片耳ピアスの君 1

 09, 2016

俺が大学に入学して、一番始めに仲良くなった奴。そいつは綺麗な顔をしていて、細身で背の高い、自然と目に入ってしまうような容姿の持ち主で・・・・・・入学当初から、学科内でも噂になっていた。一見華やかなグループに馴染みそうだが、性格はそうじゃなかった。人見知りで、口数も少なく真面目。無意識のうちにテリトリーを作って、限られた仲間内で過ごすのが居心地良くなってしまうような・・・・・・そう、正に俺みたいなタイプだった。...

片耳ピアスの君 2

 10, 2016

カフェテリアで、いつもの仲間達数人と雑談している最中。チャンミンは、携帯を机に伏せると溜息をついた。見るからに不機嫌だ。椅子に寄っかかったまま、動かなくなってしまった。「・・・・・・何かあったの?」ある一人が、そう問いかけると「・・・・・・ん?・・・・・・喧嘩。知り合いと」チャンミンは、ぼそりとそう答えた。「ふーん」「・・・・・・・・・・・・ちょっと、電話してくるね」チャンミンは席を立って、カフェテラスに向かった。席についた時...

片耳ピアスの君 3

 13, 2016

高校時代から、恋人のユノと言い合う事はよくあった。 僕らは正反対のタイプだから、それも仕方無いと思っていた。 大学に進学しても関係は続き、変わらず喧嘩もした。 今までと違うのは、遠く離れているせいで相手の顔を見られない事、空気を感じられない事。 電話で声だけのやり取りが続いて・・・・・・ これ迄は割とあっさり解消した食い違いが、残留したまま少しずつ、徐々に募っていった。 出口が見えない言い合いが嫌になり、僕が...

片耳ピアスの君 5

 16, 2016

友達のチャンミンが、初めて講義を休んだ。大学三年間、全ての講義にぴっちり出席していた、真面目なチャンミンが。三限目が始まる前の昼休み、仲間とカフェテリアに集まっていると「・・・・・・遅れちゃった」チャンミンが姿を現した。久しく見なかった穏やかな表情をしていて、笑ってる訳でも、声が弾んでる訳でも無いんだけど、良いことがあったに違い無いと思った。その確信は、あの夜の出来事に繋がる。一昨日、二人で飲んでから、...