カラダノキオク ~ BOYS BE… ~ 2

  12, 2015 08:05


















カラダノキオク・表紙















嫁さんは離婚してすぐ、両親の都合で遠くへ引っ越したらしい。
家族同士で話し合って、嫁さんとドフンを積極的には会わせない方針になった。
嫁さんはユノと離婚して以来、ドフンには会っていないそうだ。

「・・・・・・でも、やっぱり会いたいんだと」
「そっか・・・・・・」
「言われた時はかなり迷った。でも・・・・・・あいつの母親としての気持ち考えたら、やっぱり会わせてやりてーと思ったんだ。ドフンは嫌みたいだけど」

俺は黙って話を聞くことしか出来なかった。
嫁さんとドフンのことは、家族で解決すべき問題だ。
俺が口を出しちゃいけない。そう思って遠慮した。
俺はユノの恋人だけど、家族じゃない・・・・・・






週末になり、俺はユノのマンションへやってきた。
玄関に入ると、泊まり用のバッグを下ろして溜息をついた。
これ迄は幸せな気持ちしか無かったけど、今は嫁さんという話題が常に頭に付き纏って、いつも悶々としている状態だ。
リビングへ足を運ぶと、ユノとドフンが話している最中だった。
ユノはドフンの前に屈み、小さな肩を両手で支えている。
切羽詰まった顔をしていて、俺が入って来たことにも気づいていない。

「どうしてぼくにはママが居ないの?」
「ドフン、それは・・・・・・」
「なんでママと別れたの?ねぇどうして?」

ドフンは顔をしわくちゃにして泣いた。

「パパはぼくが寂しくてもいいんだっ」
「違う、そうじゃない!」
「パパもママも嫌い!大嫌い!」
「ドフン・・・・・・」

ドフンはユノの手を振り切ると、リビングから走り去ってしまった。
ユノは一点を見つめたまま茫然としている。

「・・・・・・ユノ」

声を掛けると、ユノは俺の方を向いてぼそりと言った。

「来てたのか・・・・・・」

何があったのか、もう大体分かった。
ドフンはこの前から様子がおかしかった。
学校での嫌がらせはきっとまだ続いていて、ユノに八つ当たりしたのだ。

「ドフンのとこ・・・・・・行ってくる」

俺は一旦、リビングから立ち去った。



「おい、返事しろって」

ドフンは布団にくるまったまま、ろくに口も聞いてくれない。
布団を剥ぐと、涙まみれのドフンと目が合った。
途端に胸が締め付けられて、俺はドフンを強く抱き締めた。

「は、離せっ」
「離さない」
「離せ離せっ・・・・・・」

ドフンは俺の腕を叩いて、必死に抵抗しようとする。
俺は小さな身体を更に強く抱きしめた。

「ドフン、お前の気持ちはよく分かる。ちゃんと・・・・・・分かってるから」

やがて抵抗を止めたドフンは、ひくひくと嗚咽を上げ始めた。
俺にしがみついて、声を上げながら暫くの間泣き続けた。






リビングに戻ると、ユノはぼんやりとしてソファに腰掛けていた。
スーツを身に付けたままで、ネクタイすら解いていない。

「ドフン、寝たよ」

声をかけると、ユノはぽつりと呟いた。

「親が居なくて寂しい気持ちは、俺もよく分かってんだ」
「・・・・・・・・・・・・」
「それなのに、何であいつにも同じことしちまうんだろ・・・・・・」

ユノは普段、弱い自分を見せない。
だけど子供のことになると、精一杯なのが見ていてよく分かる。
それはドフンと真剣に向き合っている証拠であり、ユノが追い詰められている証拠でもある。
落ち込んでいるユノを見て思った。
俺は、弱みを見せてくれたユノを傍で支えてあげたい。
少しでも、助けになりたい。

