Humanoid ~君のための一歩~ 5



チャンミンの友人だというテミンは、チャンミンが不在だと伝えるとまた来ると言って帰って行った。



「テミナが……?」
「ああ、来たよ。お前に会いに」

夕食を食べながら、俺はチャンミンにテミンの事を話した。

「暫く連絡してなかったから……きっと心配させちゃったな」

眉をハの字にしながら呟くチャンミンを見て、テミンを心から思っているのが、大切にしているのが解った。

「結構、親しいんだな」
「うん……。僕の事、よく理解してくれるから」
「知ってるのか?お前がそうだって」
「え?」
「俺がお前の家から出て来たら明らかにおかしいだろ。出ちゃマズかったと思ってさ」
「いや……」

チャンミンは、暫し言い淀んでから口を開いた。

「テミナは、僕がゲイだって知ってるよ」
「ふーん……」
「それに……テミナもそうだし」
「え……あいつ、ゲイなのかっ!?」

俺は思わず声を荒げた。

「ユ、ユノ?」

男が好きって事は、チャンミンに好意を抱く可能性は大ありって事だ。

そう簡単に、会って欲しくない。

そんな風に考えるのは心が狭いって、痛いほど解ってるけど……

「どうしたの?」
「いや、何でもねー……」

見苦しい本音には蓋をした。
大人げない自分にウンザリする。
チャンミンの事になると、何で俺はこうも余裕が無いんだ。









会社帰り、コンビニへ寄った時の事だ。
レジの店員が、俺に話しかけてきた。

「煙草、吸うんですね」
「え……?」

店員の顔を見て俺ははっとした。
あの日チャンミンに会いに来た友人、テミンだった。

「この間は、ありがとうございました」
「ああ。チャンミンに伝えといた」

会計が済んだタイミングで、もう一人のスタッフがテミンに言った。

「テミナ、もうあがっていいぞ」
「あ、はい」

今日はもう仕事は終わりらしい。
テミンが小声で話しかけてきた。

「あの……これから時間ありますか?」






テミンの誘いは断らなかった。
チャンミンはきっとまだ仕事から帰らないし、テミンと話せばチャンミンとどんな風に関わっているのか解ると思った。

「チャンミニヒョン、元気ですか」

適当に入った飲食店で、テミンは運ばれてきたコーヒーカップを両手で包みながら、俺にチラリと視線を向けた。

「ああ、元気だよ」
「あの……二人は付き合ってるんですか?留守中に部屋に居るって事は……」

チャンミンの了承は得ていないが、本当の事を教えていいだろう。
チャンミンを理解していて、テミン自身もゲイらしいので特に問題は無いはずだ。

「まぁな」

テミンは顔を手で覆うと、ひゃあと小さな悲鳴をあげた。

「ヒョン酷い。こんなイケメンな彼氏居るのに教えてくれないなんて。あー、でも嬉しい」

チャンミンに少しでも気があれば俺につっかかって来ると思ったが、そんな様子は微塵もない。
ゲイの感覚はよく解らないので、率直に聞いてみた。

「お前も男が好きだって聞いたんだけど」
「え……それ、ヒョンが?」
「ああ。違うのか」
「そう、ですけど……」
「チャンミンの事、どう思う」

俺の質問の意図に、テミンは気付いたらしい。

「もしかして……俺がヒョンを好きなんじゃないかって心配してます?」

楽しそうに笑うテミンを、俺は無言で睨んだ。

「俺とヒョンは絶対に無いから安心して。どっちもネコだもん」
「ネコ?」
「セックスの時の女役ってこと。仲間同士みたいなもんで恋愛対象じゃない。好きになるのはタチ……抱いてくれる男性だけです」
「そういうもんなのか」
「そういうもんです」

テミンは掌に顔を乗っけながら、俺を上目使いで見つめた。

「貴方、きっと男にも女にもモテるでしょ。ゲイの世界じゃ、ネコが寄ってくるだろうなぁ」

ネコどうこうはよく解らないが、男女問わず寄ってくるのは大体当たっている。
しかし、今テミンと俺の話をしても何の意味もない。
それよりもチャンミンの話を聞きたかった。
ゲイの世界でチャンミンがどんな風に過ごしてきたのか、俺は全く知らなかったから。
俺と一緒に居るチャンミンさえ見ていればいいのに、つい欲を出してしまった。

