嫁、買ってみました 3



こいつ、男なのに綺麗に笑うんだな。
見た目だけじゃなく心も綺麗な気がする。
手続きの時俺が希望したタイプは、美人系、身長は関係無し、体格は細めだった。
まぁ、どれも大体合っている。
問題はこいつが男だということ、それだけだ。

「じゃあ、チャンミンって呼ぶか」
「はい。ありがとうございます」

料理をつつくうちに、堅苦しい空気も随分と軽くなった。

「こういうことってよくあんの?間違って嫁にされるとか」
「いいえ・・・・・・。今回が初めてです」
「ふうん。そりゃそうだよな。今迄はどんな仕事してたんだ?」
「うちの会社は、恋人や友達、家族など幅広く提供していますから・・・・・・弟役、友達役を経験してきました。それ以外は、まだ・・・・・・」

それを聞いて驚いた。

「おま、よくそれで嫁やる気になったな」

恋人役や旦那役すら経験した事が無いのに、男でありながら嫁役をさせられるなんてハード過ぎる。

「仕事ですから・・・・・・」

チャンミンは俯いてしまった。
控えめなその態度を見ていると、つい弄りたくなってしまう。

「じゃあさ・・・・・・俺が、キスとかセックスしたいっつったらやらせんの?」
「え・・・・・・」
「だって俺ら、設定上は夫婦な訳だし」
「そ、れは・・・・・・」

チャンミンは黙り込んだあと、躊躇いがちに言った。

「旦那様が、お望みならば・・・・・・」
「へぇ・・・・・・」

マジかよ。

「辛くない?この仕事」
「生きるためですから」
「なんか、聞いてごめんね」
「いいえ」

また沈黙が落ちた。



夜になると、チャンミンはリビングのソファに丸まって眠った。
設定重視というから、同じベッドで寝るかも知れないと身構えてしまった。
ほっと胸を撫で下ろしつつ、少しだけ残念に思う俺が居る。

「何故悔やむ、俺」

首を傾げながら一人呟く。
チャンミンの寝顔を見つめた後、俺は音を立てないよう、そっとリビングの扉を閉めた。









―――翌朝。

「旦那様、旦那様・・・・・・起きて下さい」

控えめに俺を呼ぶ声に起こされた。

「ん~・・・・・・?」

ゆっくりとまぶたを上げると、二重の丸い大きな目が俺を見ていた。
ああ、そうそう。こういうシチュエーションが好きなんだ。
目覚めた時に目が合う、この甘い感じ。
身体を引き寄せそうになり、俺ははっとした。
そうだ、こいつは男だった。

「サンキュ。寝坊するとこだった」
「朝食を準備しました。ダイニングで待ってます」

チャンミンはそう言って微笑むと、部屋から出て行った。
今日もフリルエプロンを身につけている。
違和感なく似合ってしまうのは、可愛い顔立ちのせいだろう。
朝食は見た目味とも、文句の付けようのない完璧な出来栄えだった。
スーツに着替えている途中、俺は皿洗いをするチャンミンに呼びかけた。

「ちょっと来てくれー」
「どうしました?」

小走りで駆けてきたチャンミンにネクタイを渡す。
俺はこの作業が苦手でならない。
長年続けているが、不器用なせいでなかなかスムーズにいかないのだ。
これくらい、頼んでもいいよな・・・・・・

「ネクタイ、結んでくれないか」
「かしこまりました」

ネクタイを手にしたチャンミンが、俺の首に両腕を回す。
無駄の無い動きでネクタイを結び、襟を正すと俺をチラリと見上げた。

「出来ました」
「あんがと」

チャンミンは、至近距離で見つめてもやっぱり綺麗だ。
上目遣いも中々いい。
いやいや、こいつは男だ。
しっかりしろ俺。

「じゃあ・・・・・・行って来ます」
「行ってらっしゃいませ、旦那様」



家の外に出ると、俺は溜息をついてぼそりと呟いた。

「男じゃなきゃなぁ・・・・・・」









◇◇◇



皆様、沢山の拍手とコメントをどうもありがとうございますm(_ _)m♡(コメントは週末にまとめてお返しします)

今日雪凄かったですね・・・・・・!
私は仕事が休みでしたから、家に篭って小説ポチポチしてましたが、皆様の地域は大丈夫でしたか?
少しでも被害が少なく済みますように。

食欲が爆発する時みたいに、今創作欲求が超爆発しています。
連日、同日で沢山お話UPしてしまい、お目汚し済みません。
私の話が目立ちやすいところにあるとびくびくするなー。
凄く嬉しいんですけどね!
暫くしたら更新落ち着くと思いますので、暖かく見守って下さいね。



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2 Comments

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2016/01/19 (Tue) 15:27 | EDIT | REPLY |   

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2016/01/19 (Tue) 00:51 | EDIT | REPLY |   

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