X橋で会いましょう 5

  17, 2014 07:20


俺はイルホに気付かれないよう、自ら社長の元へ足を運んだ。

「社長、指揮官との行為を私はこの目で確認しました。イルホさまを貶める様な真似は止めて下さい」
「ジミン……お前から会いたいと言うから楽しみにしていたのに、そんなくだらない事を話しに来たのか」
「お願いします。止めて下さい」

俺は社長に向かって頭を下げた。

「そうだな……。お前が何らかの形で私に奉仕してくれたら、考えてもいい」

社長は厭らしい笑みを浮かべながら、俺の頭から爪先まで舐めるように見つめた。
これから実行しようとしている事を思うと虫酸が走ったが、イルホを守るためだと思えば耐えられた。

「私を……好きなようにして構いません」
「よく解っているじゃないか。話が早い」
「その代わり約束して下さい。指揮官との取引は止め、イルホさまの仕事に協力する事を。それから、私が貴方と寝ても主従関係は成立しないという事を御理解頂きたい」
「それで構わん。私はお前と触れ合えれば良いのだ。さぁジミン、こっちへおいで」

イルホ、この男に抱かれる俺をどうか許して欲しい。
心は何時も貴方だけを見つめているから。
これは貴方を想う故です。
貴方のためなのです。
どうか、どうか……

一歩一歩近付いて行き、社長の目の前に立つと手が伸びてきた。
身体に触られる直前、俺は心を無にして目を閉じたのだった。









「学校建設の話が通った。なぜ急に承諾したのか疑問だが……これから忙しくなりそうだ」
「イルさま、おめでとうございます」

イルホの夢がまたひとつ叶うと思うと嬉しい。
社長に抱かれ、いくら身体を洗っても消えない不快感をイルホの前でも感じてしまう事。
それだけが本当に辛かった。
社長の要求に応じて、俺はひっそりと抱かれに通っていた。
身体は嫌でも反応するが、心はいつも冷めきっている。
バラバラになった心と身体。
それでも、抱かれてる時にふとイルホを思い出してしまう事があり、酷い罪悪感に襲われた。
イルホを助けるためにこの男に抱かれる事は、正しい選択だったのか?
だけど、あのまま悪行を傍観するのも間違っていたと思う。
俺に出来る正しい選択は、ひとつも無かったのかも知れない。









社長に抱かれるようになってから、もう何日も過ぎた。
イルホは学校建設に全力で取り組み、現場へ向かったり打ち合わせをしたりと多忙な日々を送っている。
俺との時間もまともに取れなくなった。
俺も社長と関係を持ちながらイルホと向き合うのが辛くなり、二人きりになるのを避けるようになっていた。
今日は俺がイルホに仕えたあの日から、丁度一年。
記念すべき日だ。

「ジミン、今夜は久しぶりにゆっくり過ごそう。妻達も、料理に腕を奮おうと盛り上がっている」
「はい。イルさま」

今夜だけは絶対に抱かれたくない。
そう思っていたのに社長から連絡が来た。
一度は断ったものの、来なければイルホを組織から今すぐ辞めさせると言われ、俺は行かざるを得なかった。
こんな風に脅されて、社長との関係がこれからもずるずると続いて行くのだろうか。
そう思うと目眩がした。

「今日はなるべく早く終わらせて下さい。イルさまとの約束があるので」
「イルホめ。全く憎たらしい奴だ」

不満げにそう呟いた社長だったが、一度抱いた後は引き止めることはしなかった。



食卓前、妻が用意した衣裳に袖を通している時だった。

「ジミン、入るぞ」

部屋へ入って来たイルホは、薔薇色の背広と漆黒の洋袴を身に付けていた。
派手な色をスマートに着こなすイルホは流石だ。
少し見とれてしまう。

「まだ着替えていたのか。手伝ってやる」
「そんな、貴方にそんな事をさせるなど……」
「俺がしてやりたいんだ。いいだろう」

甘い声でそう囁いたイルホは、俺の牡丹へ手をかけた。
久しぶりにイルホの優しさに触れ、ズタボロだった心がじんと温まるのを感じた。
イルホは突然、牡丹を外す手をぴたりと止めた。
ある一点をじっと凝視した後、険しさを含んだ鋭い瞳で俺を睨んだ。

「この赤い跡は誰につけさせた?」
「え……」
「何奴に身体を許したんだっ!」

まさか……
状況を理解した途端、血の気が引いて行くのを感じた。
社長は、俺が自分では確認出来ない位置にキスマークを残していたらしい。
あっさりと返すから、おかしいと思っていたのだ。
イルホにだけは、死んでも知られたく無かったのに……
どういう事だと問い詰められても、何の言葉も出てこない。
社長の元へ頻回に抱かれに通っていたなんて、そう簡単に口にする事は出来なかった。









◇◇◇



暗っ!
ちなみに社長はBefore~のドラマの悪役のような方をイメージしました。
本当にいろいろすみません(笑)





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Comment 6

NB  

さえ○んさま

★さえ○んさま

さえ○んさまこんばんは♡

富士急の話触れて頂きありがとうございます(^o^)
はい、チャンミンが行ったことで楽しさ二倍になりました!
さえ○んさまも絶叫マシーン好きですか?
わー、嬉しい(*^^*)
お子さんと楽しそうに絶叫するさえ○んさまを想像して、なんだか幸せな気分です(笑)

ユノのレッドにオタクチャンミン、いいですか?
このお話書きたかったんですが、他にも書きたいもの沢山あってわたわたしてます。

今迄にないような設定は、リクエスト企画だからそうなるのかと思います。
ピアニッシモもですが、自分で思い付かない設定をくださるので書いていても本当に楽しいです♪
X橋は番外編を書くので、その時に設定が解るかと思います(^^)
社長とのことは無事解決しました。
展開早かったけど、あまりながーく書く内容じゃないなと思いましたので……

え?文章の雰囲気が……?
それ一番嬉しいかもです(T_T)
私の文章淡々としてるんで、切なさとか……そういう雰囲気が伝わりにくいと思うんです。
本当にありがとうございますm(._.)m

アルバムのジャケット見ました。
あはは、私も大体同じです(笑)
A、Bはあまり……
無難にCとビギ版が好きです♡可愛い♪

いやーん、もう本当におめでとうございます!
旦那さんもお優しいですねっd=(^o^)=b
心からおめでとうございます。
あ、フライング(笑)でも応募出来たことに、まずはおめでとうございます。
さえ○んさまが当選しますように。
良い結果が待っていますように……!

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NB  

ちゃ○さま

★ちゃ○さま

ダークです゜゜(´O`)°゜
でも書いてて結構楽しかったような……(笑)
もうお話も終盤です。

ほんとに、ぐんと寒くなりましたね。
ちゃ○さまも、体調にはお気をつけて御お過ごし下さいね。

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no○zoさま

★no○zoさま

お久しぶりです♪
こちらこそ、いつもありがとうございます。
beforeのあの悪役です、すみません(笑)
でもこのシチュエーションの悪役は、イケメンより気持ち悪い方がストーリーが際立つ気がして(^^)

是非誰かさんに回し蹴り退治して貰いたいものです。
あ、私もされ隊♡です(笑)

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