turn over 9

  30, 2014 19:14


シャワーを浴びた後、二人で朝食を取りながら今日のことを話した。

「仕事、出来そうですか?」
「何で。出来るよ」
「身体は?」
「んーまぁ、大丈夫だろ。今日明日はダンス挟まないし」

やはり、身体には負担をかけてしまったか。

「んな顔すんなって。気持ち善かったんだろ?俺も善かった。それでいいじゃん」

顔色を曇らせた俺に、ヒョンが言った。

「……そうですね」

ぐだぐだ考え込むのは性分じゃないし、ヒョンにも申し訳ない。
そう思って素直に頷いた。

「あ……マネヒョンに迎え頼んどきましたんで、車は置いていってください」
「チャンミナさぁ……」

ヒョンがくすくすと笑った。

「ちょっと心配し過ぎなんじゃない?」
「こんな過保護な嫁は嫌ですか」
「え…………」

ヒョンは、何か言いたげにこちらを見ている。
きっと、俺が昨晩落ち込んでいた理由が、頭に浮かんでいることだろう。
二人になってからずっと、ヒョンの隣に並ぶと女に見立てられることが嫌だった。
でも心が広いヒョンを、これからは少し見習おうと思う。

「知ってる?俺が嫁って呼ばれてんの。ウケるよね」
「やめろよ。無理するな」

ヒョンは眉を寄せて、顔を曇らせた。

「もういいです」
「何が」
「全部」
「やけくそじゃん」
「まあ」

俺とヒョンが互いに想い合っている。
一番大切なのはそこだ。
回りの刺激は関係ない、好きにやってくれというスタンスで行こうと思う。
大切なものを守るため、要らない拘りは捨てる。それが俺の出した答えだ。
それに、このポジションも回りの評価も、俺がこれまで努力した結果、むしろ誇るべきものだと思うから。









マネージャーが迎えに来る時間が迫ってきた。
玄関先で、靴を履くヒョンを前に俺は呟いた。

「俺、もっと自分出してこうかな」
「ふーん。どういう風に」
「こう、オープンになるっていうか。その方が格好よさ気じゃない?」
「ふーん。いいんじゃね?」
「本当にそう思う?」
「うん。大丈夫大丈夫」

たまに、ヒョンの大丈夫は信用出来ない。
その時のテンションに任せていることも多々ある。

「他人事?」
「まさか」
「でもちょっと適当だったでしょ」
「あーはー。ばれた?」

ため息をついた俺を、ヒョンは優し気に、じっと見つめて言った。

「好きな様にしな。お前ならきっと上手くやれるだろ。まぁ、今のままでも十分格好いいと思うけど」
「そうすか……」
「じゃあ。またな」

ヒョンはそれだけ残すと、扉の向こうへ消えてしまった。
小さく笑いながら、俺は呟いた。

「あんたには負けますよ」












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