カラダノキオク 11


















カラダノキオク・表紙
















 子供の世話を放棄し、女と交遊した件について。
 お前に子供を育てる資格はない。
 よって、チョン・ドフンを誘拐する。
   

 シム・チャンミン






メールと一緒に、先ほど撮ったユンホさんと女の写真を添付して送信した。
家とは逆方向に歩き出した俺を見て、ドフンが不思議そうな顔をした。

「ミン、どこいくの」
「どこ行こうか。好きなとこ連れてってやるよ」
「ゆうえんち!」

何も知らずにはしゃいでいるドフンがとても愛おしく、かわいそうに思えた。
俺はドフンの頭を撫でると、小さな身体を強く抱きしめた。

「どうしたの」
「なんでもない・・・・・・」

ユンホさんは、俺のこともドフンのことも裏切った。
許せない。
でも、やっぱり嫌いになれない。
だから、いつも苦しい。



電車に揺られ、俺達は都心部にあるテーマパークに到着した。
夜遅いため、テーマパークはもう閉店してしまっていた。
ライトアップだけは続いていたので、近くの高層ビルに入り展望台で夜景を眺めた。
広いホールを囲う大きな窓の外、無数に散りばめられた都心の光がキラキラと輝いている。
ドフンは窓の傍まで駆けて行くと、興奮した様子で言った。

「たかい!」

はしゃぐ姿を後ろから見守っていると、ポケットの中の携帯が着信を告げた。
ユンホさんからだった。

「・・・・・・もしもし」
『今どこにいる』
「さぁ」
『頼む。教えてくれ』
「ドフンは大切な存在なんだろ。自分で探せよ」

丁度その時、館内放送が流れた。
閉館時刻の案内だった。
二十四時でこの展望台は閉まるらしい。
もうすぐ、二十三時を回ろうとしている。

「あと一時間だけ待ってやる。それでも探し出せなかったら、お前は父親失格だ」
『・・・・・・分かった。絶対、探し出してみせる』
「そう。頑張って」

俺は、通話を切るとドフンの隣に並んで言った。

「父ちゃん、まだ仕事終わらないって」
「えー・・・・・・。おそいよお」

寂しそうに口を尖らせたドフンを見て、ユンホさんと切り離してしまったことが後ろめたくなった。
ふと冷静になって考えてみた。
ドフンにとっての一番の幸せは、事実はどうであれ父親のユンホさんと一緒に過ごせることだ。
じゃあ、ユンホさんにとっての幸せは?
子育てと仕事に追われて、息抜きも出来ない毎日が続いていることだろう。
女と遊んで楽しむ時間だって、そりゃ欲しくもなる。
誰かに子どもを預けて、少しの間でも自分を自由にしてやること。
それは家庭を支えている親にとって必要なことだ。
今回の事は、きっとそこらの家庭じゃ珍しくも何ともない普通の出来事だ。

俺が自分本位で勝手に怒っただけ。
ユンホさんに、失恋したから・・・・・・
頬を伝った涙を乱暴に拭った。






二十四時が近づくと、ホールには誰も居なくなった。
ベンチに腰掛け、俺はドフンを後ろから抱きしめていた。
ドフンは最初はしゃいでいたが、今はすやすやと眠ってしまった。

「やっと・・・・・・見つけた」

背後から声が聞こえてきて、俺は振り返った。
ユンホさんが、息を切らしながら立っていた。
この人なら来ると思ってた。
電話でユンホさんが必ず探し出すと言った時に、もう確信していた。

「さすが警官だな」
「館内放送流れてたろ。あれで分かった。その辺の展望台……走って回った」
「お疲れ様」

俺は、ドフンをベンチにそっと寝かせると立ち上がった。

「少しは楽しめた?」
「あんなの楽しくもなんともない。あの女は上司の娘で、頼まれて仕方なく付き合っただけだ」
「意外と忠実なんだね」
「良い関係保ってた方が仕事も上手くいくんだよ」
「警察恨んでたあんたが、仕事にそんなに執着するなんてな」
「ドフンが居るのに、職失わけにはいかないだろ」

ユンホさんの真剣な顔を見て、嘘じゃないと分かった。
でもユンホさんと女が一緒に過ごすことを、俺が悲しむとは考えてくれなかった。
ユンホさんはきっと、俺を好きじゃない。

