スタンド バイ ミー 1

 04, 2017

その人は晴れた日もどしゃ降りの日もどんな時も 屈託の無い笑顔でそこに居た雑踏ばかりの 忙しなく過ぎ行く どこか冷めた世界の中まるで・・・・・・路上にひっそりと咲いた一輪の花のように俺は綺麗なものを見ると、シャッターを切らずにはいられない。目の前に美味しそうな物があったら、食べたいと思う。単純だがそんな感覚に似ている。シャッターを切ると、その対象が自分の物になったような気がして欲求は消えてゆく。腹がいっぱ...

スタンド バイ ミー 2

 12, 2017

触れた冷たい身体が、なんだかとてもいとおしく思えた。腕の中に居るのは、俺と同じ男だというのに。彼のことが、まるで・・・・・・今にも息耐えそうな、捨てネコのように思えたんだ。暫くすると嗚咽は小さくなり、彼は泣き止んだのだと分かった。途端に身体をビクつかせた彼は、勢いよく俺から離れた。丸い目と厚い唇を震わせて、しばしフリーズしてから、上擦った声で言った。「俺・・・・・・ごめ、その・・・・・・」ああ、我に帰るってこういう...

スタンド バイ ミー 3

 18, 2017

お決まりの公園の、噴水の囲いに腰掛けている後ろ姿に声をかける。「はい。食糧」パンやらおにぎりが入った袋を差し出すと、彼は俺を見上げて固まった。「え・・・・・・?」「要らないの?」彼は、周りのホームレス達をチラチラ見ながら焦った顔をする。俺の肩に手を添えながら、隅の方まで連れていくと囁き声で忠告した。「ダメだって!皆の目の前で堂々と渡したら。俺だけズルいと思われる」「んじゃ、要らないんだ?」「・・・・・・そうは...

スタンド バイ ミー 4

 29, 2017

俺の告白は、花々を見て「綺麗だな」と感想を言う時のように、無意識で自然なものだった。雨に包まれながら踊る彼は、現実世界の人とは思えないような、神秘的な空気を纏っていた。「君って変な奴ー!」彼は悪戯っ子のような笑顔を浮かべ、俺に向かって叫ぶと、再び踊り始めた。「子供か・・・・・・」そう呟きつつ、無邪気な明るい笑顔と、雨に濡れて浮き上がる中性的な肉体。そのアンバランスさに胸が高鳴り、一瞬足りとも目が離せない...