ロスト バージン 7


















ロストバージン・表紙

















「わ……懐かし」

ユノの部屋を掃除していたら、数年前のある写真が出てきた。
病院の忘年会の集合写真だ。
大勢いるスタッフの中、ユノとその隣で笑っている俺を見つけた。
ユノは俺ともう片側のスタッフの肩を抱いている。
照れくさそうに笑う俺の顔は、少し赤い。

忘れもしない。
この忘年会の数ヵ月前、俺は片想いを実らせてユノと恋人になった。
どうせ一緒に写るならと、ユノは俺の肩を抱いた。
もう片側のスタッフの肩を抱いたのは、俺の肩だけ抱くのは不自然だからとユノが考慮したからだ。
この頃の俺はユノを“先生“と呼び、抱かれる瞬間はいつも、心臓が飛び出るんじゃないかと思うほど緊張していた。
今は、プライベートでユノを“先生“と呼ぶなんてネタでしかあり得ない。
セックスの時は、俺が女役の筈なのに、どちらが襲っているのか解らない事がよくある。
ユノが大切で、心から愛してる。
この想いだけはずっと変わらない。






「うわ、懐かしいな」
「掃除してたら出てきた」

写真を手にしたユノは、写真と俺の顔を交互に見てしみじみと言った。

「初々しいな……このお前」
「ピュアだったよね」
「はは。自分で言うか」
「だってそう思うもん」
「まぁ、可愛いよな」

ユノはまた写真の中へ視線を戻した。
はにかんで笑っている俺を、じっと見つめている。
恥じらいや戸惑いがある方が可愛いらしいのは解る。
自分に嫉妬するなんて馬鹿ばかしいと思ったけど、今の俺には無い純粋さを持っている過去の俺を少し羨ましく思った。
俺は、取り繕ったりして気持ちを隠す事が出来ない。
好きなら触りたいしキスもしたい。
一緒にいたいし、離したくない。
許されると、遠慮せずにどんどん踏み込んでいってしまう。

「もし俺のこと重くなったら……俺の頭の中、改造していいよ」
「……改造するとしたら、俺しか愛せなくしてやるかな」

拗ねているのを見透かされたのかもしれない。
嬉しさで舞い上がってしまうような言葉をくれる。
そうやって甘やかすから、好きになるのを止められないんだ。
もうとっくにユノしか愛せなくなってる。
言いかけた言葉は、近づいてきたユノの唇に吸い込まれた。






「あ……駄目……かも」
「イきそう?」
「う、んっ……」

熱く硬くなったユノが俺の中に入り込み、腹の裏側を何度も行き来する。

「あ、あ、あっ……あぁっ……ンッ」

ユノのカタチは、俺の中にもうだいぶ馴染んだ。
一度覚えた独特の感覚は癖になって、依存性のある薬のように身体を支配する。

「……だ、だめ、あ……イク、イクッ……」
「んっ……俺もイクッ」

奥でユノが弾けたのが解った。
同時に熱を解放した俺の身体が、ぴくぴくと痙攣した。
熱は身体から徐々にひいていき、俺を抱き締めるユノの体温が心地良く感じる。
このまま眠ってしまいそう……
ボンヤリと、初めてユノに抱かれたあの日の記憶がフラッシュバックした。
泣きながら告白した俺を、ユノは今みたいに抱き締めてくれた。
半分眠りに入った状態で、気がついたら呟いていた。

「俺……先生のことが好き」

失う筈のなかった“初めて“を無くしたあの日から、俺はユノしか見れなくなった。
身体を開く相手は、ユノが最初で最後。
何時だってそう信じてる。



「━━━━俺も、お前が好きだよ」

聞こえたその声が、ユノの声なのか、あの日の先生の声なのかは解らなかった。
ただ幸せを噛み締めたまま、俺は眠りについた。









END



◇◇◇



はい、終わりでございます。
最後うだうだでしたね……飽きてしまった方お許しを(*_*)
今回は、ナイトコールの二人にしてはややシリアスだったかも……

バニーちゃんネタ、道具購入ネタ等まだまだ眠ってるお話が沢山ありますので、文字に起こしてまた御披露目出来ればと思っております。

沢山の拍手、コメント頂き本当にありがとうございました!





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2014/08/11 (Mon) 23:05 | EDIT | REPLY |   

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