ユンホ店長の恋 ~さわるな、キケン。~

  28, 2015 20:37


駅のホームは、電車を待つ人々で溢れかえっている。
時間の経過と共に更に人が流れてきて、遂に身動きが取れなくなった。
俺は隣のユンホさんの腰を抱いた。
はぐれてしまいそうだし、男同士でくっついていてもこんな人ゴミの中じゃ目立ちはしないだろう。

「大丈夫?」
「うん。ありがと」

そう言って笑うユンホさんの顔は何時もより赤い。
今日は二人とも早く仕事が終わったので、夕方から飲みに出掛けた。
帰りの時間が丁度帰宅ラッシュと被ってしまい、今更タクシーにすれば良かったと後悔した。
ぎゅうぎゅうと押し寄せる人ゴミに苛つき、俺は舌を鳴らした。
俺とは対照的に、アルコールが入り上機嫌のユンホさんは、口元を緩ませてニコニコと笑っている。
電車が到着して、人の勢いに押し込まれるように乗車した。
俺はユンホさんの腰を抱いたまま壁際に移動した。
ユンホさんが人と密着するのを出来るだけ避けたかったのだ。
しかしこんな状況では、完全にそれを防ぐのは難しい。
壁に面した反対側は、どうしても人と密着するかたちになってしまう。
ユンホさんの正面には、スーツ姿の中年男が向かい合わせに立っている。
スラックスからはみ出た下っ腹がユンホさんに押し付けられているのを、俺は無言で見つめた。
満員電車で仕方無いとは言え、やはり不快だ。
かなりの至近距離で他人と向かい合わせ。
そんな状況が気まずいのか、ユンホさんも横を向いている。
腰を抱く手に力を込めてユンホさんに視線を送ると、ユンホさんも俺を見て笑みを浮かべた。
電車が発車して数分後、その出来事は起こった。
車体が大きく揺れた瞬間乗客も一斉に揺れ、ユンホさんの正面に立っている男が前のめりになった。
咄嗟に出た男の手が、ユンホさんの胸に押し付けられた。
俺は目を見開いたままフリーズしてしまった。
いくら不可抗力でもこれは許しがたい。
そこに触れていいのは俺だけなのに・・・・・・
男の手を叩きそうになるのを、ぐっと堪えた。
直ぐに手が引かれれば、俺はそれを見逃すことが出来ただろう。
しかし男は、直ぐに手を退けなかった。
もう電車は揺れておらず、体勢は安定しているにも関わらずだ。
そして俺は見た。
手が胸を揉むように動き、男がイヤらしく笑うのを。
同時に、目を瞑り苦痛の表情を浮かべるユンホさんを見た途端、俺は遂に理性を失った。
男とユンホさんの間に腕を突っ込み、掌を勢いよく壁に着いた。
バンッと大きな音が鳴り響いた途端、回りの乗客が小さな悲鳴を上げたが、そんな事を気にする余裕など無かった。

「おい」

男を睨みながら声を発すると、唸るような低い声が出た。
怒りのバロメーターは、完全に振り切れてしまっている。
男はひいっと声を漏らすと、物凄い勢いで手を引いた。
俺は男とユンホさんの間に割り込み、接触を阻んだ。
そしてそのまま、ユンホさんの首筋に顔を埋めた。
男に見せ付けるようにして。

「チ、チャンミン・・・・・・?」

ユンホさんの戸惑う声が聞こえてきて、俺は耳元に口を寄せ囁き声で伝えた。

「いいからじっとして」
「は、はい・・・・・・」

足の割れ目に太股を挟んで上下に擦ると、ユンホさんが身体を震わせた。

「チャンミン・・・・・・や、止めてっ・・・・・・」
「嫌だ」

言葉とは裏腹に、細い指先は俺を求めるかのように、腕にすがり付いてくる。
そうだ、これが正解だ。
俺しかこの人に触れちゃいけない。
俺だけが、この人に求められる権利がある。
沢山の人に埋もれながら、俺はユンホさんとの触れ合いを目の前の男にひっそりと、しかし確実に見せ付けた。
横目で男を睨むと、案の定顔を紅潮させながら、食い入るようにしてこちらを見つめていた。
丁度電車が停車して、扉が開いた。

