僕のピアニッシモ 8



















僕のピアニッシモ・表紙

















父さんへ

毎日仕事、お疲れさまです。
手術は無事成功し、僕は視力を取り戻す事が出来ました。
オペを勧めてくださり、手術費も出して頂いて大変感謝しております。
なかなか父さんに会えない僕ですが、寂しくはありません。
嬉しい知らせがあります。
僕を大切にしてくれる、素敵な恋人が出来ました。
男性ですが、とっても魅力的な人です。
父さんが買って下さった家で、二人で幸せに暮らしています。
宜しければお顔を見せにいらしてください。

チャンミンより



「送信完了」
「何が?」

首を傾げたユノに、父さんへ送ったメールを見せた。

「こんなにはっきり言って、大丈夫?」
「いいんだ。隠してたってしょうがないし……。もう、いい子で居るのは辞めにするよ」

もし父さんが反対しても、僕は引くつもりはない。
だけど何となく、父さんは僕らを祝福してくれるような気がする。
父さんは僕の本当の気持ちを知らないだけで、愛していない訳ではない。
手術や仕送り、贈り物に金を惜しまないのは、僕の幸せを願っているからだ。
ユノと居るのが僕の幸せだという事を、理解してくれると信じている。
彼に必要なのは、愛し方の知識と仕事以外の時間だと思う。

「父さんが来たときは、堂々と挨拶してね」
「分かった」

怯まずにしっかりと頷くユノ。
君は、やっぱり力強くて優しい。
僕と正反対の心が、その強さが愛おしい。
ひとつになって居たいよ。
心も、身体も……









全てが初めての体験で、僕は硬直してしまった。
広いベッドの上、ユノは僕を組み敷いて、舌が絡むような濃厚なキスをした。
唇を解放されほっとしたのも束の間、今度は鎖骨にキスが降ってきた。

「うわっ……」
「先生、いい匂い」

ユノの唇が、段々と胸の蕾へと近付いてゆく。

「ちょっと……待ってくれっ」
「ん?」

情けない事に、僕はただ息をしているだけで精一杯だった。

「置いていかないで……。心臓が、飛び出そうだ」
「もしかして……こういうの初めて?」

ストレートなその質問に、僕は顔を赤くしながら頷いた。
就職するまでまともに恋愛をした事がなかったし、失明してからは恋愛とは無縁の生活を送っていた。

「僕は……お前しか知らないから。面倒くさくてごめん」
「何言うの。俺が初めてなんて凄い嬉しい。幸せだよ」

ユノは僕を抱き締め、ぴったりと身体を密着させた。

「俺の鼓動、解る?先生と同じ。凄い緊張してるの」

触れ合った胸の辺りから、心臓がドクドクと鳴っているのを感じる。

「 allegro…… 」
「へ……?」
「テンポがいい」

ユノは、クスッと笑いながら言った。

「これから、もっと速くなるかも」
「僕も……」

天窓からは星が瞬く夜空が見え、熱っぽい視線で僕を見つめるユノを月明かりがぼんやりと照らし出す。
その光景は幻想的でとても綺麗で、なんて贅沢な夜だろうと思った。
初めて感じるくすぐったさや快感、痛み、ユノに与えられる全てが愛おしい。
頭の中では、大好きなノクターンが流れている。
甘美な戦慄の中、僕はユノに抱かれた。











その晩。
ユノの温かい体温に包まれ、幸せな夢を見た。


僕はまた、ピアノに指を走らせる。
暗闇ではなく、大きな会場のステージの上で。
優雅に美しく、ユノと初めて出会ったあの頃から、失明、再会、現在に至るまでの軌跡を描くように。
演奏を終えて礼をすると、会場の客達が立ち上がって一斉に拍手をした。
最前列の僕から見た真正面に、ユノが微笑みながら立っていた。
僕らは暫く見つめ合っていたが、ユノはステージに上がるとすぐ側までやって来た。

「先生、愛してるよ」
「僕も……愛してる」

顔を寄せると、抱き合いながら熱いキスを交わした。
拍手は止まずに鳴り続ける。
僕らを祝福するかのように。



ユノ、僕は誓うよ。
君と永遠に、メロディーを奏でていく事を。









End



◇◇◇



はい、終わりです。
エッチを期待した方、すいません。
エロメインでは無いので、さらっと爽やかに終わらせました。
後書きという名の言い訳、コメ返は後程……

トンとコラボしたツリー、見に行きたいなぁー
遠いよーぐすん(;_;)
ビギイベ行かれる方も楽しんで来てくださいねー!





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5 Comments

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2014/11/02 (Sun) 14:20 | EDIT | REPLY |   

NB  

み○さま

★み○さま

こんばんは、お久しぶりです!
お話、読んでくださったんですね。
私も、年下ユノ×大人ちゃみは考えた事がなかったです。
リクエストを頂かなかったら、きっとこれからもこういった設定のものは書かなかったと思います。
本当に楽しく書かせて頂きました~

こんなホミンもありですか、良かった!
あれ?まめ○さま変態会員さまではなかったんですね?(笑)

自分がお留守番故に、喜べない複雑な心境……よく解ります。
大丈夫です、当たり前な感情くらいに捉えているので。
私は、コンDVD見て気持ちを紛らそうと思います。

2014/10/31 (Fri) 23:06 | EDIT | REPLY |   

NB  

ちゃー○んさま

★ちゃー○んさま

今晩は!
こちらこそ、最終回までお付き合い頂きありがとうございました。
素敵な感想も頂き、どうもありがとうございます。
静かな話も変態もお好きですか?私もです。
基本二人なら、救われないアンハッピーなもの以外何でも美味しくいただけます(*^_^*)

リクエスト、是非とも~(^^)
自信はあまり無いのですが、リクエストして頂けたらご期待に添えれるよう頑張ります。

2014/10/31 (Fri) 22:52 | EDIT | REPLY |   

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2014/10/31 (Fri) 18:41 | EDIT | REPLY |   

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2014/10/31 (Fri) 08:49 | EDIT | REPLY |   

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