ROCK YOU 19

















ROCKYOU修正
















ショックで何も手につかない。
大学へは行きつつも、必要な用事を済ませると家へ直行し、ボンヤリする日々を過ごしていた。
かつて、こんなにも弱った事は無かった。
数日前、ミナから着信があったが出ることが出来なかった。
それ以降、毎日携帯へ着信が入り続けている。
もうそろそろ電話しないとまずいかも知れない。
俺は携帯を手にすると、渋々発信を押した。

『もしもし!?お兄ちゃん!?』
「ああ……」
『もう、心配するじゃない!何回電話したと思ってるの。ちゃんと出なさいよ。今日大学に行ったけど、シウォンさんがもう帰ったって教えてくれたわ。今家に居るのね?』
「うん、居るよ」
『今から行ってもいい?』
「……駄目だ」

今はミナに会う訳には行かない。
これまで通り、優しくしてやれる自信が無い。

『どうしても……駄目なの?』

ミナには悪いが嘘をついた。

「なんか熱っぽくて。うつしたくないんだよ」
『そんな……余計心配よ……』
「大丈夫、すぐ治るから。な?」
『でも……』
「良くなったら今度はちゃんと連絡する。じゃあ、また……」

通話を切ると、俺はベッドへ寝転んだ。
キャビネットからアルバムを取り出すと、幼少期からのミナとの写真を眺めた。
今まで大事に守り続けてきた、かけがえの無い俺の宝物。
失いたくない……
アルバムを抱き締めながら、俺はいつの間にか眠りについていた。



鳴り響いたインターホンの音に、俺は目を覚ました。
時計の針は20時過ぎをさしている。
こんな時間に誰だ?
玄関へ向かい、ドアの穴からその人物を確認した途端、心臓がドキッと跳ねた。
ドアを開けるのを躊躇っていると、もう一度インターホンが鳴った。
緊張を逃がすように深呼吸をして、俺はゆっくりとドアを開けた。

「……ちっす」
「チャンミン……何で……」
「ミナちゃんから体調悪いって聞いた」

一先ず、ドアを閉めてチャンミンを中へ入れた。

「わざわざありがと。悪いな」
「……熱、酷いの?」

チャンミンが、掌をそっと俺の額に当てた。
思わずビクついた俺を見て、チャンミンは直ぐに手を離した。

「……触られるの嫌なら、そう言えば?」

そんな訳無い。
俺は、お前が……
死ぬほど伝えたかったその言葉を、飲み込んだ。
言ってはいけない。絶対に。
黙り込む俺を見て、チャンミンは溜め息をついた。

「帰るよ……。なんか、来てごめん」

俺に背を向けると、チャンミンはドアノブに手をかけた。
嫌だ。
行くな、チャンミン。

「…………くな」

言葉を発した途端、チャンミンの動きが止まった。

「……行くな」
「え……?」

俺の方を振り返ったチャンミンの顔を見たら、もう駄目だった。
溢れ出す想いを、抑えることはできなかった。
震える手で、俺はチャンミンの腕を掴んだ。

「チャンミンッ……」
「ユノさん……?」
「俺……おかしくて……もう駄目だっ……」

涙腺が崩壊したかのように、涙が次々と溢れて頬を濡らしてゆく。

「この前……ミナとお前がデートしてるの見た。凄い幸せそうで、俺も幸せな筈なのに……それなのに俺、ミナにお前を取られたくないって思った……。俺サイテーだっ……」

こんな事、チャンミンに言うべきじゃない。
俺は一体、何をやってるんだろう。
もう全て終わった。

「ごめん……。帰っていいよ……。忘れてくれ……」

チャンミンの腕を離して、俺は床に座り込んだ。

「……ねぇ」

次の瞬間。
顔を捕まれ上を向かされたと思うと、激しく口付けられた。

「んっ……」

チャンミンが、器用に俺の舌を絡めとる。
頭は連日考える事に疲れて、限界に追い込まれていた。
ぼーっとして何も考えられず、与えられる気持ち良さにただ酔いしれてしまう。

