possessive…… 1

  29, 2014 09:37


「針変えますね」

差し出された腕に、チャンミンは慣れた手つきで針交換を施してゆく。
その途中、患者のもう片方の手がチャンミンの尻をかすめた。
始め偶然かと思ったが、手は離れる事なく尻を撫で始めた。

「何をなさってるんですか」
「いやぁ……。君可愛いから、ついムラッときて」
「俺、男ですけど」
「あーよく見たらそうか!女みたいな顔だから分かんなかった」

そんな訳あるかと、チャンミンは心の中でつっこんだ。
ボケているならまだしも、患者データによるとこの男は健常者だ。

「交換終わり」

作業を終えると、チャンミンは患者の手をパシッと払い除けた。

「あ」
「こっちも終わりっ」









「大部屋に来た新しい患者、ゲイらしいよ」
「嘘?何処で聞いたの」
「本人が隠す気無いからすぐ判るの。男性スタッフにデレデレしちゃってさぁ」

ユノはカルテを書きながら、看護師達の雑談を聞き流していた。

「チャンミンがお尻触られたんだってー」
「何それ。気持ちわるっ」

聞き捨てならない内容が聞こえてきて、ユノはカルテを書く手を止めた。

「先生も気を付けて下さいね。男前だから」
「はぁ?」

看護師達は、くすくすと笑いながらステーションを出て言った。
自分の身の安全などどうでもいい。
それよりも、先程の話が事実なのかどうかが気になった。
しかしその後オペや話し合いがたて続きにあり、何時もの如く仕事に追われたユノは、真相を確かめることが出来なかった。






「なぁ……お前、新患に何かされたか」

翌朝、朝食を取りながらユノはチャンミンに聞いた。

「どうして?」
「昨日看護師達が話してたんだ」
「セクハラ受けたって?」
「やっぱりそうなのか」
「ユノ、心配してくれてるんだ」

チャンミンはにやにやと笑って言った。

「されたのかされてないのか、どっちだよ」
「……お尻触られた」

ユノの顔が途端に険しくなる。
チャンミンはなだめるように言った。

「あんなの適当に流してれば問題ないって。大丈夫」
「……もし何かあったら言えよ」
「うん」

チャンミンはひっそりと喜んでいた。
自分のことを心配し、いつもクールなユノが不安そうにしている。
それが嬉しかった。









「どうぞ」

例の患者のところへ昼食を運んだ時のことだった。
去ろうとするチャンミンの手を、患者が掴んだ。

「どうしました?」
「今日、ちょっと具合悪くて……。怠いから、食べるの手伝ってくんない?」
「それだけ手が動けば大丈夫でしょ」
「頼むよ。患者を助けるのが仕事だろぉ」

チャンミンは軽くあしらうつもりだった。
しかし、ある人物に視線を向けられているのに気付いて、よこしまな気持ちが芽生えた。

「しょうがないな。今日だけですよ」

チャンミンは患者の近くへ椅子を置き、食事の介助を始めた。
食事をのせたスプーンを、口元へ運んで食べさせる。
恋人同士のようなそのシチュエーションに患者は喜んでいたが、チャンミンは何の感情も湧かなかった。
目の前の患者は、恋人が気を揉むのをもう一度見たいがために、ただ利用しただけなのだから。
部屋の外をちらりと見ると、そこにはユノが立っていた。
白衣のポケットに手を突っ込み、明らかに苛ついた表情でチャンミンと患者を見ている。
かなり怒っているようだが、嫉妬してくれたことが嬉しかった。
暫くすると、ユノは部屋の前から消えた。
ユノの睨むような視線を思い出して、チャンミンは少し興奮してしまった。






