turn over 5

  13, 2014 20:53


チャンミナから告げられた事実に、俺は唖然とした。
そしてそれは確かに、俺達にはどうにも出来ないことだった。
俺達を応援しているファンの中には、メンバー同士の恋愛を好む人もいる。
それはこの業界に入って間もない頃から知っていたし、事務所がそんなネタのDVDを売り出していた時もあった。
男同士にしては過度に思われる様な触れ合いを、ファンサービスの一環で曝した事も沢山ある。
会社や俺達にも原因はあって、一方的には攻めらない。
議論してどうにかなるものでもない。
今までと同じように、黙認するしか無いのだ。
非現実世界で作り出される俺達が無くなる日は、きっとこの先来ない。
いちいち心を乱して居られない事は、きっとチャンミナも解っている。
だけど不運にも現実を直視してしまい、混乱しているのだ。
理解と受容は別物だ。
事実として理解していても、実際に見て受け止めろと言われたら厳しい。
俺達が恋人同士である。それが事実だとしても……
俺の大事なチャンミナをこんなにして。
そのサイトの作者を見つけ出して、説教してやりたい。

「だからどうしようもないって言ったでしょ」
「…………」
「見た俺も俺だし……もういいよ。そのうち立ち直るから」

チャンミナが見てしまったのは、自分の意志では無いのに。
何か、何かしてやりたい。
チャンミナの気持ちが少しでも晴れるように。
かっこよくクールでありたい。
男なら誰しもが持つ理想像、プライド。
多分、チャンミナは人一倍それが強いんだと思う。
俺に抱かれるようになってからも、暫くの間悩み続けていた。
だから、そんな写真を見て傷付かない訳がない。
俺が見たのなら、まだダメージは少なかったのに。

「こんなこと……愚痴ってすんません」
「こんなこととか言うな」
「そうですか?俺がもっと打たれ強かったら済んだ……簡単な話でしょ」

チャンミナは自嘲的に笑うと、ふらりと立ち上がった。

「どこいくの?」
「風呂。悪いけど、ヒョンは後でね」

チャンミナは、そのまま風呂場へと消えてしまった。



その後、俺とチャンミナが、積極的に言葉を交わす事は無かった。
俺が風呂から上がるとリビングの電気は消えていて、寝室を覗くとチャンミナは既にベッドへ潜り込んでいた。
折角泊まりに来たのに、気まずい雰囲気を引きずったままなんて悲しい。
今夜はこのままそっとしておいて、別々で寝た方がいいのだろうか。
違うと思った。
俺は寝室へ入ると、ベッドの端に座って声をかけた。

「チャンミナ、寝た?」
「……起きてます」

返事をしてくれたこと、そしてあっさりとこちらを向いたことに驚いた。

「一緒に寝ていい?」

チャンミナは何も言わずに、笑みを浮かべて両手を広げた。
意外にも、チャンミナは穏やかだった。

「ビックリしたって顔に書いてある。分かり易過ぎ」
「ごめん。分かり易くて」

ベッドへ潜り込んで、暖かい身体をぎゅっと抱きしめた。

「もう大丈夫なのか?」
「まぁ……なんていうか、どうでも良くなってきたかな。この仕事やってて、開き直りが大事だって学びましたから」
「はは。さすが、頼もしいな」

あやすように、背中をぽんぽんとたたいた。
冗談のように言っていても、割り切るまでの苦悩を思うと胸が痛んだ。
でも、やっぱりお前は強い。
壁に当たってもその度こうして、自力で立ち上がることができるのだから。
打たれ強いお前は、カッコイイ。

「なぁ……お前はちゃんと男だよ。男の中の男。格好いいし、努力家だし」
「うん」
「……それに、怒ると恐いし?」
「それはヒョン限定だから」

笑い合った振動が、互いの体に伝わってくすぐったい。

「女に似てなんてない。全然似てない」
「ありがと。そう言ってくれるだけで十分満足です」
「本当?」
「本当」

それでも俺は考えた。
チャンミナを、何かしてあげることで救えないものか。

「……俺も写真見る?」
「死んでも止めて」
「だよなぁ」

やっぱりこれは却下。

「一緒にエッチなビデオ見る?」
「いいけど俺内容にうるさいですよ。女の見た目と、胸のデカさと、あと時間の長さが……」
「やっぱり俺が妬いちゃうから駄目」
「ふふっ」
「じゃあ……」

冗談で和ませる流れになったが、チャンミナが楽しそうに笑うから嬉しくなった。
俺は、いつか想像したあの台詞を口にした。
断られる筈だと決めつけて。

「俺のこと……抱いてみる?」

まさか……
それが現実になるなんて思わずに。











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Comment 2

NB  

らぶらブレイス様

始めまして、コメントありがとうございます。

いやいや...私自身文才などこれっぽっちもアレなのですが(;_;)
つい最近まで自分も読む専門に徹しておりましたし。
しかしついに我慢できなくなったんです、妄想を頭に留めておくのが...

好き勝手妄想を下記散らかして完全に自己満足であります。
しかしそんなお話にコメント下さって感激です!

ダークで卑猥...ひゃ~!!!
しかしそれが絵になるんですよね~この2人は。
私も卑猥なホミン妄想を糧に過ごしているためお気持ちは十二分に解ります。

このお話は、
ひとつの話の中でリバるホミンホなお話って珍しいな、よし書いてみよう!
と思ったのが始まりです。
もうすぐ書きたかったクライマックスに突入します、ふふふ。
今後の流れを是非お楽しみに、 可愛いユノ兄さんをたっぷり盛り込みたいと思っていますので!

定期的に来ていただいているなんて、嬉しさに震えます。
コメントもおすわりしながらお待ちしております!

宜しければこれからも構ってやってくださいませ。

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らぶらブレイス  

初めまして。 ちょくちょく お邪魔させていただきます。

ん~ いい感じになっていきそうですね|д゚)

私自身 日々 腐てますが…  文才力ないので 読む方専門です…

ユノ チャンミン 大好きです   今後の展開 楽しみ!  

ダークな感じ  官能的に 卑猥な感じ  …  自分勝手な妄想が ストレス解消なので…

こんな 私ですが、また コメントさせていただきます。  たまにですが(・・;)


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