嫁、買ってみました 5



弁当の評判が良かったことを伝えると、チャンミンは笑顔で喜んでくれた。

「よくできた奴だよなぁ。ホント真面目っつうか・・・・・・」

そう漏らしていると、隣でレゴを弄りながらドンジュが言った。

「ねえ、本当にそう思ってるの?」
「何だよ、お前もそう思うだろ」

ドンジュは呆れ顔で溜息をついた。

「いくら何でも、同じ男相手にここまでする?普通有り得ないよ」
「だから、それが真面目だっつってんだろ」
「分かってないなぁ。お父さん、よく鈍いって言われない?」
「はぁ?」
「それじゃあ見掛け倒しだよ」
「何っ!?お前超生意気」

小さな身体を擽ると、ドンジュはゲラゲラと笑いながら転げ回った。
俺のどこが鈍いのか分からない。
それがチャンミンとどう関係あるのかも、全く分からない。






夜、チャンミンが風呂に向かったあとで俺は気付いた。
先程自分が風呂に入った時、丁度シャンプーを切らしてしまっていたのだ。
俺は特に何も考えず、詰替用のシャンプー片手に風呂場の扉を開けた。

「おーい、チャンミン」
「っ・・・・・・!」

チャンミンは、咄嗟に手で身体を覆い縮こまった。
お湯で濡れた白い肌が、うっすらピンク色に染まっている。
潤んだ目で困ったように俺を見上げ、チャンミンは言った。

「な、なんですか・・・・・・?」
「いやあの、シャンプー切らしてたから・・・・・・」

俺がシャンプーを差し出しても、チャンミンは手で体を隠したまま、受け取る様子が無い。

「そこに・・・・・・そこに置いておいて下さい」
「んああ。わ、分かった」

入口辺りにそっとシャンプーを置くと、俺は扉を閉めた。
なんかマズった・・・・・・?
男同士だからと、何も気にせず扉を開けた。
俺の判断は間違っていない筈だ。
でもあんな反応を・・・・・・まるで女のような反応をされると、とても後ろめたい。
見た目が綺麗だから、余計悪いことをした気分になる。

「何これ。俺が悪いの?え?俺?」

一人ぼそぼそと呟きながら、俺は寝室へ戻った。






今日もソファで眠ろうとするチャンミンに、俺は声をかけた。
ここまで尽くして貰って、それでもソファに寝かせるのは気が引けた。

「あのさ・・・・・・一緒に寝るか?」

チャンミンは完全に硬直してしまった。
顔も耳も、みるみるうちに真っ赤に染まってゆく。

「えーっと、あの、深い意味は無いんだけど・・・・・・ソファって硬いじゃん?いっぱい働いて貰ってそんなとこで寝かせんの、なんか嫌でさ・・・・・・」
「・・・・・・・・・・・・」
「いやさ!ただ並んで寝るだけっつーか・・・・・・ほんと並んで寝るだけでその・・・・・・」

俺、なんでこんな必死に弁解してんの。
恥ずかしい奴。
焦る俺を見て、チャンミンは頬を染めたまま、小さな声で言った。

「いいんですか・・・・・・?そんな贅沢をしても」
「あ、当たり前だろ・・・・・・」






ベッドの上、二人並んで天井を見上げる。
不自然に空いた距離。どこか緊張した空気。
落ち着かない。
チャンミンの初な反応が、俺を困惑させる。

「眠れそうか?」
「どうでしょう・・・・・・」
「まさか、布団臭う?」
「そんな訳ないでしょ」

チャンミンが、クスクスと笑いながら身体を揺らした。

「やっと笑った」
「へ・・・・・・?」
「ずっと緊張してんだもん、お前」
「気を遣わせてすいません」
「謝るこたねーよ」

チャンミンは静かに微笑むと、俺の方を向いたままそっと瞳を閉じた。

「おやすみなさい。旦那様・・・・・・」
「ん」

その綺麗な寝顔を、ずっと見ていたい・・・・・・気がする。
眠れないのは、俺の方かも知れない。








◇◇◇



色々と気付かない鈍男。
最近、読者さまに設定や文字誤りを指摘されることが多いです。
不注意なんですよね、日頃から(^_^;)
教えて頂きありがとうございます。
そして多めに見て貰えると嬉しいです・・・・・・

ベッドに二人で居るのに穏やかに眠る。
うちのサイトではレアな展開ですね(笑)



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2016/01/20 (Wed) 22:17 | EDIT | REPLY |   

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