食事介助を終え、チャンミンは昼休憩に入った。
携帯を開くと、ユノからメールが入っていた。

『医局に来い』

たったそれだけだが、ユノの怒りが十分に伝わってくる。
さっきはやり過ぎたかも知れない。
チャンミンはひどく怒られるのを覚悟で、医局へ向かった。



長い廊下を歩いて医局の前に差し掛かった時、陰から伸びてきた手に身体を引かれた。

「わっ……」

不意のことだったので、相手の身体にぶつかってしまった。
手を引いたのは、予想通りの人物だった。

「ユノ……」

ユノはチャンミンの手を引き、奥まったスペースにあるトイレへと押し込んだ。
中へ入るとユノはチャンミンを睨み、苛々を全面に出したまま問い詰めた。

「一体何考えてんだ。さっきの、どう考えても手伝う方がおかしいだろ」
「でも、具合悪いって言うから……」
「馬鹿かお前はっ。あんなことして、奴が調子に乗ったらどうすんだ」
「大袈裟だよ」

ユノはため息をつくと、乱暴に頭を掻いた。

「あれ見て、俺がどう思うか考えなかったのか……?」

考えている。いつでもユノのことばかり。
どうすれば一緒に居れる時間が増えるのか。
どうすれば自分をもっと好きになってくれるのか。
どうすれば……嫉妬してくれるのか。
しかし、本当のことを言ったらユノは呆れてしまうだろう。
チャンミンはもう少しだけ、この切羽詰まった顔を見ていたいと思った。

「ごめんね?もうしないから……」

チャンミンはユノに触れようとしたが、手を壁に縫い付けられてしまった。
その次の瞬間、勢いよく唇を塞がれた。

「んっ……ふぅ……」

角度が変わる度、クチュクチュと厭らしいリップ音が鳴る。
もし誰かに聞かれたらとどぎまぎした。
鍵が付いていないので、いつ人が入ってきてもおかしくない。

「だ、め……ユノッ……」

唇は下へ移動し、今度は首筋に吸い付いた。

「あっ……駄目だって、ばぁっ……」

ユノはチャンミンから一度離れると、個室の扉を開けて言った。

「中、入れ」
「え…………?」









◇◇◇



拍手とコメント沢山どうもです♡
コメントの返信は今週中に出来ればと思います。

いきなりnight callのおふたり。
非変態続きでエロが恋しいという意見がちらほらとあったもので……(笑)

次回は鍵がつきまする~♪
あと一話で終わりの短編ですがお付き合い下さい(^^)





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Comment 8

NB  

ゆかたろうさま

★ゆかたろうさま

ゆのセンセ嫉妬しちゃいました。
チャミにあんなことやこんなことを・・・

あ、解りましたか(^_^;)
私医療従事者です・・・
職場にあんなDrとNsがいたらと思うと、もうにやにやしちゃいます♡

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み○さま

★み○さま

こんばんは!
まずはお返事遅れたことをお詫び致します。
私、TISTORY行かないのです……だからお会いすることが出来ません゜゜(´O`)°゜
遅くなり本当にすみませんでした。
Withツアーは、ユノの誕生日に行けることになりました。
今のところ、2/6、2/25参戦予定です。
6日行かれる予定ありますか?
もし行かれるなら、是非お会いしたいです(^^)

そして、night callもご覧頂きありがとうございます♡

え……?トイレ連れ込まれて壁ドン!?
うわぁあ本当にそんなこと現実であるんですね!
ひゃー!興奮!
個室でやってしまいました……
めちゃくちゃな展開ですが許してください(T_T)

私こそ、いつも見ていただいて感謝しております。
いつかお会いする機会があれば、ゆっくりお話してくださいね!

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NB  

ちゃ○さま

★ちゃ○さま

こんにちは!
メールしたのですが……届いてないですか?
それと、ちゃ○さまからのメールも届いた様子がありません(T_T)
もう一度、メールアドレス教えて頂けたらありがたいです。
それか、トップの「サイトについて」に記載してあるアドレスへご連絡ください。
お待ちしてます。

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ちゃー○んさま

★ちゃー○んさま

night call作品、本当に気に入って頂いて嬉しいです(T_T)
ごめんってあまり思ってないチャンミン(笑)
ユノの焼きもちが嬉しくてわざとやるって、結構エスだなと思って書きました。

また一週間、元気を与えられるように頑張りますね~(^^)

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ゆかたろう  

やた~♪  変態カプちゃん達だっ!
ゆのセンセ♡のジェラシー 大好物です!
NBさんてば もしかして 医療従事者?

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