「ん……チャ……あふ……」

暫く舌を絡ませた後、唇を離すとチャンミンは呟いた。

「ユノさん、あんまり煽らないで」
「何……が……?」
「無自覚だもんなぁ」

くすりと笑うその顔は、心なしか幸せそうに見える。

「ミナちゃんとは付き合ってない。これからも、付き合う気はありません」
「そう……なのか?」
「そうです。だからユノさん、俺の恋人になって。俺を好きなんでしょう」

俺はさっき、何と言っただろう。
直接想いを口にしなくても、取られたくないなんて言ってしまえば、告白したも同然だ。
慌てて訂正しようとした。

「ち、ちが……」
「違わない。ユノさん、ミナちゃんじゃなく、一番に貴方の幸せを考えるんだ」

頬を両手で包み込み、チャンミンは潤んだ瞳で俺を見つめた。

「自分に正直になって。俺の事、好きって言って……?」

甘い言葉と声が頭を支配して、余計な考えは全て消えてゆく。
自分の想いに、正直になる。
俺は……



「チャンミンが、好き……」
「俺も、貴方が好きだ」

想いを口にした途端きつく抱き締められ、そのままゆっくりと床に押し倒された。
初めはひんやりと冷たかった床も、深く深くキスを交わすうちに、熱を持ち始めた体温に馴染んでいった。



ああ、ミナ。

俺、最低な兄貴でごめんな……?











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4 Comments

NB  

ゆかたろうさま

★ゆかたろうさま

そうですね……素直になるって案外難しい。
大切な人と同じ人好きになっちゃったら、余計伝えられないですよね。
誉めて頂いてありがとうございます。
ユノ頑張って良かったです!

2014/09/20 (Sat) 17:32 | EDIT | REPLY |   

NB  

さえ○んさま

★さえ○んさま

こんばんは~!

やっと告白しましたよー
個人的にこのお話の萌えて欲しいところは、シスコンでミナちゃんが全てだったユノが、チャンミンに出逢って始めてミナちゃんを犠牲にする、というところです。
それほどチャンミンに夢中になっちゃったという。
葛藤するユノに寄り添うような、優しいコメントありがとうございます(;_;)
作者に苦しめられてばかりの彼らも、さえ○んさまのコメントでいつも救われている事と思います。
ミナちゃんは優しい子なので大丈夫です。
そう、ユノの妹だしなんたってBLなので♡笑

押し倒した後は見ていただけたかな……
不完全燃焼のため、番外編を書くことにしました。
また続きますが、よろしければお付き合いくださいm(__)m
もうすぐ終りますが、また書き途中の物が三つも……(笑)
頑張ります。

温泉旅行いいですね!
ゆっくりお休みになられたようで良かったです。
もうすでに、東北は夕方になるとさむーいです!
ありがとうございます、さえ○んさまも風邪などに気を付けてくださいね。

先行予約大変だったようですね!電話が繋がらないとか。
実は私、ファンクラブに入っていなくて。
トゥリーも一般で運良く複数行けて……
でも来年はそうも行かないだろうから、入ろうと思っていたんです。
そしたらおもいのほか先行予約早かったという(;_;)
プレミアムたっかいですよね~(笑)
兵役後は元に戻る事を願います。
わーい!今から願掛けですね!
さえ○んさまがプレミアム当たりますように♡
心から祈っています!

私、もし福岡当たったら絶対飛ぶ覚悟です(笑)
もし当たったらその時はお会いしたいです~ヽ(´▽`)/

またいらしてくださいね。
いつも本当にありがとうございます♡

2014/09/20 (Sat) 17:25 | EDIT | REPLY |   

ゆかたろう  

やっぱりさぁ
自分の気持ちって 正直に 伝えるのが
1番なんだよねえ
わかっちゃあ いるんだけど
なかなか 出来ないんだけどね!
ゆの 良く 頑張りました!

2014/09/17 (Wed) 00:11 | EDIT | REPLY |   

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2014/09/16 (Tue) 15:39 | EDIT | REPLY |   

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