僕は何度も恋をする 6

 29, 2016

生ぬるい水の中に、僕はゆらゆらと漂っている。水面をじっと見つめるけど、外の景色は見えないままで・・・・・・何か、大切な物を忘れて来てしまったような気がする。目を瞑ると全身で感じる。暖かくて、優しい何か。これは何だろう?懐かしくてとても恋しいのに、はっきりと思い出せない。まじなりに浮かんだ涙が、水の中に溶け込んだ。今日は、何度目かの定期受診の日。いつもは妹に付き添って貰うが、先生から大事な話があると言うの...

僕は何度も恋をする 5

 25, 2016

レトロチックなドアを開くと、揺れたベルが俺の訪問を知らせた。「あら、いらっしゃい」「どうも」「チャンミンなら中に居るわよ?どうぞ」「あ・・・・・・はい。お邪魔します」俺が頭を下げると、おばさんはにっこりと笑った。そして、おじさんに一言。「お父さん、ユノ君にお昼」「ん」おじさんも、当然のように準備に取りかかる。「すみません、いつも」「まぁ、余りもんだから」「ありがとうございます」二人とも、いつも快く迎え入...

僕は何度も恋をする 4

 23, 2016

あの日―――電話を受けた時の事は、今でも鮮明に思い出せる。『ユノッ・・・・・・チャンミナが、バイクで事故ったって・・・・・!』『え・・・・・・・・・?』『意識無くて重体らしいっ・・・・・・』急にそんなこと言われても、全然信じられなくて・・・・・・取り敢えず落ち着け、落ち着けと自分に必死に言い聞かせた。だけど、頭の中は真っ白だった。チャンミナは、スリップして転倒し、そのままガードレールに衝突したらしい。俺はその頃、三ヶ月間出張で家を...

僕は何度も恋をする 3

 20, 2016

―――その出会いは、三年前に遡る。毎朝慌ただしく出勤して、帰宅すると飯を食って寝て終わる。そんな仕事漬けの日々のなか、車やバイクが趣味の俺は、休日ドライブに出かけるのが癒しだった。それまで恋人は居たり居なかったりで、当時は誰とも交際して居なかった。気付けば三十まであと少し。だけど気持ちが割と趣味に向き易い性格なので、特に焦ることも無く、好きなだけ乗り物に時間を費やしていた。所属しているツーリングクラ...

SS

秘めたる恋情!

 19, 2016

※ミンホです。 帰宅すると、今日も疲労の溜まった身体にパンチが炸裂する。「ゴムゴムのバズーカァ―ッ!!」「・・・・・・・・・・・・」「あれ?ちっとも倒れない。もう一回!ゴムゴムのぉ、バズーカァーッ!!」「・・・・・・ぐあああー!!や、やられたぁっ」「いえぇーい!!海賊王に、おれはなる!!」気が済んだか・・・・・・きゃっきゃとはしゃぐ甥っ子を目視すると、俺はとっとと部屋に向かった。「チャンミン、待って...