ROCK YOU 17

















ROCKYOU修正
















「俺、何か飲みもん買って来る」
「え……。これ以上要らないよ」
「いいからいいから」

せっかくなので、ミナと二人きりにしてやろうと思った。
俺は病室を出てロビーにある自販機を目指した。
俺がミナと付き合う事を許してから暫く経つというのに、二人はまだ交際していない。
事件があってバタバタしていたせいかも知れない。
これからは心置きなくミナとの恋愛に集中して欲しい。
飲み物を買い終わり、病室へ戻ろうとした時だった。
鼻をすすりながら泣く声が聞こえてきて、俺は立ち止まった。

「私……ずっと言いたくて……。ごめんね、チャンミン」

こっそりと、戸の隙間から部屋の中を覗いた。

「私がお兄ちゃんを助けてなんて頼んだから……。あんなことしなきゃ、チャンミンはこんな目に合わなかったのに。ごめんね。ごめんね」
「そんな事ない」
「ううん。私がチャンミンにばっかり頼らないで、もっと頑張れば良かったのよ……」

俯くミナの肩を掴むと、チャンミンは上を向かせて言った。

「ミナちゃん、もう謝るな。俺そんな可哀想に見える?」
「み、見えない」
「どっちかって言うと、勇気ある行動を誉めて欲しいんだけど。俺って格好良いだろ」

ニヤリと笑ったチャンミンを見て、ミナは泣きながら言った。

「格好いい……。格好いい、チャンミン」
「よし」

ミナは涙を拭うと、ゆっくりとチャンミンの肩に寄りかかった。
心から喜ぶべき場面だというのに、寄り添う二人を見て俺はどこか寂しさを覚えた。
チャンミンの優しさが、俺以外に向けられている事に少し傷付く。
知らず知らずのうちに、俺はチャンミンを独占している気になっていた。
チャンミンは、今まで必死に俺を守ろうとしてくれたから。
ミナに嫉妬している自分も凄く嫌だった。
動揺した俺は、二人には何も言わずに病院を去った。









「ようやく帰れるー」

午後の暖かい陽が降り注ぐ中、チャンミンが大きく背伸びをする。
チャンミンは今日退院した。
今日退院するという事を知っているのは、チャンミンの家族と俺だけだ。
大勢集まるのを見越したチャンミンが、騒々しいのは嫌だからと俺にだけにこっそり知らせてくれた。

「本当にいいのか?キュヒョンとか、ミナにも言ったほうが……」
「いいんです。あいつにはこれから毎日会うし。それにユノさんとミナちゃん、いつもセットじゃなきゃいけない必要はないでしょ」
「そっか……」

その言葉を聞いて嬉しくなったけど、あまり浮かれるなと自分に釘を刺した。
傷を負う前と変わらない足取りで、チャンミンは俺の横を歩いている。
無事助かりここまで回復したのは、奇跡と考えてもおかしくない。
あの時一歩間違えば、命を失っていたかも知れないのだから。

「俺、もっと人を疑うようにしないとな」
「え?」
「じゃないと、今回みたいにまた誰か巻き込んじまうだろ……」

歩みを止めたチャンミンは、頭を下げて言った。

「あの時は、酷い事言ってすいませんでした。思い知ればいいなんて……」

確かにあの言葉には相当傷付いたが、チャンミンを傷付けた俺に原因があると思う。

「友達が犯人だなんてそう簡単には信じられない。後から冷静に考えて、腹を立てるのは間違いだって気付きました」
「ありがとな。全く信じなかった俺も悪かったし、もう大丈夫だから」

チャンミンは、真っ直ぐに俺を見つめて言った。

「ユノさんは今のままでいい。また変な奴がやってきてあんたが気付かない時は、俺が追い払うよ」
「……ありがたいけど、遠慮しとく」
「どうしてですか」
「俺にばっか構ってたらお前が大変だろ。俺の事はいいから、ミナの側に居てやってくれ」

そうだ、これが正解なんだ。

「俺……ミナちゃんと付き合う気はありません」
「何でだよ?」

思いがけないその発言に混乱した。

「他に、好きな人が居るから」

そんな酷い展開あるか。
ミナは、お前の事が好きなのに。

「許せねぇ。誰だよ?お前を誑かした最低な女は。俺が説得して引き離してやる」
「説得しても無理です。それに……女じゃありません」
「は……?」

チャンミンの言っている事が理解できず、頭がパンクしそうになる。
説得出来ない。しかも女じゃないだと。
だとしたら男。チャンミンはホモなのか?

「だ、誰でもいい!とにかく俺がやっつけてやるから教えろっ」

問い詰めても、チャンミンは俯いたまま喋ろうとしない。

「おい?」

やっと口を開くと、ぼそりと呟いた。

「…………今、目の前にいます」
「目の前?」

咄嗟に後ろを振り返ったが、誰もいなかった。

「馬鹿ですか」
「だって、俺しか居ないじゃん」
「だからぁ……」

そう、チャンミンの目の前にいるのは俺だ。
女じゃなく、男の……

「……そういう事です」
「……まさか」
「…………」
「俺?」

チャンミンはこくりと頷いた。

「…………えぇっ!?」

俺は口を開けたまま、その場に立ち尽くしてしまった。









◇◇◇



拍手たーくさんありがとうです!
嬉しいです・゜・(つД`)・゜・感謝♡

ふ~色気のない告白ですね。
どうなることやら。
小説でギャグ調ってやっぱり難しい。





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