X橋で会いましょう 2

  14, 2014 07:09


浅い眠りだったのか、その夜俺は、久しぶりに夢を見た。



俺は知らない部屋にいた。
男が一人入ってきて、脱いだ背広をソファの背もたれにかけた。
男に俺は見えていないらしく、こちらへは全く視線を寄越さない。
俺は状況をひとつも理解せず、その光景をただ見守るように存在している。
男が近づいて来て気が付いた。
男の顔は何故か俺とそっくりだ。
全く同じと言っていい。
これは一体、どんな設定の世界なんだろう。
ドアをノックする音が聞こえてきて、俺とそっくりな男が返事をすると、女が一人入ってきた。

「お帰りなさい」
「ただいま」
「なんだか機嫌が良さそうね」
「ついに実力が認められたよ。権力者の下につける事になった」
「おめでとう。本当に良かったわね」
「ああ。これで少しは、お前にも贅沢をさせてやれる」
「贅沢はいいから、早く子供が欲しいわ。貴方が忙しくなったら相手をして貰わないと」
「そう急かすなよ」

二人は夫婦らしい。
笑顔でやりとりするのを眺めていると、目の前が急に別の場所へと切り替わった。



俺とそっくりの男が、ドアの前に緊張した面持ちで立っている。
一息つくと、ドアに向かって言った。

「参りました」
「ジミンか」

部屋の中から声が聞こえてくる。

「はい」

俺とそっくりのこの男は、ジミンというらしい。
聞き覚えのある名前だ。
どこかで聞いたのだが、直ぐに思い出せない。

「入れ」
「失礼します」

その返事を合図にジミンが部屋へ入ると、中ではもう一人の男が書き物をしていた。

「補佐として勤める事になりました、シム・ジミンと申します」

男は書き物をする手を止めた。

「うむ」
「全力を尽くさせて頂きます。ご指導の程宜しくお願い致します」
「全力か……」

切れ長の鋭い眼差しがジミンを射抜く。
この人は確か、教科書で見た……
チョン・イルホ。
この瞳に惹かれ、写真の彼を暫く眺めていたのでよく覚えている。
すると、おぼろげだったジミンの記憶も同時に思い起こされた。
俺と全く同じ顔をしたこの男はシム・ジミン。
チョン・イルホと主従関係にあった男。
先生がそう言っていた。

「俺に服従できるか見せて貰おう」

チョン・イルホは背広を脱ぎ捨てるとジミンに命じた。

「服を脱いでソファへ横になれ。早速だがお前を抱く」
「はい」

ジミンは躊躇い無く裸になると、ソファへ横たわった。
これから抱き合うというのに淡々としている二人。
彼等にとって、これは主従関係を成立させるための儀式でしかないのだろう。
チョン・イルホが纏った服を全て脱いだ時、彼の背中を見てジミンが言った。

「力強い背中をしてらっしゃる。貴方の背負っているものの大きさがよく見えます。抱いて頂けるとは贅沢なことです」

チョン・イルホは笑って言った。

「おかしな奴だな。そんなことを言う奴は初めてだ」
「お気に障りましたか。申し訳ございません」
「嫌ではない。気にするな」
「はい」

それから二人は体を重ねた。






「キツい。もっと力を抜け」
「は、はい……」

有り得ない光景、理不尽な言葉に唖然としながら、俺はただ二人を見つめていた。
貫かれたジミンは、辛そうに顔を歪めながら懸命に息を吐いた。

「辛いか」
「平気です」
「嘘を言うな。痛いんだろ」
「痛い……です」
「背中に腕を回せ。爪を立てていい」
「そんな、出来ません」
「いいから腕を回せ」
「……分かりました」

ジミンがしがみつくと、チョン・イルホもジミンを抱き締めた。

「熱いな……」
「はい……」

二人は額を擦り付け合いながら、互いに息を吐いた。
そこに愛が見えた気がして、なんだか映画のワンシーンのようだと思った。









◇◇◇



あと8話くらい。
背広にソファっていつの時代を書こうとしてるのか。
西洋文化が流行ったころ?
いい加減でスイマセン……(*_*;
ヤンギョクカモのような古風な服装よりは、タイムのジャケ写のような感じ。





人気ブログランキングへ

にほんブログ村 二次BL小説


スポンサーサイト

Comment 2

NB  

ちゃ○さま

★ちゃ○さま

新しいお話見て頂きどうもです♪

確かに、霊とか魂とかそんなジャンルではありますが……心霊体験は聞きたくありません(笑)

霊感あると大変なんですね((T_T))
私はほんっとにゼロですよ。
良かったですけどね!

Edit | Reply | 
-  

管理人のみ閲覧できます

このコメントは管理人のみ閲覧できます

Edit | Reply | 

What's new?