ソファに腰を下ろすと、俺はそっとユノに凭れた。

「大丈夫。ユノがドフンのこと大好きだって、ちゃんと伝わってるよ」
「そうか・・・・・・?」
「うん」

ユノの手を握ると、ユノも俺の手を握り返した。

「ガキの頃って、親のこと良くわからないだろ。だからつい我が儘言うんだ。でも・・・・・・しっかり向き合ってれば、気持ちは必ず伝わるから」

ユノは俺を見つめると、小さく微笑んだ。

「ありがとな。ちょっと元気出た」






翌朝、俺は仕事に行くユノを送り出した。

「ドフン、行ってくるかんな」

ユノはドフンに声をかけたが、ドフンはそれに応えなかった。
家には俺とドフンだけが残された。

「ミンの目玉焼きおいしい」

ドフンが朝食を頬張るのを見ていた。
ドフンは本気でユノを嫌っている訳じゃない。
信頼しているからこそ、求めるものが多いのだ。
でも、このままじゃユノが辛くなる。
俺はあることを思いついた。

「なあ、それ食い終わったら遊び行くか」
「行く!」

ドフンは笑顔で頷いた。



外へ出る直前、ドフンはポケットにボールを入れた。

「お、いいな。キャッチボールやるか」

ドフンはぼそりと呟いた。

「パパが・・・・・・いつもこれで、遊んでくれるから」

ほらな。
嫌いな訳ない。






二人で遊んだ帰り、俺はドフンを連れてある場所へ向かった。
目的の場所へ到着すると、ドフンは大きな建物を前に興奮した様子で言った。

「すごい!おおきい」
「警察署来るの、初めて?」
「うん」

その時、署のゲートをパトカーが通り抜け、入口の前に停まった。
パトカーから男が出てきて、警官に誘導されながら署に入っていく。
俺とドフンは、その様子を遠くから見ていた。

「パパ・・・・・・」

ドフンが呟いた。
誘導している警官はユノだった。
途端に男が拳を振り上げ、ユノは機敏な動きでそれを制止した。
真剣な顔つきでやりとりすると、再び歩き出して署の中へ姿を消した。

「パパ大丈夫かな。ミン、助けにいこう?」

ドフンは、不安げに瞳を揺らして言った。
子供に見せるには、刺激の強い場面だったかもしれない。

「大丈夫、問題ない。父ちゃん、めっちゃ強いんだぜ」
「ほんと?」
「うん。心配すんな」

俺達は警察署を後にした。

「なぁ、ドフン」
「ん?」
「父ちゃん、何であんなに頑張ってると思う」
「お仕事が好きだから?」
「確かにそれもあるな。でも・・・・・・一番はお前の為だ」
「ぼくの為?」
「そう。お前のために頑張ってる。父ちゃんはそう言ってた」

俺がそう言うと、ドフンは嬉しそうに笑った。






「ただいま」

ユノの声が聞こえて来ると、俺とドフンは玄関へ向かった。

「言えるな?ドフン」
「うん」

ドフンがユノの前まで歩いて行くのを、俺は後ろからそっと見守っていた。

「パパ・・・・・・」

ドフンが呼びかけると、ユノは驚いた顔でドフンを見た。

「このまえは・・・・・・怒ってごめんね?」

ユノは瞳を揺らして涙ぐむと、床に膝を着いて無言でドフンを抱きしめた。
なかなか顔を上げないユノに、ドフンが聞いた。

「パパ、どうしたの?」
「ううん・・・・・・。何でもねーよ?」

ユノは泣いているのだと分かった。
その情景が幼少期の思い出と重なり、知らず知らずのうちに俺も泣いていた。









◇◇◇



パパ、良かったね。
でも何もしてないね?(笑)
(まぁでも、28のバツイチ男が子育てってかなり大変だとは思います)
過去のデキ婚といい、駄目さ加減が容赦ないユンホさん。
そんな彼に付き合ってくださる読者さまには頭が下がる思いです。
どうやって挽回させるかおおかた決まってますが、何となくウケない気がしています。
ダメんホ、本当に大丈夫か!
本編がかなりウケただけに不安しかありません(笑)
ユンホさんとは対照的によくできた嫁です。
あ、チャンミンのことです。
次回元嫁が登場します。