「消えろ。今すぐ」

低い声でそう呟くと、男は大慌てで扉の外に姿を消した。
本当は、フルボッコにして警察に放り出してやりたい。
でも男であるユンホさんの立場を考えると、俺は渋々罪を見逃すしか無かった。









許せねぇ。あのクソオヤジ。
やっぱり、追いかけて一発殴ってやりゃ良かった。
苛々全開で駅からの帰り道を歩いていると、少し後ろを歩いていたユンホさんが、躊躇いがちに話しかけてきた。

「・・・・・・チャンミン、何で怒ってるの?」

理由くらい分かれよ馬鹿。

「さぁ」

ユンホさんにすら、優しくする余裕が無い。

「俺のせい・・・・・・?」

か細い声に振り返ると、ユンホさんはしょんぼりしながら、歩みを止めて俯いていた。
そんな顔をさせたい訳じゃ・・・・・・悲しませたい訳じゃない。
胸がツキンと痛んだ。

「違うよ」

俺はユンホさんの手をさらい、自分の手と纏めてポケットに突っ込んだ。
ポケットの中で指を絡め取ると、ユンホさんも俺の手をぎゅっと握り締めた。
ユンホさんは先程の寂しそうな顔とは一転、嬉しそうに口元を緩めている。
俺は襲いたい衝動を必死に押し殺した。

「気付いてる?自分が痴漢にあったって」
「・・・・・・あのおじさんの事?」

さん付けとか有り得ねぇ・・・・・・
前言撤回。
この人の無防備さに、全く腹が立たないと言ったら嘘だ。
俺の前で無防備なら構わないが、他の奴にもそうなんて絶対許せない。
一人苛々を持て余していると、ユンホさんがポツリと呟いた。

「やっぱり・・・・・・あれ痴漢だったのか」
「あったり前だろっ!?」

つい声を荒げてしまった。

「もしかしたらって思ったけど・・・・・・俺男だし、勘違いかも知れないしさ・・・・・・そう思うと、直ぐに抵抗出来なかった」
「しろよ馬鹿」

ユンホさんは暫く黙り込んでから、再び口を開いた。

「チャンミン、守ってくれてありがと」
「別に、あんなの・・・・・・」
「俺、駄目だね。鈍くさくて」
「・・・・・・・・・・・・」

ユンホさんに視線を向けると、泣きそうな顔で笑っていた。
俺は、鈍くさくて人を困らせるとこも全部ひっくるめてあんたが好きだ。
だから、そのままでいい。
でも、そんな小っ恥ずかしいこと言える筈もない。

「いい。気にすんな。俺が守るから・・・・・・」

その台詞さえも、顔を見ては言えなかったけど・・・・・・

「・・・・・・チャンミン、好き」

笑みを浮かべたユンホさんが、俺の肩に頬を擦り寄せながら呟いた。
ああ・・・・・・
一秒でも早く襲いたい。











アパートに着くや否や、俺はユンホさんをドアに張り付け、厚い唇を貪った。
鼻にかかったユンホさんの声が、口付けの合間に漏れてゆく。
唇を離さずに、首筋から胸まで激しいキスを落とした。

「はぁ、ん・・・・・・チャン、ミン・・・・・・」

ぷっくりと立ち上がった突起に吸い付きながら、俺は呟いた。

「あの時、見せつけてやりたかったんだ・・・・・」
「え・・・・・・?」
「あんたは、俺のものだって・・・・・・」

ユンホさんは息をつきながら、それはもう、甘い声で言った。

「馬鹿だなぁ・・・・・・。そんなことしなくても、俺はチャンミンのものなのに」

弧を描いた唇を再び塞ぎ、柔らかい身体を力一杯抱き締める。
エロく乱れる姿を見せて。俺だけに。
今夜は、絶対寝かせない。









END




◇◇◇



久々にユンホ店長でした♪
寒いから、アツアツの二人であったまってください(*´ω`*)



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Comment 11

NB(のぶ)  

葉○さま

こんばんは!
返信遅れてしまいすみません(>_<)
そうですよねぇ。
私サイト始めて気付きましたが、変態を隠している方が多いな、と(笑)
こうしてオープンに話す機会もあまり無いですからね。
私も楽しいです♡笑
分かりますよ~
なーんか、その物とは真逆なものと掛け合わせたりすると萌えますよね。
チャンミンとブスな男とか、そうそう、強い筈のユノが弱ってしまう状況を強いられるとか(^o^)
いかんいかん、批判されちゃいそうなのでこの辺にしときます~(笑)

