turn over 6

  17, 2014 22:51


その言葉を放った途端、空気が凍りついた。
チャンミナは、目を見開いたままフリーズしてしまった。
どうやら俺は言葉のチョイスを誤った様だ。

「なに言ってんすか、もう」

苦笑いをしたチャンミナがそう漏らすと、緊張感は幾分和らいだ。

「だよなぁ。俺を抱こうと思っても興奮しないよな」
「……うーん、それはどうかな」

意外な返答に驚いた。

「え……抱けんの?無理でしょ」
「……何で?」

チャンミナは、少し不満そうな顔で俺を睨んだ。

「だってお前、抱きたいとか言ったことないじゃん」
「それは今のままで満足してるからで……絶対抱けないって決めつけられると……ちょっと、腹立つ」

それは男としてのプライドなのか、俺を愛する故なのか。
追及したくなった。

「でもさ、俺に抱いてそそられるような色気、ある?」
「うーん……」
「無いだろ」

そうだ。
俺はチャンミナがどうこうの前に、抱かれる自分が全く想像出来ない。

「そんなに否定すんのは、抱くポジションを譲りたくないから?それとも単に、自信が無いだけ?」

少し苛立った口調でチャンミナが言った。
何やら不穏な空気が漂い始める。
このまま喧嘩に流れるなんて御免だ。
俺は内心焦りながら、宥めるように言い聞かせた。

「譲りたくないとか、んな話じゃなくてさ……想像出来ないだけだよ。女役なんてやったこと無いし」
「じゃあ、譲る気はあるんだ」
「え……?うん?」
「何で疑問形」

今度は笑いを堪えるようにして、チャンミナが言った。
チャンミナの一言一句に、振り回されている気がする。
俺、珍しく動揺してる?

「はっきりしてよ。譲る気あんの」

冷静になれ。そう自分に言い聞かせながら考えてみた。
俺は別に、抱くポジションを譲りたくないとかそんな独り善がりなことは思ってない。
チャンミナは俺を抱けないと、今迄そう決めつけていたのは……
やっぱり、抱かれる側の自分に自信が無かったからだ。

「お前の言う通りだ。自信が無いんだよ……」
「へえ」
「俺、男らしいとか格好いいとか、そういうイメージだろ」
「まあ、間違っては無いです」
「回りもそんな感じで言うじゃん。お前みたいに可愛いとか滅多に言われないし。だから全く想像出来ない」

チャンミナは少し考え込んでから、ゆっくりと口を開いた。

「……自信、つけてあげましょうか?」

そう囁いた直後、チャンミナは俺に覆い被さってきた。
ちょっと待て。この展開は予想外。
俺を見下ろす顔には、いつもの可愛らしい面影は見えない。
初めて見るその顔に、少し戸惑ってしまった。

「ほ、本気かよ」
「あんたを抱くって……一度も考えたことが無いといったら嘘です」

チャンミナは、ふっと微笑みながらそう言った。
嘘だろ。衝撃的過ぎる。
状況を飲み込むと同時に、心臓がドクドクと煩いほどに騒ぎ始める。
チャンミナの、欲望を含んだエロい雄の視線。
それが俺に向けられている。
どうしよう、ゾクゾクしてきた。

「ちょっ……ちょっと待って」
「何」
「今……心の準備、してるから」
「……それは、了承と取っていいんですね」

チャンミナが、真剣な顔で問いかけて来る。
返答次第で、抱かれるのを回避することはできた。
でも……

「いいよ……」

拒む理由なんて無い。
チャンミナが抱きたいというなら、抱けばいい。
結果、起たなくて失敗に終わっても構わない。
チャンミナが大事だ。チャンミナの意志は、俺の意志でもある。

「お前なら……いい」

自然と笑みがこぼれた。
嫌という気持ちは、全くと言っていい程無かった。

「ヒョン……」

照れているのか、顔を紅潮させて俺を見つめてくる。
そんなチャンミナの、全てが愛おしい。

「お前さえ嫌じゃなきゃ、抱いてよ」
「結構痛いですけど」
「いい。お前に貰う痛みなら大丈夫」
「また、そうやって恥ずかしいこと平気で言う」
「うん。ごめん」

深呼吸をすると、目の前の顔を両手で包み込んだ。
大丈夫。もう覚悟は出来た。
唇が、今にも触れ合いそうな距離で見つめ合うと……

「ヒョン」

更に距離が縮まって。

「チャン、ミ……ふっ……」

名前を呼び終えるより前に、俺よりもひと周り大きな唇に、声は吸い込まれた。






――――「抱けますよ。俺はヒョンが好きなんだから」

ふわふわと意識が浮上する中、俺は確かに、甘い囁きを聞いた。












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Comment 4

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わ○さま

はじめまして、ミンホにどきどきして頂いて嬉しいです(^^)
パスは......残念ですが、この場ではっきりと伝えることは出来ません。本当に申し訳ありません。
でも、簡単ですよ。誕生日は宜しいです。
"この世界"は、大きくとらえてみて下さい。ホミンに限らず、この分野といいますか......
私から言えるのは、ここまでかな(^_^;)
頑張って考えてみてください!

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ゆののん様


初めまして、コメントありがとうございます。
続きを楽しみにしていただき嬉しい限りです♪
ホミン、ミンホ同じお話の中でリバるストーリーは無いなと思い書きはじめました。
自分でも意外と楽しく書かせて頂いてます。
どちらの左も捨てがたい派は確かにおいしいかもしれません(^_^)
しかしメインシーン、出来上がってみたらやり過ぎた感が...(笑)
お口に合うかドキドキです...!

宜しければまたコメント書いてやってくださいませ。
造作エネルギーの源ですから~!

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