あまり長くならなそうな気がしてきた。
多分、四話か五話くらいで終わります。
相変わらず長期連載が苦手であります。



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Comment 11

NB  

Re: タイトルなし

no○zoさま


こんばんは♡
ドフンの父ちゃんめちゃ強いんだぜー!
そんな風に、友達の間でユンホ父ちゃんのうわさが流れていたら萌えます♡
BUTのユンホさんですね?
はだけたお胸が素敵な……
あーんもう、私も回し蹴りしてっ!!
あれは格好いいですよね~本当

実際、ユンホさんのようなお巡りがいたら異常ですね。
今まで生きてきて、一度でもイケメンの警官に会っただろうか。

私も話したがりなので遠慮しないで下さいね♪
逆に、いつも返事が遅くなりすみません(T_T)

タニマチって無償スポンサーですか?(調べた)
お気持ちだけで本当に嬉しいです~
ありがとうございます!

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Re: タイトルなし

ゆ○んさま


コメントありがとうございます♪
妄想してたら、私も思わず泣きそうになりました。
馬鹿みたいに妄想に浸るのが大好きです(^_^)

ドフンはきっと立派な子供に育つでしょうね~

少しでも、心をシアワセ色に染められたのであれば光栄です♡
これからも頑張ります!

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Re: タイトルなし

ゆ○んさま


コメントありがとうございます♪
妄想してたら、私も思わず泣きそうになりました。
馬鹿みたいに妄想に浸るのが大好きです(^_^)

ドフンはきっと立派な子供に育つでしょうね~

少しでも、心をシアワセ色に染められたのであれば光栄です♡
これからも頑張ります!

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Re: 更新が楽しみです

ちゃー○んさま


いつもありがとうございます♡
チャンミン、出来すぎかな、上手く行き過ぎかな、と思いましたが……
BLは夢の世界ですからね♡(そこで済ませようとする)

二人のあれこれ見ちゃうネタは……
今後あるかな?
ふふふ。お楽しみに♪♪
男同士に戸惑うとなると、少し歳を重ねたくらいの設定でしょうか?
いつかそんなのも書いてみたいなぁ(^.^)

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Re: タイトルなし

ha○koさま


初めましてm(__)m
連載読んで頂きありがとうございます。
ドフンが葛藤する話、書いてみたいですね!
ストーリーはぼんやり浮かんではいるのですが、書くかは分からないです。
描写が難しそうっていうのと、葛藤する歳になった頃には、ユンホ父ちゃんがかなりオヤジという問題があります(笑)
もし書くことになったら、その時は是非お付き合い下さい♡

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Re: 調子にのって。。。

けん○ちさま


コメント下さりありがとうございますm(__)m
おそれ多いとかそんな……
普通の感覚でお願いしますよ~♪
私、人より妄想が好きでちょっと変態な、ただの一般人であります。
あまり誉められると、嬉しいのにどうして良いか分かりません(笑)
文章力は全然ないですよ(T_T)
国語の成績一番悪かったんです。

イラストは、もう少し男っぽく描きたいのにいつも難しいです。
でも甘酸っぱいって、そんな風に感じて頂けて嬉しいです♪

本編は、もうすでにチャンミンに助けられっぱなしのユンホ父ちゃんですね。(笑)
書いていると、チャンミンが愛しくて堪らなくなります。
ユンホさんにはベッドの上で挽回してもらいましょうか……(笑)

勿体無いお言葉を沢山頂き、恐縮です。
これからも是非、一緒にムラムラしましょう♡
コメントもお待ちしています!

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hamako  

本編も番外編も楽しんで読んでます。
いつかドフンが父ちゃんとミンが付き合ってるのに気付いたり葛藤したりするのでしょうか?そんな先の番外編もお願いします!

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