯と舌で、優しく、時に激しく、首筋から鎖骨までキスを落としてゆく。

「せ、せんせっ・・・・・・」
「そうじゃないだろ?」
「ユ、ユノッ・・・・・・」
「うん、チャンミナ」

暫くして肌から唇を離すと、直前まで吸い付いていた場所、その他にも口付けた場所が所々充血して、赤い斑点がくっきりと浮き上がっていた。
ひとつひとつ、指でなぞりながらユノは微笑む。

「キスマークだ。お前が俺といた証。それと、お前は俺のだって印」
「ユノ・・・・・・」
「寂しくなったら鏡を見て。跡が消えそうになったら、また抱いてやるから」
「うん」
「俺にも付けて、チャンミナ」
「いいの・・・・・・?」
「ああ。俺だって、お前といた証が欲しい」

チャンミンはユノの首元に口を寄せると、躊躇いがちに、歯を立てながら吸い付いた。

「もっと強くていい」
「は、はい・・・・・・」

慣れていないせいで、チャンミンは跡を残すまで少し時間を要した。
場所は考慮したが、万が一の時には・・・・・・

「先生に近づいた人間を、どうか追い払ってくれますように」

そう呟いたチャンミンを、ユノはくすりと笑う。

「心配するな。まず誰にも裸を見せやしない」
「うん」
「・・・・・・なぁ、下にもつけてやろうか?キスマーク」

チャンミンは微笑むことでイエスを示した。

「僕を・・・・・・証拠でいっぱいにして下さい」
「また誘うのが上手くなったな・・・・・・」
「ふふっ」

夜は更けてゆく。
甘いBGMに、二人を乗せて。









END



◇◇◇



飽きないわね、よく書くわねこういうネタ。
そんな皆様の声が聞こえる気がする・・・・・・
いやあ、24時間コスメのチャンミンが美人過ぎてつい妄想に火が!という言い訳をしてみる。
ねぇ、センセイのふたり、卒業後のお話でした。
そういえばミッドナイトガイズのバレンタインデーのお話、3話が一番反響良く・・・・・・
あー、エロだけじゃない。
可愛くラブラブするのも大事なんだって、基本を再確認しました(笑)
ありがとうございます!
変態ですが初心を忘れず頑張ります。
あ、コメへんこれから打ちますので、今しばらくお待ち下さいませ~!



ランキング参加中です♪
気に入って頂けたら、ポチッとお願いします(*^^*)


にほんブログ村

     

人気ブログランキングへ


スポンサーサイト

4 Comments

-  

管理人のみ閲覧できます

このコメントは管理人のみ閲覧できます

2016/02/16 (Tue) 12:24 | EDIT | REPLY |   

-  

管理人のみ閲覧できます

このコメントは管理人のみ閲覧できます

2016/02/16 (Tue) 09:58 | EDIT | REPLY |   

-  

管理人のみ閲覧できます

このコメントは管理人のみ閲覧できます

2016/02/15 (Mon) 23:18 | EDIT | REPLY |   

-  

管理人のみ閲覧できます

このコメントは管理人のみ閲覧できます

2016/02/15 (Mon) 22:07 | EDIT | REPLY |   

Leave a comment