ROCK YOU 10

















ROCKYOU修正
















「どうです。計画は」
「順調だ。いい感じに追い詰められてる」
「平気なふりしてるけど、あれで弱ってると思うと堪らないなぁ」
「ただ邪魔者がいるんだ。牽制に写真を送りつけてやったよ」

牽制に、写真を……?
何処かで聞いたその声が不気味に笑った。
身に覚えのある内容に緊張感が走る。
俺は存在感を消すように息を潜め、ゆっくりと背後を振り返った。
会話は奥のテーブルから聞こえてくる。
席には男が二人。煙草をふかしている。
白い薄ぼんやりとした煙が消え、霞んでいた顔が露になった。
俺は、息を飲んだ。
いつかの光景が、頭を過った。

━━━━『こいつらはシウォンとソンジン。学生の統括一緒にやってる奴等だ』

その人は、東帝国大学に行った時ユノさんが紹介してくれた友人のひとり、ソンジンさんだった。

「いつも傍にいる俺が犯人と知ったら、ユノはどう思うだろうな。早くその顔が見たい」
「ふふ……残酷な人だ」

仲間らしきもうひとりの男は知らない奴だ。
この二人が実行犯だったのか?
それとも、他にも複数いるのだろうか……
ソンジンさんはユノさんの友達だと紹介された。
見る限りかなり親しげに見えた。
それなのに、一体この人は何を考えてるんだ。
ユノさんは、こいつを信用して大学で毎日一緒に過ごしてるはずだ。
一刻も早くユノさんに知らせなければ。
もう一度奥のテーブルに視線をやると、二人の姿は無かった。

「居ない……」

辺りを見回してもラブの外へ出ても、それらしき姿は見当たらなかった。



ポツポツと降り始めた雨が、灰色のコンクリートを濡らしてゆく。
黒く染まる地面を眺めながら、俺は心を落ち着かせた。
深呼吸をすると、ポケットから携帯を取り出しユノさんに電話をかけた。

『……もしもし』
「ユノさん」
『チャンミン、どうした?』
「話さないといけない事があります。今から……俺と会って」
『……今、どこ?』

俺は、門の前で立ち止まった。

「もう、大学まで来てます」
『え……?』



インターホンを押すと扉が開いて、中からユノさんが顔を見せた。

「遅くにすいません」
「チャンミン!そんなに濡れてどうしたんだよ」

傘を持っていなかったし、店に寄って買うほど心の余裕も無かった。
部屋に俺を入れたユノさんが、タオルを取りに行こうとするのを止めた。

「ユノさん……とにかく話を聞いて」
「どうした。何かあったのか?」

沈黙の後、俺は口を開いた。
ユノさんは辛いだろうが、言わない訳にはいかない。

「犯人が……解りました」
「え……?」
「犯人を、この目で見た」
「ほ、本当、なのか……?」
「本当です……。犯人は……」






その名前を口にした直後、ユノさんは笑って言った。

「チャンミン。いくらお前でもそんな冗談は許さない」
「本当です。嘘じゃない」

ユノさんの表情が、真剣な顔つきに変わった。

「本当に許さないぞ。ソンジンは俺の大切な友達だ」

そんな事、俺だって解ってる。

「でも確かに見たんです。クラブでソンジンさんが、知らない男とユノさんの事を話してた。確実に、ストーカー行為の事だった」
「チャンミン、お前の見間違いだ」
「ユノさん!」
「絶対に違う。あいつがそんなことするはずない」

俺の言葉を否定し続けるユノさんに、段々と苛々が募ってゆく。
黒い感情がふつふつと湧いてきて、俺はよく考えもせずにその言葉を吐いていた。

「そんなにソンジンさんが好きですか。俺の事は信用しないで、ソンジンさんを選ぶんですね」
「そうじゃない!」
「そうだろ」
「チャンミン、聞けよ」
「俺は絶対に見間違えてなんかいない。でも、あんたがそれを受け入れるつもりがないのはよく解った」
「…………」
「思い知ればいいよ。自分が間違えてた、俺を信用すれば良かったって」
「チャンミン……」
「じゃあな」

ユノさんに背を向けると、俺は部屋から立ち去った。
家へ続く暗い夜道を、一人とぼとぼと歩いた。
ドアが閉まる直前に見たユノさんの切なげな顔が、泣きそうに歪んだ顔が、頭に焼き付いて離れない。
こんなにも残酷な言葉をぶつけてしまったのは、俺を信じてくれないユノさんが憎かったから。
この醜い感情はもう、友情とか憧れとかそんな言葉じゃ片付けられない。

俺は、ユノさんが好きなんだ……












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ブラックチャンミンごめん。
さすがに犯人を他グループのメンバーには出来ないので、ソンジンはオリキャラです。
名前は韓国のよくある名前で検索しました。
なんかギャグテイストのつもりだったのにシリアスに……
やっぱり私ってシリアス向きなのかも知れません。
お盆だしちょっと更新stopします。
コメ返はお盆中にしますねー(^^)

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2 Comments

NB  

茶〇さま

★茶〇さま

いらっしゃい!
そうですか・・・・・・うーん、いろいろありますよね。
私もいつもトンを追ってるわけではなく小説中心です。
一番いいのは、求めているものが同じサイトを見つけるもしくは自分が管理者側だったら同じタイプの方に見に来ていただくことだと思うのですが・・・難しいでしょうか。
あまりのめりこみすぎるとよくないって自分に言い聞かせてますけど、私結構この分野が生活の多くを占めている状態です。
あくまでも楽しむための趣味ですから、苦になってきたらちょっと休んでもいいのかもしれません。
なんだかぼんやりしてしまってこれといった事言えずすみません。

お話読んでいただきありがとうございます。
いろいろ連載しすぎて自分も訳わかんなくなってます・・・・・・
クォンさんは、韓国の苗字を検索してヒットしたのでたまたま使っただけで野王とは関係ないです、すいません!
更新遅いですがよろしければ続きをみてあげてください。

茶〇さまはお盆しっかり休めましたか?
また平日に戻りますが、お互い無理しない程度に趣味もお仕事もがんばりましょうね~!

3回分、1回で返信してしまいすいません。
またお待ちしてます。

2014/08/19 (Tue) 01:10 | EDIT | REPLY |   

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2014/08/14 (Thu) 21:18 | EDIT | REPLY |   

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