隣りの男 1

 05, 2015

落ち葉が舞い散る中、俺は先輩に別れを告げた。「何でだよ・・・・・・」傷付いた顔をする先輩から目を背け、俺は言った。「何でって・・・・・・もう、付き合いたく無いからです」「チャンミナ、ちゃんと俺の顔を見ろよ」先輩が、俺の肩を掴んで揺さぶった。その振動で、瞳に溜まった涙が溢れ出た。流れ落ちる涙をそのままに、俺は先輩を見つめて言った。「もう、嫌なんです。疲れたんですよ・・・・・・。男同士がどうとか、気にしながら過ごすの」...

隣りの男 2

 20, 2015

「ふたりとも・・・・・・知り合い?」ソフィのその一言で、俺は我に返った。「う、うん・・・・・・。学生時代の先輩」俺がそう答えると、先輩の奥さんが笑顔で言った。「あら、凄い偶然じゃない!もし良かったらお茶でもして行って。ねえ、貴方」同意を請われた先輩は、ああ、とそれだけ口にした。気まずい雰囲気に耐えられず、今直ぐこの場から居なくなりたかった。お茶なんて悠長なことをしてる場合じゃない。「あ、いや・・・・・・。ありがたい...

隣りの男 3

 21, 2015

――――『おかけになった電話は電源が入っていないか 電波の届かない場所にあるためかかりません』何度目かのそのアナウンスにため息をついて、俺は通話を切った。ソフィが出て行った当日。仕事先の昼休み、帰宅後も何度か電話をかけたが、一度も繋がらなかった。結婚指輪を置いて出て行ったくらいだから、俺を避けて敢えて電話に出ないのだろう。自室のベッドに腰かけながら、俺はソフィが置いていったリングを掌で転がしながら考え...

隣りの男 5

 23, 2015

※最初に注意書きですが、どんなラストでも構わんよ~という方はどうぞ!抱き合った後、ベッドの中、二人でまどろんでいた。互いを求めている間は気に留めなかったけれど、今何時だろう。部屋に響く秒針の音が、やけに大きく感じられる。ずっとこうして居られないことは、分かってる。きっともうすぐ、先輩は行ってしまう。「時間・・・・・・大丈夫?」俺の問いに、先輩が答えた。「さっきメールした。お前と飲むから今夜は遅くな...