インスパイア! 3

  25, 2014 07:21


「先輩……?」

俺はチャンミンから目を反らすと、もう一度イルを見た。

我慢してくれ。
俺からそんなこと言えないよ。

『ジミン、お前と愛し合えるこの時を待っていたが……残念だ』
『大丈夫です、イルさま。私は充分幸せです。彼等に無理はさせられません』

ジミンはイルの手を握った。
しかし、俺は気付いてしまった。
手がしっかりと触れ合っていないことに。
すり抜けてしまった手を見て、二人は切なげに眉を寄せた。
今までは触れ合う真似をしていただけ。
本当は、肉体が無いから触る事が出来ないんだ……
チャンミンに二人の望みを伝えてみよう。
返事次第だが、もしかしたら望みを実現できるかもしれない。
辛そうな二人を見て、それでも断るなんて出来なかった。
俺はチャンミンと向かい合った。

「あのさ……」
「はい」
「今から言うこと、全部本当だから引かないで聞いて欲しい」
「何ですか?」
「二人とも、霊のままだから実際に触れ合えないでいる。それで、代わりに俺等の身体を貸して欲しいって言ってるんだ」
「それって……」
「つまり、その……俺とお前が……色々することになるんだけど」

チャンミンはたちまち顔を赤くした。
多分俺も、同じくらい赤い。

「どうする……?」

チャンミンは唇を震わせていたが、やがて小さな声で言った。

「先輩は、どうなんですか」
「俺は……貸してもいいと思ってるよ。お前が嫌じゃなきゃ……」

身体を重ねて辛い思いをするのは、チャンミンの方だ。
チャンミンは少し考え込んでから、また口を開いた。

「俺……夢を見始めてから、イルホさんがずっと好きでした。だけど今、俺にはイルホさんが見えない。先輩しか、見えないんです」

チャンミンは大きな瞳で俺をじっと見つめ、そして言った。

「俺にとってのイルホさんは、先輩だと思うから……だから、俺も大丈夫」
「そ、そっか……」

何これ。告白?
真剣に気持ちを伝える姿がぐっとくる。
俺はチャンミンを抱けることを、少し嬉しいと思ってしまった。






俺とイルとジミンは、チャンミンの家へ向かった。
父親は仕事のため出張中で、母親は用事があり実家へ帰省しているらしい。
チャンミンは俺達を部屋へ通したが、背中を向けたままだ。
緊張してまともに喋れない俺だが、チャンミンはもっと緊張しているのかもしれない。
声をかけようとすると、チャンミンは振り返り、切羽詰まった顔で言った。

「さっきは、変な事言ってすみませんでした」
「え?」
「よく考えたら、先輩にはジミンが見えるんですから……ジミンが好きなのに、俺にあんな事言われても困りますよね」

そんなこと気にしてたのか。
俺の今の気持ちは、どう言えば上手く伝わるだろう。

「好きだけど、チョン・ユンホとして好きな訳じゃないっていうか……」
「どういう意味ですか……?」
「ええと……ジミンさんの事は確かに好きだった。でもそれは、夢の中でイルと一体だったからだと思う。今二人を見ても、嫉妬なんてこれっぽっちも感じないよ。心から祝福できる」
「本当に?」
「本当。そもそもジミンさん、人間じゃなく霊だしな」
「そっか……」

チャンミンは、安心したのか笑みを零した。
こいつ、何でこんなに可愛いんだろう。
ピュアな性格、男にしては可愛らしい顔、全てに惹かれてしまう。
夢の中でジミンを愛した時のように。
チャンミンにとってのイルが俺であるように、俺にとってのジミンはきっと……

『ユノ』

イルに呼ばれてハッとした。
ジミンと二人で、にやにやしながら俺を見ている。

『イルさま、初夜は二人に任せましょうか』
『そうだな。邪魔をするようで気が引ける』

いやいや。要らないから、そういう計らい。

『そうか?遠慮はするな』

二人に身体を貸さないなら、俺は今日チャンミンを抱かないだろう。
その気にさせといて、やっぱり止めようなんて展開も避けたい。

いいから、予定通りやってくれ。
ただ……

俺は、二人に一つだけ頼み事をした。

―――始めのキスは、俺からチャンミンにしたい。

『了解した』

イルが親指を立てて笑った。
俺はチャンミンの肩を掴むと、顔を近づけた。

「え?先輩……?どっち……?」

動揺するチャンミンに、俺は言った。

「ごめん、まだ俺。でも……キスしていい?」
「せ、先輩……」

チャンミンが目を閉じたのを合図に、柔らかい唇を塞いだ。
そしてそのまま、身体をベッドへと押し倒した。

二人とも、後は好きにしてくれ……









◇◇◇



皆さーん、沢山の拍手と素敵なコメント、ありがとんでございます(*´ω`*)♡♡
もっと沢山頑張ろう!と思えます。
本当にこのサイトは、皆さんの応援で成り立ってると思います。

インスパイア !はあと一~ニ話で終わるかもです。
起承転結でいったらもう転に突入してるあたりかな。
展開早すぎて色々すっ飛ばしてるような気がする……(笑)

書いていてとても楽しいので、名残惜しいなぁ(^^)
終了後また番外編書きそうです。

それではこのへんで失礼します。
あ、コメントは後程お返しします。
毎度遅くなり申し訳ありませんm(._.)m





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Comment 4

NB  

さえ○んさま

★さえ○んさま

さえ○んさま、こんばんは♡

インスパイア見て下さりありがとうございます。
X橋の雰囲気と一転させて、コメディ仕様にしてみました。
二組のホミン、楽しんで頂けましたでしょうか?
一組はもう成仏?してしまいましたが、そのうちリターンするかも……?です(^o^)

うふ、二度目のキスは自分の意思でしたいユノでした♡

ユノチャミが結ばれたとたんにイルホとジミンは消えてしまいましたが、ユノチャミを通してふたりは繋がっていられるんだと思います。
ふたりの行く末をこれからも見守って下さいm(._.)m

chandelierのMV見ましたよ!
これは泣かせにかかってますね……
待っていてなんて、忘れないでなんて、我儘だけど……的な内容だと思いますが(うろ覚えですいません(^_^;))、我儘でもなんでもなく、ビギにとっては当たり前ですよね。
本当に、ライヴはハンカチ持参決定です。
アルバムの視聴、さえ○んさまのコメントで知りました!
どれもフルで聞くのが楽しみです♡

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NB  

no○zoさま

★no○zoさま

どうも、お世話になっております(*^^*)

続編、すぐに終わらせてしまい申し訳ありません。
最近気付いたのですが、NBどうやら長くなるお話苦手かもしれません。
でもその代わり、単発でぽーんとお話UPするつもりです。

振り回して申し訳ありませんが、またお付き合い頂ければ嬉しいです。

こちらこそ、いつも本当にありがとうございますm(._.)m

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