「ドフンのためだったなら・・・・・・許す」

子供の存在を出されると、俺は反論できない。
ドフンの気持ちがよく分かるし、ユンホさんの気持ちも分かりたいと思う。
ユンホさんへの想いは、押し込めるしかない。

「帰る」

去ろうとする俺の腕を、ユンホさんが掴んだ。

「家まで送る」
「いい」
「終電もうないだろ」
「あんたと一緒に居たくない。歩いて帰る」
「・・・・・・・・・・・・」

ユンホさんは、財布から札を取り出して俺に差し出した。

「タクシー代、もってけ」

タクシー代にしては高い額だ。
これは、何に対して払われた金なんだろう。

「いらない」
「いいからもってけ」

札を手に握らされた瞬間、俺の中で何かが切れた。
溜め込んでいた思いが、一気に爆発した。

「ふざけんなっ!」

札をぐしゃぐしゃに丸めて、地面へ叩きつけた。
涙腺が崩壊したかのように、次々と涙が溢れてくる。

「俺はドフンのベビーシッターか!?あんた専属の風俗野郎か!?金欲しくてやってんじゃねーんだよ!」

ユンホさんが驚いた顔で俺を見ていたが、もう止まらなかった。

「抱かれたのも、ドフンの世話してたのも全部・・・・・・あんたのこと好きだからっ・・・・・・」
「・・・・・・チャ」
「触るなっ」

ユンホさんが俺に手を伸ばしたが、俺はそれを振り払った。
この人は、思わせぶりな態度を取ってはいつも俺を突き落とす。
もう、傷つくのは懲り懲りだ。

「疲れたよ・・・・・・。あんたと居るの」
「・・・・・・・・・・・・」
「さよなら」









ドフンの面倒を見たり連れ回したりしているうちに、俺は自分の目的がよく分からなくなった。
始めは純粋にドフンのことを助けたいと思っていた。
でも今は、ユンホさんを想う故に利用していたような気がしてしまう。
叶わぬ恋を前にして、これからもこのジレンマと戦うなんて耐えられない。
期待して落ち込んで、その繰り返しにも疲れてしまった。

もう、ユンホさんには会わない方がいい。
こみ上げる嗚咽を耐えながら、俺は夜道を歩き続けた。









◇◇◇



お金渡すとか、本当ダメんホ……
しっかりしろ~!
取り敢えず、浮気疑惑は晴れました。
頑張って次回挽回……できるのでしょうか?

いつも沢山の拍手、ありがとうございます♡
あとちょっと頑張ります。

リアトンについても、後で簡単に書きたいと思います。



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6 Comments

NB  

ま○さま

☆ま○さま

今晩は!
コメントありがとうございますm(__)m

今回の話以外にも、看護師ミンなど気に入って頂きありがとうございます。
別に凄くは無いのですよ~
妄想しかやることが無いんです(笑)
そういえば幼少期から妄想が友達でした……

楽しんで頂けてとても嬉しいです。
最後まで頑張ります(*^^*)

2015/05/04 (Mon) 22:14 | EDIT | REPLY |   

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2015/05/02 (Sat) 19:57 | EDIT | REPLY |   

NB  

no○zoさま

☆no○zoさま

いつも本当にありがとうございます♡

空回りチャンミン、書いてる私が可愛そうになりました。
ダメんホめ!バチが当たりましたね~
果たして無事挽回できるのでしょうか……
不安が残りますね。

リアルは流出写真を見ながら悶絶です。
私、リアルはやはり、かなりミンホ脳のようです。
男くさいチャンミン、可愛いユノにばかり激しく萌えてしまう……!
だから二次創作でホミンが爆発するという……(笑)
ここしか望みを反映させる場所がありません。

チャンミン、ショタ時代はもっともっとマンネらしく素直だったのに、今は格好よく成長しましたもんね。
どんなチャンミンも好きですが!

ロスでまたチャリンコ二人乗りとかカップルシートinボートとかやったらどうしよう。
いや、もう萌えるだけですよね。
是非やってくださーい!

あ、もちろん夜も♡

2015/05/02 (Sat) 11:05 | EDIT | REPLY |   

NB  

は○さま

☆は○さま

またいらしてくださり、ありがとうございます♡
はじめはマイナスな印象だったのに、今は少し挽回できたようで嬉しいです(^.^)

そうですねー、ユノはチャンミンに甘えすぎてバチが当たりました。
反省して頑張って貰わないとですね。
お互いいろんな過去があって、傷を背負いながらも頑張って生きてます。
いつか、互いの存在かプラスになればいいなぁ。
二人のことを、優しく見守ってあげて下さいね!

あともう少しでゴールです。
最後までどうぞよろしくお願いいたします♪

2015/05/02 (Sat) 10:56 | EDIT | REPLY |   

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2015/05/01 (Fri) 22:13 | EDIT | REPLY |   

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2015/05/01 (Fri) 20:38 | EDIT | REPLY |   

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