Humanoid ~君のための一歩~ 9

  31, 2015 09:21


チャンミンと喧嘩してから数日。
ヒチョルに相談して、ある程度心の整理はついた。
しかし情けないことに、俺はチャンミンに会いに行くことを躊躇っていた。
チャンミンをこんなにも大事に想っているのに、無理に抱こうとしたことが、傷付けたことがショックで、今までのように接することができるか不安だった。
チャンミンの部屋に置き去りにした荷物や携帯は、チャンミンが居ない時間に部屋に取りに行った。
本当は、早く会ってごめんと謝りたい。
この腕で強く抱き締めたいのに……

チャンミンを好きになって初めて知った。
こんなにも臆病で、情けない自分を。






仕事が終わった後、俺は何も考えずにただ車を走らせた。
暫く走ると海が見えてきて、景色を見渡せる場所へ車を停めた。
ビルやテーマパークの建物が個々に光を放ち、水面をきらきらと輝かせている。
ユノ・ユノとしてチャンミンと暮らしていた頃、最後にデートしたのがこの場所だった。
あの時は、震えながら涙を流すチャンミンを見て苦しいほどに胸が締め付けられた。
もう辛い思いはさせないと誓ったのに、俺はまた傷付けてしまった。
だけどこれからもきっと、一緒に居る限り衝突を避けることは出来ない。
時にはぶつかり合いながら、お互いを受け入れ知っていく。
誰もがそうやって共に歩んで行く。
傷付くことを恐れていたら、今より先には進めない。
薬指のリングを撫でながら、俺はチャンミンを思い浮かべた。

もしまたお前を傷付けてしまっても、俺自身が傷付いてしまったとしても……
俺はずっとお前と居たいよ、チャンミン。

心を決めると、ポケットから携帯を取り出し発信を押した。
数回コールが繰り返された後。

『……もしもし』

チャンミンが、電話に出た。

「あ……俺だけど」
『ちょっと待ってて』

暫く間が空いたあと、再びチャンミンの声が聞こえてきた。

『……今、パーティー中だったんだ。外に出たから大丈夫』
「そうなのか……。悪い」
『……仲間とじゃないよ。会社の集まり』

チャンミンがわざわざフォローを入れたのは、この間の件があるからだ。
ふと沈黙が落ちて、気まずい空気が流れた。
こうして電話だけでやり取りしていても無意味に思えてくる。
やっぱり、顔を見て話がしたい。

「これから会えないか。パーティーが終わった後でいい」

チャンミンは直ぐには答えなかった。
断るつもりだろうか。
不安を覚えつつ返事を待っていると、チャンミンは小さな声で言った。

『……嫌って、言ったら?』
「…………」

そう思われても仕方ない。
今回は俺に非があった。
でも……

「ちゃんと会って話したいんだ。頼む」

すると、チャンミンは思いがけないことを口にした。

『僕のこと、振るつもり?』
「え……?」

どんな思考回路でそんな話に行き着いたのか、全く解らない。

『なら、会わないよ。絶対……』
「ちょっと待ってくれ。振るわけないだろ?何でそんなこと……」
『…………本当?』

今まで感情が見えなかった声色に、揺らぎを感じた。
しばらくすると、ひくひくと小さな嗚咽が聞こえてきた。

「泣いてるのか……?」
『だってユノ……ずっと帰って来なくて、いつの間にか荷物も無くなって……もう、僕のところには来てくれないんじゃないかって……不安でっ……』

それを聞いて、俺はやっと気付いた。
何も告げずに荷物を持って帰ったことが、どんなに軽率な行動だったのか。
チャンミンにとって、あの荷物はいつか俺が帰ってくるという証のようなものだったのだ。

「悪い。お前の気持ち、ちゃんと考えないで……。別れるつもりなんてこれっぽっちも無い。この前のことは、ちゃんと話し合って解決しようと思ってた」
『ユノ……会いたい……。会いたいっ……』
「チャンミン……」

チャンミンが求めてくれたことが嬉しい。
けど、知らず知らずのうちにこんなにもチャンミンを傷付けていた自分が、腹立たしくて仕方ない。
とにかく早くチャンミンに会って、苦しくなるほど、息もできないくらい、強く抱き締めてやりたかった。

「これから迎えに行くからっ。今どこ?」
『駅前の、ウェスティンホテル』

その会場は、偶然にも今居る場所から近かった。

「今海沿いのデッキに居るんだ。直ぐ行くから、待っててくれ」
『うん――……』

返事を聞いた後だった。
ふいに雑音が入り、それっきりチャンミンの声は途絶えた。

「チャンミン……?」

すると突然、知らない男の声が聞こえてきた。

『――……これって、例の彼氏?』
『…………携帯、返して下さい』

誰かと話している。
こいつは一体誰だ。

「チャンミン、返事しろっ」

チャンミンの応答は無く、先程の男のものと思われる低い笑い声が聞こえるだけだった。

『ばいばーい』

その直後、ブツリと通話が切られた。

恐れていたことが、起きてしまった……

男の下品な声を思い出すと頭に血がのぼり、我を忘れそうになる。

「くそっ……!」

強くアクセルを踏み込むと、俺はホテルへ向かって車を急発進させた。
ハンドルを握る手は力を入れるあまり白く変色し、震えていた。









◇◇◇



チャンミン、ピンチ((T_T))
ユノはやく~~

福岡迫ってきましたね!
コメ返長引いていてすみません。





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Comment 6

NB  

ちゃ○さま

★ちゃ○さま

コメントありがとうございます(^^)
危機感の無い無防備なチャンミン……ふふ、萌えてしまいます。
マッチョなチャンミンっていうリクエストを頂いたら、確実にミンホになりますね(笑)

確かに、最近はユノが可愛いしエロいです。
あ、もともとそうですけどね♡

リクエストお待ちしております。

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ゆかたろうさま

★ゆかたろうさま

こんにちは、いつもありがとうございます(^^)
そしていつも遅れてすみません((T_T))
チャンミンが助かるように、祈ってあげて下さいね!

ツアー遠征、時間もお金もかかりますものね。
今回はユノのセンイル&兵役前ということで、迷わず遠征しました。
福岡は、席余っていたようですが目立つほどではなかったです。
ちょっとほっとしました(;_;)
ユノ、喜んでいましたよ♡
行きたいのに行けない方が沢山いると思うと、心苦しかったです……
今後は、初日やオーラスの急な変更等が無いことを祈ります。

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ちゃー○んさま

★ちゃー○んさま

不安にさせてしまいすみません(*_*;
もうひとやまありました……

チャンミンが助かるように、祈ってあげて下さーい!

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ゆかたろう  

僕のこと 振るつもり? って…
ずっと 不安だったんだ~!
ミンの 操ちゃんを守ってあげなくては!
ユノ急げ!

アタシは ツアーは 遠征出来ないから
いつも 東京か横浜しか行けないの…
今回は 4月の追加のチケも取れなかったし…
ユノの お誕生日の 福岡が 沢山余ってる!って聞いて…
あ~ 行けることなら 行ってお祝いしたかったよぉ


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