ミッドナイト・ガイズ ~蕩けるchocolate~ 3



















ミッドナイト・ガイズ・表紙


















ユンホさんは最後まで愛してくれたけれど、僕はどこか切なげな表情がずっと気になっていた。
ユンホさんが傷付いた一番の原因は多分、僕がスタッフ全員にはチョコを用意したのに、肝心な恋人のユンホさんには用意しなかったことだ。
売り物でも良いから、代わりのものを用意すべきだった。
でも、本当に正しい選択はそうじゃない。
ユンホさんを心から思うなら、僕の取るべき行動は・・・・・・

「チャンミナ、先にシャワーを浴びておいで」

汚れたリネンを取り去りながら、ユンホさんが言った。

「僕も手伝います」
「いいから」

ユンホさんは傍までやって来ると、僕の頬を優しく撫でた。

「身体、ベタついて気持ち悪いだろ?」
「大丈夫です」
「子供っぽくてごめんね。俺の事、嫌いになって無い?」
「まさか」

首を振ってそう答えると、ユンホさんは小さく笑いながら呟いた。

「君が寛大で良かった」
「・・・・・・・・・・・・」
「さ、行っておいで。片付けくらい任せてくれ」

再び片付けに取りかかるユンホさんの姿を見て思う。
大切なのは、ユンホさんを思う気持ちだ。
ユンホさんが僕を気遣ってくれるように。
つまらないプライドのために、彼を傷付けてどうする。
ユンホさんがこちらに背を向けている隙に、僕はバッグから例のチョコレートを取り出し、そっとベッドの上に置いて部屋を出た。



「はぁ・・・・・・」

暖かいお湯を浴びながら、ため息をつく。
ラッピングだけ綺麗な見かけ倒しのチョコレートを、ユンホさんはどう思うだろう。
恥ずかしいし不安はあるけど、ユンホさんを傷付けたままにするよりマシだ。
シャワーを終えて身体を拭いていると、突然バスルームの扉が開かれた。

「チャンミナッ!」
「うわっ」

バスローブ姿のまま、ユンホさんが中まで入って来る。
片手に、例のチョコレートをもって。
まるっきり裸なのが恥ずかしくて、僕はタオルで身体を覆った。

「これ、君が?」
「・・・・・・そうです」
「でも、さっきは準備して無いって・・・・・・」
「・・・・・・失敗したんです。見れば分かると思います。直前になって、渡すのが申し訳無くなってつい嘘を・・・・・・」
「・・・・・・開けていい?」

僕がこくりと頷くと、ユンホさんは包装を解いた。
チョコレートを一粒取り出して、じっと見つめる。
ハートを象ったシンプルなチョコレートだ。

「何処が失敗なの?綺麗なマーブル柄じゃないか」
「・・・・・・それは本来出来る筈の無かったものですよ」
「この形は、君の俺への気持ち?」

素直に頷くのが恥ずかしくて、僕はただ笑ってユンホさんを見つめた。
口にチョコレートを含んだ途端、それは幸せそうに微笑みながらユンホさんは言った。

「うん、世界一美味い。最高だ」

なんて顔をするんだろう。
いざ渡してみると、あれだけ気にしていた失敗などこれっぽっちも問題にならなかった。
そうだ。ユンホさんはそんな事にとらわれる様な男じゃない。
恵まれた環境に居ながら、奇跡的な程よく出来た人だ。
分かっていた筈なのに、僕には欠点をさらけ出す勇気が足りなかった。
ユンホさんの反応が、僕の望み通り過ぎて泣きそうになる。

「・・・・・・出来は悪いけど、頑張って作りました。貴方が、好きだから・・・・・・」

ボソボソとそう伝えると、顎をくいと持ち上げられ唇を塞がれた。

「ん・・・・・・」
「ありがとう、チャンミナ」
「どういたしまして」
「作ってくれて凄く嬉しい」
「はい・・・・・・」
「・・・・・・なぁ、もう一度、シたい」

僕はゆっくり頷くと、バスローブの上からユンホさんの欲望をなぞった。

「抱いて・・・・・・もう一度」

今度は激しく唇を奪われて、僕も欲求のままユンホさんを求めた。









翌日。
僕はユンホさんの自宅から職場まで送られた。
職場の前に着くと、ユンホさんはニコニコと笑いながら僕に携帯の画面を見せてきた。

「見て。チャンミナのチョコを写メった」
「・・・・・・いつの間に」
「あいつらに自慢してやろうと思って」

あいつらというのは他でもない、バーのスタッフの事だ。
僕は即答した。

「いけません!」
「何故?」
「それは失敗作だし、恥ずかしいから・・・・・。貴方には情けないところを見せても、その・・・・・・彼等の前では出来るだけ・・・・・・格好良くいたいというか・・・・・・」

するとユンホさんは、納得した様にこくこくと頷いた。

「成る程・・・・・・。恋人としての特権を回りと共有するなんて勿体無いよな?」
「・・・・・・・・・・・・」
「これからも、俺だけに可愛い姿を見せてくれ」

僕にチュッと口付けて、ユンホさんが笑う。
甘い雰囲気に包まれて、此処が職場の前だという事も、これから仕事だということも忘れてしまいそうになる。

「・・・・・・もう行かなきゃ」
「ああ」

車から出る手前、僕はユンホさんを振り返った。

「どうした?」
「・・・・・・ホワイトデー、楽しみにしてます」
「え?」
「今度は、僕が貴方を御馳走になりますから」

これは僕からの、大好きのアピールだ。
ユンホさんは面食らった顔をしていたが

「もしかすると、嫌です?」

僕の問いには

「まさか、驚いただけさ。充分に身体を鍛えておくよ」

そう言って笑ってくれた。

「じゃあ、また」
「はい」

僕が歩き出して暫くすると、ユンホさんも車を発車させた。
心が幸せに満たされている。
素敵なバレンタインデーを過ごせたうえ、ホワイトデーにまた新たな楽しみが出来た。
ビルの外壁に映った自分の顔があまりに甘くて、思わず頬をペチペチと叩く。

「しっかり僕。マネージャーの顔に戻るんだ」

気を抜いたら緩みそうな顔を引き締めて、僕はドアをくぐった。









END



◇◇◇



綺麗なマーブル柄~のくだり、ユンホさんは気を利かせたのか意外に天然なのかはご想像にお任せします・・・・・・
エロでしたが他に比べ拍手数振るわないですね。
本番が無いから?
それか食べ物との絡みがタブーなのかしら。
まあ、書いてて楽しかったんで良しです!笑
コメへんずっとしなくてすみませんm(._.)m
明日までにお返し致しま~す。



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3 Comments

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2016/02/16 (Tue) 12:13 | EDIT | REPLY |   

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2016/02/15 (Mon) 00:13 | EDIT | REPLY |   

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2016/02/14 (Sun) 17:33 | EDIT | REPLY |   

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