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NB(のぶ)  

Re: No title

あ○さま

こんばんは!おひさしぶりです。
また話しかけて頂き嬉しいです♡
そうなんです、ユンホさんがぽやぽやしてるので余計束縛というか、独占欲がおっきくなっちゃうんですよね。
この二人ならそれも萌えに変わっちゃいます(*´ω`*)
あ○さまのこと癒せて良かった~♪
ドンヘの思いは・・・・・・どうかなぁ。
確かにちょっと可愛そうですよね。
彼には店長を奪うという野望が無いので・・・・・・
告白するとしたら、彼自信にちゃんと余裕が出来た時かも知れません。
例えば、ドンヘにも心から愛せる恋人が出来るとか(^_^)

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NB(のぶ)  

Re: No title

かお○んさま

こんばんは~!
うふふ、ユンホ店長のコトになるとチャンミン怖いです。
おじさんも怖い彼氏の存在に気付かずやっちまいました。
うんそう、以外と柔らかかったんです。
そして男だからちょっとは許されると思ったのかも。
ユノは顔が綺麗だし(^_^)
おじさん憎らしくも羨ましい(笑)
都会の満員電車って本当に辛いですよね。
痴漢かどうかも分からない状況によくなります。
それでもliveに行きたいんですよね♡
ラブラブであったまって頂けましたか?うふふ~(*´ω`*)

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NB(のぶ)  

Re: タイトルなし

Pe○nu○さま

とんばんは♡いらっしゃいませ~!
はわわ、勿体無いお言葉ばかりで恐れ多い・・・・・・
そうですね、たまにはそういう事もあります。
お話の好みもありますし、後味は大切ですよね。
ユンホ店長は痴漢に気付かないタイプ、共感して頂けて嬉し~(^^)
多分イヤミとかちょっとした嫌がらせも、気付かないでスルーしちゃう事あると思います彼。
嫌いとかのネガティブな感情じゃなく、好きだからこそのイライラって萌えませんか♡フフ!
落書き好きなタイプでしたか?
良かった~(>_<)本当にイラストは好き嫌い別れますから・・・・・・
頑張って描いたので、是非受け取って下さい♡

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NB(のぶ)  

Re: No title

ちゃー○んさま

こんにちは♪
まず初めに言わせて下さい、全く不快な思いはしていませんよー(>_<)
私の方が誤解を招くような返信をしてしまいすみません。
本当にただただ、同じファンという目線で、変態も込みで(笑)いつも楽しくお話出来るのが嬉しいです。
コメしたいと思われましたら、遠慮せず好きなだけお願いします!
コメント欄にお名前見つけると、私はハッピーな気持ちしか私はありませんから♡
これからも何時でもお待ちしています!
おじさんの気持ちにも共感して頂けるとは、さすが会員さまです(笑)
私もおじさんの役やりたいですもん♡
ユノのおむねに触りたいです、チャンミンにも睨まれたいし、アヤシイいちゃつきをみせつけられたい。
つまり私の欲求を全てお話に詰めました、はは(笑)
楽しんで頂けたようで良かった~♡

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NB(のぶ)  

Re: タイトルなし

ゆ○んさま

こんにちは♡
元気ですよ~
気を抜くと泣きそうになる時もありますが・・・・・・
特にチャミの切ない系のソロを聞くと駄目です。
ユノチャミが笑っているから私も元気でいなきゃ!と自分を励ましています。
ゆ○んさまも、励ましのお言葉をどうもありがとうございます。
こんな私ですが、復活までお付き合い頂けたら嬉しいです~

私のミンホ作品には共通になってきてますが、チャミは狂気めいてますね。
そんなチャンミンがユノを責めるのが好きなんです!
ユノはどんな役をやらせても元のユノの色が消えにくい印象ですが、男らしいキャラの他にやらせるなら、やはり店長みたいなちょっと抜けているお馬鹿ちゃんがハマると個人的には思います。
前から言ってますけどね、しつこくてすいません!

私もチャンミンに同化したいです。
いやもう、痴漢オヤジの役でもいいからやらせて欲しい(笑)

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