Humanoid ~この恋は永遠に~ 7



バーへ行った次の日はよく晴れた。
僕は少し早く起きて、洗濯機を回した。
テラスへ出て洗濯物を広げると、揺れた空気が脇に咲いている桜に伝わり、花びらがひらりと舞った。

「おはよ……」

その声に振り返ると、起きたばかりのユノがぼんやりとした顔で立っていた。

「悪い、起こした?」
「いや……。綺麗だな」
「うん。もう満開だ」

桜は見頃の時期に入った。
昨晩は僕の失態でぎくしゃくしたが、今は普段通り話せていると思う。
忘れてくれと言った僕の言葉を、ユノは守ってくれるつもりなのだろう。
ほっとする気持ちが半分と、無かったことにされるのが寂しい気持ちが半分。
ユノが僕を好きになる訳ないのに。
友達で満足するんだろ。自分に言い聞かせた。

ユノと出会ってから、今日で三週目になる。



年度末が近づき、会社では社員が業務に追われている。
バイトは比較的楽だが、社員の仕事を手伝わされると仕事が増えて帰りが遅くなる。
最近、毎日ではないが遅く帰る日が増えた。
ユノとあと二週間程しか一緒に居られないのに。
僕は手伝いをしながら、毎回心の中で不満を漏らしていた。



「そうだ……。もう無かったんだ」

帰宅後、冷蔵庫を開けるとビールが一本もなかった。
今日帰りに買ってこようと思っていたのに忘れていた。
ユノが僕の後ろから、冷蔵庫を覗き込んだ。

「ビール無いの」
「うん」
「買い行くか」
「いや……いい。今日疲れちゃったから」

社員の手伝いは慣れない仕事をこなすだけじゃなく、普段関わらない人ともコミュニケーションを取らなければならない。
精神的にも体力的にも疲れていて、これから外に出る気力は無かった。

「俺、買い行ってもいいけど」
「大丈夫。ここに居てよ」

共に過ごせる時間が限られているのだから、できるだけ一緒にいたい。
ユノは、少し驚いた顔で僕を見た。

「僕、なんか変な事言った?」
「いや……。何も」

すっと立ち上がると、飯食おうぜと言って部屋へ消えてしまった。
今、何を思ったのだろう。
ユノは気持ちが態度に現れ易いから、考えていることがすぐに解る。
だけど今は、心が見えなくて少し不安になった。






翌朝、家を出る前ユノに呼び止められた。

「チャンミンが帰ってくる前に、ビール買っとくぜ」
「いいのか?」
「おう」
「ありがとう」

僕は、ユノにビール代を渡して家を出た。










◇◇◇



UPする度、沢山の訪問、拍手をありがとうございます。
特に何の進展もない内容だな.....すみません(^_^;)





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