Humanoid ~君のための一歩~ 12



「乗れよ。家まで送る」

駐車場に着くと、ユノは車のドアを開けて言った。
言いたいことは沢山あったが、僕はひとまず助手席へ乗り込んだ。
車を運転している間も、ユノは前を向いたまま何も喋らなかった。
何か言わないと……
僕が間違ってた。
心配かけてごめんね。
こんなに弱くてごめんね。
伝えたい言葉を並べると惨めな気持ちになってくる。
気概に欠ける自分に心底嫌気がさす。
少しでもユノに釣り合う男になりたい。
そう思って頑張っていたつもりだったけど、これじゃあ何一つ変わってないじゃないか……ユノはこんな僕に怒っているのかも知れない。
今もじっと前を見つめている。
僕は嗚咽を堪えながら、気付かれないように静かに泣いた。
もうこれ以上、ユノの気を煩わせたくなかった。
一瞬肩を震わせてしまったが、気付かれ無いだろうと下を向いていた。
すると、ユノが僕の方へ意識を向けたのが分かった。

「……チャンミン?」
「…………」

声を出したら泣いているとバレてしまう。返事はしなかった。
ユノは通り道にあった駐車場に入り、車を停めた。

「おい。チャンミンッ……?」

強く肩を捕まれ、僕はその拍子に顔を上げてしまった。
涙まみれの僕の顔を見て、ユノが切なげに瞳を揺らす。
どうしていつもこうなんだろう。
ユノを愛しているのに、僕はユノを困らせてばかりだ。
抱えている気持ちを全て話したら、少しは楽になるのだろうか。
ユノは、僕の全てを受けとめてくれるだろうか。

「ごめんな……」

ユノが、僕の頬の涙を優しく拭った。
そうじゃない。
ユノは悪くないし、謝って欲しい訳じゃない。

「違うっ……。僕が分かって無かったんだ。あの時、ユノが心配してくれたのに大袈裟だなんて……。迫られても、一人じゃ何も出来ないのに……」

想いを口にし始めたら、もう止まらなかった。

「ごめんなさいっ。ごめんなさいっ……」

ボヤけた視界に映るユノの手を、強く握りしめた。

「僕のこと、嫌いにならないで……。お願いだから、何処にもいかないでっ……」

今回ユノに会えなくなって、改めて思い知った。
ユノの存在無しに、僕の人生はあり得ないと。
きっともう、ユノが居ない世界を生きることは出来ない。

「嫌いになんて……チャンミン……」

ユノは僕の手を握り返しながら、言葉を探すようにして話し続けた。

「俺は馬鹿だな……。お前に一度あんな辛い想いさせたのに、また不安にさせて……」

潤んだ瞳でまっすぐに僕を見つめながら、ユノは言った。

「お前を嫌いになんてなれないし、何があっても離れる気は無い。俺の方が、お前に愛想尽かされないか不安なくらいだ……」

僕は首を精一杯横に振って応えた。
ユノがホッとしたような、泣きそうにも見える表情を浮かべ、静かに笑う。
ユノの弱さを、垣間見た気がした。
不安なのは僕だけじゃない。
ユノはきっと今、僕と同じ気持ちなんだ。
互いに食い違ってぶつかり合い、別れを告げられることを恐れている。
離れたくないからこそ……
そう気付いた途端、心を覆っていたもやもやが少し軽くなるのを感じた。

「チャンミン、もう謝るのは止めだ。俺ら二人とも反省してるし、今回の件はこれでいいだろ。仲直りしようぜ」

ユノが笑って言った。
その明るさに元気付けられるように、僕も笑顔で頷いた。

「うん」
「帰ろう」

ユノがバンドルを握ろうと、触れ合った手を引こうとした。
反射的にその手を握りしめてしまう。

「チャンミン、悪い。運転すっから……」
「うん……」

そう返したものの、なかなか手を離せない。
久し振りに感じるユノの温度。
離してしまうのが惜しい。
もう少し、もう少しだけ。
唇を噛み締めながら、力を入れたり緩めたりして、ユノの手を握り続けていた。

「…………あーくそっ!」

ユノが急に叫んだので、驚いた拍子に身体がビクリと跳ねた。

「ど、どうしたの……?」
「もう我慢できねぇっ」
「え……?」
「お前、可愛すぎ。今すぐ襲いたい」

ストレートな言葉に、顔が急激に熱くなる。
何も言い返せずに俯いてしまったけど、ユノが求めてくれたことが嬉しくてつい笑みをこぼした。
そんな僕を見ていたユノが、バンドルに突っ伏して言った。

「頼むから、これ以上俺を煽らないでくれ……」
「へへ……ごめん」

甘い期待に、体温がじわじわと上昇するのを感じる。
先程とは一変して、心中は満たされとても幸せな気分だ。
心も身体も、僕の全てがユノを求めていた。









◇◇◇



出来てしまったので投下。
ゲロ甘再び……^_^;
やっぱりラブラブが好きです。

チャンミンのセンイルまであと少しですね~♡





人気ブログランキングへ

にほんブログ村 二次BL小説


スポンサーサイト

4 Comments

NB  

さえ○んさま

☆さえ○んさま

さえ○んさまこんにちは♡
こちらではお久しぶりです!
あちらではこまめに連絡頂いて、勇気づけられました。
本当にありがとうございます(;_;)

前回のヒューマノイド、かなりゲロあまでしたね……(笑)
時間を空けたせいか、今は少し、自分の作品を客観的に見ることが出来ています。
あとちょっと、二人が幸せになる最後まで書ききりますね!
スレ違い、誤解は人付き合いするうえでつきものですが……
二人は生き別れや死と隣り合わせ、そんな次元で過ごしてきたせいか、やっと一般人と同じ次元に立ったことで少し戸惑いが大きかったのかも。
そうですね、女目線では、恋愛に言葉のやりとりは必須だと思ってしまいます。
ユノは言葉より行動と言いますが、あれはユノだから出来ることだなとよく思います。
言ってることは本当に正しいと、勿論思ってますが(^.^)

ユノの人を助けるシーンだとか、優しくするシーン(特に暗いクルマの中、狭い空間といったシチュエーション)、妄想するだけでたぎりますね!

ユノチャンミンのケーキ写真、見てほっこりしました♡♡
跡をつけないよーに(笑)
さえ○んさま、私に影響されてそんな!(笑)すみません(笑)
どっちがどっちでもばっちこーいです。
私はチャンミンのユノ肌見せガードが堅いところからミンホを妄想して(黙)

と、このよーに、おやすみ頂いたことで私元気になりました。
少しずつまた頑張っていきます。
いつも見守って頂き、本当に感謝しています♡

また再開することて、少しでもさえ○んさまに恩返しができますように。

2015/04/05 (Sun) 13:29 | EDIT | REPLY |   

NB  

ちゃー○んさま

☆ちゃー○んさま

こんにちは(*^^*)
長い間返信せずすみませんでした……(T.T)

前回のヒューマノイド、私も久々に読み返したら恥ずかしくなりました(笑)
全くワガママではありませんよ。いつも応援して頂いてありがとうございます♡

最終話まであと少し、字書き久々なんでなまってるかもですが、頑張って書きますねー!

2015/04/05 (Sun) 13:12 | EDIT | REPLY |   

-  

管理人のみ閲覧できます

このコメントは管理人のみ閲覧できます

2015/02/18 (Wed) 23:37 | EDIT | REPLY |   

-  

管理人のみ閲覧できます

このコメントは管理人のみ閲覧できます

2015/02/17 (Tue) 21:44 | EDIT | REPLY |   

Leave a comment