嫁、買ってみました 1

<嫁は、嫁はいかがですか?><一ヶ月一万円のところ、今なら半額の何と五千円!><更に、希望された方には無料で子供もお付け致します><きっと見つかる!あなたのベストパートナー!>会社帰り。でっかい宣伝トラックが、目の前を通り過ぎてゆく。何度聞いてもおかしな宣伝文句だ。何だよ。嫁はいかがですかって。嫁も子供も売るもんじゃないだろ。おかしな世の中になったもんだ。その数日後だった。おふくろが、突然余命宣告...

嫁、買ってみました 2

嫁と名乗る男、息子だという子供をリビングに待機させ、俺はベスト・パートナーへ問い合わせた。『はい。ベスト・パートナー、問い合わせ窓口でございます』「たった今、そちらの会社の嫁を受け取ったチョン・ユンホですが」『この度はご利用ありがとうございます。どういったご用件で・・・・・・』「一体どうなってるんですか?嫁を頼んだ筈なのに男が来るなんて」『大変申し訳ございません。詳細をお調べしますので、もう一度お名前と...

嫁、買ってみました 3

こいつ、男なのに綺麗に笑うんだな。見た目だけじゃなく心も綺麗な気がする。手続きの時俺が希望したタイプは、美人系、身長は関係無し、体格は細めだった。まぁ、どれも大体合っている。問題はこいつが男だということ、それだけだ。「じゃあ、チャンミンって呼ぶか」「はい。ありがとうございます」料理をつつくうちに、堅苦しい空気も随分と軽くなった。「こういうことってよくあんの?間違って嫁にされるとか」「いいえ・・・・・・。...

嫁、買ってみました 4

「これ・・・・・・どうぞ」おふくろへ会いに実家へ帰省する俺に、チャンミンが弁当を持たせてくれた。「わざわざ作ってくれたのか?」「はい。少しでも、お母様が元気になるように」チャンミンは、おふくろが病気であることを知っている。その為に、俺が嫁を買おうと思ったことも。「ありがと。持ってくよ」チャンミンが、申し訳なさそうに頭を下げた。「済みません。本当は一緒に行ければいいのですが・・・・・・」「いいから、それは気にす...

嫁、買ってみました 5

弁当の評判が良かったことを伝えると、チャンミンは笑顔で喜んでくれた。「よくできた奴だよなぁ。ホント真面目っつうか・・・・・・」そう漏らしていると、隣でレゴを弄りながらドンジュが言った。「ねえ、本当にそう思ってるの?」「何だよ、お前もそう思うだろ」ドンジュは呆れ顔で溜息をついた。「いくら何でも、同じ男相手にここまでする?普通有り得ないよ」「だから、それが真面目だっつってんだろ」「分かってないなぁ。お父さん...