X橋で会いましょう 6

  18, 2014 07:19


「食事は中止だ」
「イルさ……」
「話しかけるな!まさかお前に裏切られるとは……」

イルホは俺を見ることなく、背を向けると部屋から出ていってしまった。
扉が閉まった直後、俺は膝から崩れ落ちて声を上げて泣いた。
イルホに嫌われる程辛い事はない。
妻を大切に想っていても、イルホを一番に愛していた。
仕事も何時からか自分の地位とは無関係に、イルホの夢を叶えるためだけに頑張るようになった。
俺の全ては、イルホのためにあったのに……



翌日、俺は鉄格子の付いた地下室へ連れて行かれた。
他者と密会して身体を重ねたことは、組織の掟に背く行為として罰を与えられたのだ。
毎日膝を抱えて踞り、運ばれてくる三食の食事もまともに摂る事が出来ない。
イルホに手離されたのだと思うと、生きる目標が見つからなかった。









三日目の晩の事だった。
柵越しに人の気配を感じ、俺は膝に埋めていた顔をのろのろと上げた。
目の前に、イルホが立っていた。

「イルさま、イルさまっ……」

俺は鉄格子に飛び付いて、泣きながらイルホを求めた。
僅かな隙間から手を伸ばし、イルホの洋袴に必死にしがみ付く。
もう、平静を取り繕うことなど出来なかった。

「申し訳ありませんでしたっ……。裏切るつもりなど無かったのです。どうか、どうか私をまた側に置いて下さい。私は貴方が居ないと生きていけない……」

しゃがみこんだイルホは、人差し指を口に当て小声で言った。

「あまり声を出すな。人が寄ってくる」

イルホは俺の頬へ手を伸ばすと、優しく涙を拭った。

「このところ、お前の行動について調べていた。お前が俺を裏切ったとはどうしても思えなくてな。社長を問い詰めてやっと分かった。俺を守ろうとしてくれたんだろ、ジミン」

真実が伝わった事に心から安堵した。
抱かれたのは裏切りではなく、ただイルホを大切に想うが故に行った行為だったと。

「貴方が辞職させられるなど、私は耐えられませんでした」
「お前を許そう。気付かなかった俺にも責任がある」
「感謝致します。イルさま……」
「だが礼は言わない。全く有り難いと思わないからだ。お前は、俺が一番大切にしているものは何だと思う」
「仕事……でございますか」
「そうではない」

温かい掌が、頬に添えられる。

「お前だ、ジミン」
「イルさま……」
「お前に辛い想いをさせながら仕事など出来ない。お前が傷付くのは、仕事を失う何倍も辛い。お前は不正行為を俺に知らせ、二人で対策を練るべきだった。例え俺が現職を失っても」
「はい……はい……」

何度も頷く俺の手に、イルホは胸元から取り出した封を握らせた。
“辞”と書いてある封を。

「イルさま、これは……」
「お前の事を調べているうちに、ずるずると色んな情報が出てきた。指揮官だけじゃない。上の奴らは地位や名誉に目が眩んでこの国の事など考えちゃいない。こんな組織はこっちから願い下げだ」
「まさか……」
「ここを出て行き一から新たな組織を作る。俺が望む、国をより良くする堅実な組織を。ジミン、ついてくるだろう」

俺は両手で封を握り、イルホの目を見つめながら大きく頷いた。
この人に一生ついて行く。何があっても。

「あと少しだけ辛抱してくれ。丸三日経てば放免される決まりになっている。明日の朝また迎えに来よう」
「待っています。イルさま」



翌日、俺は地下室から解放された。
そしてその数日後、妻二人を連れて俺達は組織を後にしたのだった。
四人で作る新たな未來は真っ白だが、暗い顔をしている者など一人も居ない。
俺達ならば、きっとどんな色にも変えてゆける自信がある。

重苦しい世界から解き放たれ自由になった今、まだ見ぬ未來に明るい希望が見える気がした。









◇◇◇



詰め込み過ぎた(^_^;)
暗いシーン辛くて早く終わらせたかったんです。





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Comment 2

NB  

ちゃ○さま

★ちゃ○さま

こんばんは!

妻つきですよー(笑)
子供産まないと、チャンミンまで繋がらないので(^^)♡

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