「俺の事はいいから、チャンミンのこと教えてくれよ」
「えー……どうしようかな」
「好きなもん頼め。何でも奢ってやる」

テミンはやったぁと笑うと、メニューを広げて料理を見繕い始めた。
暫くメニューを眺めていたが、ふいにぼそりと呟いた。

「……そんなに心配なら、いい事教えてあげますよ」
「何」
「チャンミニヒョンはタチにモテるから、注意した方がいい。ゲイのたまり場に行くと、美人だからよく注目されるんです」
「へぇ……」
「本人は自分が馴染めないせいで睨まれてるって勘違いしてるけど、その無自覚さが危ういんだ。あんなに綺麗なのにね」
「ふぅん……」

狙われやすいってことには納得だ。
元々ノーマルだった俺でさえ、チャンミンに強く惹かれてしまったのだから。

「ユンホさん、チャンミニヒョンの事ちゃんと守ってあげてね」

敵はテミンじゃなく、むしろもっと外に、知らない場所に大勢居る。
いけないと解っていながら、俺はまた独占欲が大きくなるのを抑えられなかった。









◇◇◇



君のための一歩。
ずっと前に書いてたものをUPしました!





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8 Comments

NB  

さえ○んさま

★さえ○んさま

溜めたせいで、連続返信すみません(^^;

君のための一歩は、本編がちょっと非現実的だったのでリアルにしたいなと思いました。
独占欲は、ある一点を越えてしまうと萌えとかじゃなく深刻な事態になりますよね。
そこまで書いちゃおうかと思います。
テミンちゃんユノにチクっちゃいました(^^;
彼は若干面白がってるふしがありますが……
いいスパイスになってくれたかなと。

二人をもうすぐ試練が待ち受けています。
切なーい感じになるかもですが、どうか優しいさえ○んさまの視点で見守ってあげてください♡

その前に、まずラバーズソウル書かなきゃ(^^;

2014/12/27 (Sat) 14:20 | EDIT | REPLY |   

NB  

to○oさま

★to○oさま

こんにちは、初めまして(^^)
コメありがとうございます♡

お話、リアル設定少なくてパロディばかりですが大丈夫かな……
切なかったり変態だったり、色々なジャンルが混在してますが気に入って頂けたようで良かったです!
小説、頑張って続き書きますよー!

トン初心者さまなのですね。
私もoceanくらいにはまったので、そんなに変わらないですよ(^^)
解ります。○○ペンと名乗りつつ、ユノチャンミンどっちも大好きになっちゃう気持ち。
私は一応ユノペン名乗ってますが皆さん私と話したらチャミペンかっ。と言いたくなると思います(笑)

ミロユノは、ほーーんとにかっこいいです♡
チャラいし今より細い(笑)

私も、二人だから好きになったんだと思います。
5人時代のものも友達から借りて色々見ました。
5人も素敵だと思いますが、やはり今に至るまでの過去の良い思い出。私の目にはそのようにだけ映ります。
5人が好きな方は、今の東方神起は物足りないかも知れない。
でも5人になって二人のパフォーマンスが消えるのが惜しい。そう思わせるほどの実力が二人にはあると私は思ってます。
なんか語ってしまいすいません(^^; つい熱くなっちゃった……(笑)

本当に寒くなってきましたね。
to○oさまもお身体に気を付けてお過ごしください。
またお待ちしてます♡

2014/12/27 (Sat) 13:43 | EDIT | REPLY |   

NB  

リ○ーネさま

★リ○ーネさま

ご丁寧に知らせてくださりありがとうございます(^^)
コメントの内容と記事はそこまで気になさらないでくださいね~。
私がそうなので(笑)
話しかけて頂けるだけで嬉しいです。

2014/12/27 (Sat) 13:11 | EDIT | REPLY |   

NB  

ちゃー○んさま

★ちゃー○んさま

こんにちは(´∀`)
やはりちゃー○んさまでしたか~ 予想当たってた♡笑

カウパーなど教えてしまいすみません……
読者もカウパーしちゃうような文書きたいのですが難しいですね(笑)

2014/12/27 (Sat) 10:38 | EDIT | REPLY |   

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2014/12/10 (Wed) 17:10 | EDIT | REPLY |   

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2014/12/09 (Tue) 14:57 | EDIT | REPLY |   

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2014/12/07 (Sun) 22:00 | EDIT | REPLY |   

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2014/12/07 (Sun) 14:13 | EDIT | REPLY |   

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